2022年10月01日

9月の終わりに・・・歌舞伎町「萬太郎」

IMG_20220930_185318今日も仕事を終えて、新宿駅まで帰って来た。午後7時30分。先日、満席で入れなかった馴染みの店に行こうかとも思ったが、今日は金曜日(30日)。最もお客さんが多い曜日だ。ちょうど入れ替えの時間に滑り込めればいいが、それにしてもグループ客がわいわい飲んでいる中で、1人というのも辛いもの。1人でゆっくりと飲める店に行きたい。というわけで、歌舞伎町方面を目指すことにする。

 

新宿大ガードを潜って、西武新宿駅前の広場に出る。ひょえ〜、人が多いなあ。さすが金曜日の夜だ。今日で9月も終わり。まだ半袖姿の人も多く、爽やかな夜だ。まあ、飲みたくなるわな。横断歩道を渡って、歌舞伎町に入る。それにしても独特の雰囲気。「警察24時」というテレビ番組に出て来そうな人々が行き交う。興味深く眺めてしまう。

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狭い路地を抜けて行くと、ちょっとこの街の雰囲気とは違うよなーというような赤提灯の居酒屋が見えてくる。「萬太郎」だ。・・・いやー、癒されるなあ。ドアは開け放してある。暖簾を手でかき分けて中に入る。カウンター4席、6人掛けテーブル4つの小さな店だ。カウンターには、1番と4番の席にそれぞれお客さんがいる。「こんばんは。」とマスター(2代目)とママさん(2代目の妹さん)に挨拶して3番の席に座る。

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2022年09月29日

失恋の後で・・・高田馬場「鳥やす本店」

IMG_20220929_121655仕事を終えて、JR新宿駅に到着したのが午後7時過ぎ。気持ちのいい夜だ。この季節、最高かもしれない。いつものように西武新宿駅に向かうのだが、馴染みの店に寄り道するつもり。生ビールが頭にもうチラついている。店が近づくと入口横の窓から店内の様子がわかる。物凄く混んでる・・・。さらに近づくとカウンターの様子もわかる。全ての席が埋まってる・・・。ドアの前で確認すると、テーブルも相席できるようなところはない。ああ・・・。

 

店の前で怪しい奴が中をうかがっているという事で、お店のお兄さんが怪訝な顔で出てくる。「こんばんは。満員だね。」と明るく話しかける。「おお、寄り道さんでしたか(そうは呼ばれていないが)、すみません。なんとかならないかな。んー、どうかな」とすまなさそうに店内を確認してくれる。「いいですよ。また来るから。」と努めて明るく答える。「すみませ〜ん。本当にすみませ〜ん。」と手を合わせて謝ってくれる。「じゃ、また。」と言いながら颯爽と去る(自分ではそう思っている)。「すみませ〜ん。」という声が背後からまた聞こえる。振り返って、笑顔で手を振る。

 

・・・内心では相当ガッカリしている。ふぃ〜、あの店に満員で入れなかったのは初めてだ。いつも、「何とかします。」と言ってくれて、相席を他のお客さんに頼んでくれたり、カウンターの隙間を作って入れてくれたりしたのだが、今夜は本当にどうしようもなかったんだろうな・・・しかし・・・これからどうする?・・・思い出横丁に回る。線路沿いの店はテーブルが道路に出されて大賑わい。うぐぐ、楽しそー。自分が入れる店はなさそうだ。ふと、「彷徨える異教徒」という言葉が浮かんでくる。

 

IMG_20220929_121635とにかく西武新宿駅から電車に乗る。・・・地元の店には最近ご無沙汰だしなあ・・・。などと考えているうちに、高田馬場駅に到着。・・・降りるか。ここで寄り道していこう。そう決めて改札口へ。足は自然と「さかえ通り」に向かう。以前はよくこの通りに来たものだが、店も変わり、足も遠のき、ということで歩くのも久しぶりだ。さかえ通りの出口(反対側の入口)が見えるまで歩くと、その手前に高田馬場の宝「鳥やす」がある。

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2022年09月26日

懐かしいカウンターで・・・新宿「珈穂音」

IMG_20220926_194052中目黒駅ホーム、午後7時。日曜日(25日)の仕事を終えて、副都心線直通の電車を待っている。よく晴れた一日だったが、夜になっても穏やかな風が吹いている。隣のホームに日比谷線「北越谷」行きの電車が入線してくる。この電車に乗れば、北千住に行けるな。そういえば「大はし」の煮込み、最近ご無沙汰だなあ・・・行こうか?いや、今日は日曜日だった。定休日だったよな。串揚げの「天七」はどうだ?確か20時までの営業だったのでは。ここから北千住までどれくらいかかる?スマホで調べると40分以上かかるようだ。・・・んー。

 

ためらっているうちに、ドアが閉まり、発車してしまう。そこに副都心線「新宿三丁目」行きの各駅停車が入ってくる。新宿だな・・・。それにしても、どちらの電車に乗るかによって、この夜の過ごし方は随分違ったものになっただろう。ちょっとしたためらいや迷いが人生を変えて行くんだな・・・などと、大袈裟なことを考える。・・・やっぱり北千住に未練があったか・・・。「鳥しげ」なら大丈夫だったな・・・なんて。

 

電車は「新宿三丁目」駅に到着。先頭車両に乗っていたので、丸の内線のホームまではすぐ。「荻窪」行き電車がちょうど来たところで、乗り換え。1分で「新宿」。地下道を歩いて、サブナードに入る。西武新宿駅に向かう人々の流れに乗って歩いていくと、「サンパーク三平本店」の地下2F入口がある。入ると三平ストア、地下1Fに上がると、100円ショップの「Watts」。階段を上がって、エレベーターの前に立つ。4Fはダーツ・ビリヤード、5Fに「レストランはやしや」・・・そして、目指すは同じ5Fにある「珈穂音」だ。

 

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2022年09月18日

街の風景・・・経堂「スエヒロ」

IMG_20220917_180311午後530分、ドアを開けて店に入る。店は入口右手に6席くらいのカウンター、左手はテーブル席が壁に沿って4つ、真ん中に冷蔵庫などがあり、奥にもグループ客がいるようで、笑い声が聞こえている。今日は土曜日。さすがにお客さんが多い。カウンターの席が3つ空いているだけ。冷蔵庫のところに飲み物を作っているホール係の男性。体格が良い。しかも髷髪。忙しそうだ、カウンターの中は店長がフル回転で料理を作っている。今日の髪の毛は20センチくらい立ち上がっている。かっこいい。

 

数分後、ホール係の男性店員さんが気づいてくれて、カウンター奥から3番目の席を勧めてくれる。奥の席には若いカップル。右隣はおじさんのひとり客。残りの席はカウンターの2席のみ。それもすぐにカップル客が来て埋まってしまう。これで店は満員。おじさんがいてくれてよかったー。カップルに囲まれて1人じゃ気まずい。おじさんは日本酒をいちいち「カー」と言いながら飲んでいる。面白い人だ。おしぼりとメニューを持って店員さんが来てくれる。「生ビール(600円)、お願いします。」と注文する。

 

IMG_20220918_124903この店はなんと言っても魚が美味しい。正面の壁にかかった。巨大ホワイトボードには魚のメニュがぎっしり。こしょう鯛、生鯖、生牡蠣、しまあじ、ほうぼう、秋刀魚・・・いつもながら、すげー。印刷されたメニューには唐揚げやカニクリームコロッケ、サラダなどスタンダードなものが並んでいる。生ビールが届いたタイミングで料理を注文する。「湯引きはも(680円)とあら煮(450円)ください。」・・・はもは好物、魚自慢の店のあら煮にはずれなしということで・・・。お通し(200円)はめかぶ。

 

IMG_20220918_124811ビールを一口・・・乾いた喉にぐいぐい入ってくる。うめ〜。経堂まで来てよかったー。なによりこの店に入れてよかった。17時開店即満員の超人気店だからなー。やっと落ち着くことができて、ここまでの道のりを振り返る。職場を出たのが1530分くらいだったか。実は今日の寄り道は下町のある店と決めていた。ところがスマホで確認したところ、定休日とのこと。あちゃー、どうする?・・・ということで、急遽、世田谷線沿線に変更。というのも松陰神社前駅近くの「ブーランジェリースドウ」に行ってみようと思ったからだ。

 

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2022年09月15日

渋谷の夜は更けて行く・・・渋谷「恵」

IMG_20220915_104003渋谷駅、午後830分。空は曇って重たい感じ。水曜日の渋谷の夜はどうだろう。久しぶりにこの街を歩いてみようかな。山手線を降りて西口に向かう。渋谷駅周辺は再開発が続いていて、駅構内も迷路のよう。懐かしい風景はすっかりなくなって、クネクネ曲がるフェンスに囲まれた味気ない通路を進む。ただ足元の起伏はそのまま残っている。その記憶を辿れば迷わない。西口を出ると、東急プラザ。建物は新しくなっても、この辺りは自分のテリトリーだ。

 

IMG_20220915_104130横断歩道を渡るのだが、人が多い。後ろで若い女の子のグループが大きな声ではしゃいでいる。このはしゃぎ方が渋谷だなあ、と思わせる。他の街ではこういう騒ぎ方はしない。解放されて心から楽しんでいるのだろう。これもカクカクと曲がっている横断歩道を渡ると渋谷中央街。街を歩くつもりだったが、やっぱりどこかでビールを飲みたいな。どこにしようか・・・。

 

IMG_20220915_103834まっすぐ歩いて緩やかな坂を上ると「千両」の看板が輝いている。1階はカウンター、2階・3階はグループ用。何となく綺麗になっている。ん、何だか老舗料理店っぽい風格さえ感じるじゃないか。縄暖簾をくぐり、ドアを開ける。入口から奥に伸びるカウンターには、先客2人。手前はずらりと席が空いている。正面の若い板前さんと目が合う。何か問いたげな視線を受けて、「1人ですけど、大丈夫ですか?」と言うと、「ああ、すみません。予約でいっぱいなんですよ。」とすまなさそうな顔で答えてくれる。・・・なんですとー。予約でいっぱいとな。そんな店だっけ?カウンターでおじさんが串揚げで熱燗飲んでた、あの光景はどこに行った?そういえば、カウンターのお客さんも何となく上品に見える、ような気がする。「ああ、そうなんですね。じゃあ、また。」と言って爽やかにドアを閉めたが・・・寂しいぞ!

 

落胆が顔に出ていたと思う。すれ違う人々がこちらを気の毒そうに見ている・・・そんなんわけないが・・・。じゃあ、あそこだな。さらに坂を上り、二股に分かれたところで右に曲がる。左右に飲食店が並ぶ細い通りに出る。紺色の暖簾が堂々と風に翻る店、「恵」だ。店から漏れる明かりが温かく感じる。暖簾をくぐり、ドアを開ける・・・。

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2022年09月11日

土曜日の夜はお気に入りのバーに・・・阿佐ヶ谷「アルフォンソ」

IMG_20220910_23211010日土曜日の楽しみは、広島カープの神宮最終戦のナイター。ネット裏のチケットが手に入ったのだ。土曜日の仕事を早めに切り上げて、午後5時すぎには信濃町駅に着いた。駅にはスワローズとカープのユニホームを着た人々が溢れていて、駅前の歩道橋にぞろぞろと流れて行く。否が応でも気分は高まる。天気もいいし、今日は中秋の名月。最高じゃないか。

 

人々の列に従って、絵画館前の広場を通り、国立競技場を横目に見ながら、神宮球場に向かう。さすがに土曜日。しかも、スワローズの村上選手のホームランにも期待がかかる一戦だ。人が多いなあ。なかなか前に進めないもどかしさをあるがここは焦る必要もない。外野席入口から半周して内野正面の7番入口に到着。長蛇の列の最後尾からゆるゆると進む
 

IMG_20220911_151731球場に入ると、まだ日差しは明るく、暑くもなし。心地よい夜になりそうな予感がする。席について、通りかかった売り子さんから生ビール(750円)を購入する。試合前のひと時を味わうべく、生ビールを一口・・・これこれ。この楽しみを久しく忘れていたなあ。広々とした空間で飲むビールは格別だ。

 

というわけで、試合が開始されたわけなのだが、大荒れの展開になってしまった。カープが1回に先制を許したまではまあよかったのだが、3回にカープが1イニング12点得点という見たことがない攻撃。それに対してスワローズが6点を取り返し、さらに攻撃を続ける。こりゃあ、もしかすると逆転されるかもという気になったところ、なんとかダブルプレーで切り抜ける・・・そんなこんなで終了したのは午後10時を大きく回り、ヒーロインタビューをしっかり見てしまったので、帰りはさらに遅くなる・・・勝利の余韻を楽しむために寄り道したいけど・・・どうする?

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2022年09月08日

雨の中の寄り道・・・初台「鳥八」

IMG_20220908_124951目黒駅、午後7時。今にも雨が降り出しそうな暗い空を見上げる。傘を職場に置いて来たことを少し後悔する。なぜなら、今日は寄り道したいなと思っているからだ。この時間だと1時間くらいお酒を飲んで帰りたくなる。もっと早いと下町に遠出したくなるところだが、今日はおとなしく近場で。山手線に乗り込む。・・・今夜は渋谷かな。

 

渋谷駅に到着。目指す店は決まっている。ちょっと遠いけど久しぶりだからな、などと思いながら、乗客の群れに押し流されるように電車を降りる。するとハチ公前のスクランブル交差点が目に入る。うへっ、めちゃくちゃ雨が降ってる。傘をさした群衆が蠢いている。わー、これはやめとこう。傘持ってないし。店も遠いからなー。慌てて降りた電車に戻る。

 

新宿駅に到着。さて、雨も降って来たことだし、いつもの店にするかなと迷う。帰り道に30分から40分ぐらい滞在して帰る店がある。毎日のように顔を出しているので、少し間があくと、ものすごく心配される。「お久しぶりです。体調大丈夫ですか?」「みんなで寄り道さんどうしてるかな、って毎日噂してたんですよ。(寄り道を呼ばれているわけではないが)」などと心配顔で言われてしまう。・・・3日前に来たんだけどな、なんですぐ病気になるんだよ、とも思うが、そこは善意からくる言葉なので、笑顔で「元気でやってましたよ。」と答える。他のお客さんは、1ヶ月に1回でも、いや3ヶ月にぶりであっても、久しぶりとは言われない。「いらっしゃい。いつものでよろしいですか?」・・・いつもの・・・。

心配メールが来ることもある。「この頃、顔をお見せになりませんが、どうなさっているでしょうか。一同心配しております。」・・・おいおい、まだ火曜日だろ。先週の金曜日に行ったじゃない、と言う感じ。またそうなる懸念もあるが、やっぱり他に行こう。一駅だけの寄り道にしようかな。雨が降っているから駅から近いところとなると・・・あそこだな!

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Posted by hisashi721 at 12:46Comments(0)居酒屋

2022年09月04日

9月の夕暮れに・・・東向島「岩金」

IMG_20220904_14202310年くらい前から、西新宿に毎週のように通っている店がある。その店が3年前に休業してしまった時、それまで当たり前のように店で会っていた人たちと連絡が取れなくなってしまった。名前さえもあだ名で呼んでいた人もいて、当然、詳しい住所や勤め先なども知らない。だから、その店がなくなれば、その店に集っていた人々との関係も無くなってしまうのだ。

 

1年前に店が再開し、お客さんも戻って来て、感動の再会を何度も経験したわけだが、その中で1人だけ未だ店に顔を出さない人がいる。年齢は40代後半くらいだろうか。いつも穏やかにお酒を飲んでいる印象で、誰からも好かれていたと思う。競馬が趣味で「メジロ系」の馬が好きだと言っていた。だから、メジロマックイーンの血統に繋がる名馬「オルフェーヴル」がフランスG1レース「凱旋門賞」に出走した時は、パリのロンシャン競馬場まで駆けつけたという。

 

誰もが会いたいねと言っている。しかし、手がかりがない。わかっているのはスカイツリーの近くに住んでいるということと、その街に好きなラーメン屋があり、その店に通っていることくらい。ラーメン屋の名前も誰も知らない。こんな情報ではわかるわけない。・・・が、やっぱり気になるなあ。スカイツリーの見える場所に行けば、もう一度会える気がする・・・。

 

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Posted by hisashi721 at 14:27Comments(0)居酒屋

2022年08月29日

夏の終わりに・・・川越「大吉」

IMG_20220829_122121日曜日の埼玉県川越市。西武新宿から特急「小江戸」で45分。高田馬場からは40分で到着する。小江戸、蔵の街と聞くだけで心惹かれる観光都市だ。喜多院や初雁城址など見どころも多く、蔵造りの街並みを見ながらの食べ歩きも楽しい・・・が、今日は蔵の街には用はない。西武新宿線本川越駅からほど近く、土日は1230分から営業しているという老舗酒場、「大吉」に向かっているのだ。

 

「大吉」は、JRと東武東上線の「川越駅」と西武新宿線の「本川越駅」を結ぶ道路の途中にある。その道路沿いには「丸広デパート」という牧歌的な地方百貨店があり、ある意味では川越の中心部ともいえる。丸広の6階には食堂街があり、昭和レトロ好きなら涙ものの、昔ながらのデパートファミリーレストランもある。ハンバーグやパスタを食べている家族連れや、鰻重を上品に召し上がっている地元セレブ婦人に混じって、ざる蕎麦で燗酒を飲んでいる渋いおっさんもいる。

 

さらに、丸広6階には「丸喜」という蕎麦屋があり、そこは、「ここってデパートの蕎麦屋ですよね?」と聞きたくなるような超庶民的な店で、天ぷらを肴にビールなんか飲んだ日には、燗酒の食券を何度もレジに買いに行くという負の連鎖に陥ってしまうのだ(食券制というのがまた渋い)。これらの食堂について語りたいのは山々であるが、今日はなんと言っても、「大吉」だ。

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Posted by hisashi721 at 12:51Comments(0)居酒屋

2022年08月20日

夏の日の午後に・・・初台「FIRST HILLS COFFEE DANBO」

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初台駅の階段を上がり、外に出ると熱気が襲ってきた。今日(819日)も35℃の予想だ。午後130分、駅前の緑道から一斉に鳴く蝉の声が聞こえてきた。真夏にもしっかりと秋が忍び寄って来ているようだ。それにしても暑い。目の前を、サンバイザーをかぶってサングラスをかけた女性が自転車で通り過ぎる。Tシャツの袖を肩までまくり上げている。風はない。

 

強い陽ざしの中を少し歩くと、小さな喫茶店が見えてくる。看板に「FIRST HILLS COFFEE DANNBO」とある。リニューアルして3年半。喫茶「ダンボ」の時代から、バタートーストが評判の店だ。ドアを開ける。入口近くに立っていた弟さんが「いらっしゃいませ。」と迎えてくれる。お母さんと息子兄弟、3人でやっている店だ。

 

IMG_20220819_134640昼食時間を過ぎているので、客は少ない。奥の席で新聞を開いている男性と文庫本を読んでいる女性の2人のみ。静かだ。表通りが見える席に座る。注文は「トーストセット(480円)をお願いします。飲み物はアイスコーヒーで。」・・・昼食にトーストというのも物足りない気がするが、どうしても食べたくなってしまったのだから仕方がない。頭の中は、もうトーストでいっぱいだ。



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Posted by hisashi721 at 14:59Comments(0)喫茶店

2022年08月18日

明日も来るよ・・・広島「源蔵本店」

IMG_20220818_130557先日紹介した「源蔵センター店」の入口横に源蔵」の店舗案内がある。これは昔からここにあって、眺めるたびごと「ああ、こんなに支店があったんだなあ。」という感慨に耽ることになる。その案内を見ると「ふぐ料理 源蔵」とまずあって、本店「猿楽町店」、支店として、駅ビル店、流川店、横川店、徳山店、光町店、三條店とある。これにセンター店を加えれば、全8店舗。広島の一大飲み屋チェーンだったことがわかる。

 


IMG_20220818_130831今存在するのはセンター店と本店の二つだけ。地元に愛される店でありながらも、時代に確実に押し流されるのがこうした酒場の運命だ。寂しい限りだが、今あるに店舗だけは絶対になくなってほしくないと強く思う。そんな思いを胸に、8月10日の昼下がり、広島駅から徒歩5分、猿猴橋電停近くの「源蔵本店」に向かった。

 

 

店に近づくと、入口付近に4人づれと、3人づれがいて、店の中を覗き込んでいる。両方とも広島カープのユニホームやTシャツを着ている人たちだ。今日は近くのマツダスタジアムで試合がある。こんな日は、試合前までこの店で飲んで行こうというグループで満員になる。あちゃ〜、満員かな。試合のない日は落ち着いたもので、さすがに午後3時からグループで盛り上がる人たちは少なくて、1人客や2人客がおとなしく飲んでいるのだが・・・。中から店長が顔を出して、何か話をした後、2グループともに残念そうに店から離れていく。入れなかったんだな・・・。

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Posted by hisashi721 at 13:15Comments(0)居酒屋

2022年08月13日

真夏の大冒険・・・広島「源蔵センター店」

IMG_20220809_132555また同じような話題で申し訳ないのだが、例の「藤の家」での常連さんとの会話。どういう流れの中で出てきたのかは忘れたが、自分の出身が広島だということで、隣に座っていFさんが「ほー、広島ですか。広島のどちらですか?」と問う。「広島市ですけど。」と答えると、「三次って所、知ってますか?」とFさん。「知ってますよ。県北の街ですね。」「そうですか。三次に、海に渡ると書いて海渡というところがあるのをご存知ですか?」「全く知らないです。」「えっ、そうなんですか。」「海渡がどうしたんですか?」「自分のルーツがそこにあって、お墓もあるようなんですが、もう何年も誰も行けてなくて。」「なるほど。」

 

ここまできて、自分の悪いところなのであるが、興味津々になってしまう。スマホで、確認すると「海渡」は「うと」と読むらしい。しかしFさんは「うど」だと思い込んでいる。なので「うど、じゃなくて、うと、と読むそうですよ。」と教えてあげる。でも、Fさんは「うど、と読むんですよ。山の中なのに海を渡るなんて不思議ですよね。」などと勝手なことを言っている。「うと、なんですよ。」「いや、うど、と読むんですよ。普通読めないですよね。」・・・諦める。

 

Fさんは東京出身なのだが、祖父の代で福岡に渡り、父親の代で東京に出てきたそうだ。それ以前の先祖の墓がその海渡にあったのだが、昭和40年代か50年頃に、寺が火事になり、近くの高台に墓を移した。その墓にはその時以来、誰も行けていない。どうなっていることか心配だ・・・。ふむふむ。「じゃあ、自分が行って探してみますよ」・・・言っちゃった!簡単なことではないとは思ってた。でも、完全に「海渡」を舐めていたのも確かだった・・・。

 

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Posted by hisashi721 at 17:06Comments(0)居酒屋

2022年08月07日

雨の中を歩いて来た・・・新宿「ぼるが」

IMG_20220804_181933今日(8月4日)は朝から激しい雨が降り、午後もさぞやと思われたが、降りそうで降らない感じの空模様。電車の中では傘が邪魔にさえ感じられた。午後530分、新宿駅に到着。小田急ハルク地下入口横の階段を登って外に出ると、果たして雨が降り始めている。ついに来たか。傘を開く。早足で向かうのは「ぼるが」だ。

 

青梅街道と小田急ハルクに囲まれた一角は、居酒屋やレストラン、ラーメン店、バー、カラオケ店などがひしめく心惹かれる場所になっている。その中に昭和24年創業、かつては文化人が杯を上げていたという老舗「ぼるが」がある。ビルではなく、二階建ての一軒家。さすがの貫禄ある建物だ。

 

入口を入ると、「いらっしゃいませ」と迎えてくれるのは3代目のお兄さんの方。弟さんは今日は厨房の中のようだ。カウンターが奥まで伸びている。右手にはテーブルが5卓ほど。2階に上がる階段も見える。2階は30以上入れる広いスペースになっていて、さらに右手奥には50人くらい入れるような大きなスペースもある。カウンターの真ん中あたりに座る。  続きを読む
Posted by hisashi721 at 12:19Comments(4)居酒屋

2022年08月03日

もう一つの「ふじのや」・・・南阿佐ヶ谷「藤野家」

IMG_20220803_135308西新宿思い出横丁の「藤の家」での会話の中に、もう一つの「ふじのや」が出てきた。それは最近よく会うMさんという人の話。彼は新聞を読みながら入ってくるという技で、入店を果たした人なのであるが、なぜこの店に来ようと思ったかというと、それは南阿佐ヶ谷に同じ名前の店があって、それが懐かしくてたまらなかったからだという。

 

「どんな店なんですか?」と聞いてみる。「食堂なんだけとね、妙に懐かしい味がしてね。毎日のように通ってたことがあったんだ。」「毎日ですか!そんなに美味しいんですね。」「まあ、毎日行っていたのには理由があって、その頃、仕事の現場が南阿佐ヶ谷だったんだ。それで、その店で昼食をとっていたんだが、それが毎日楽しみでね。そういう意味では毎日食べても飽きない味と言えるな。」

 

ここまで聞くと、もう興味津々である。「お酒も飲めるんですか?」「ビールも酒もあったと思うし、一品料理もあったので多分夜は飲んでいる人もいるのかもしれないが、もっぱら昼飯だったので分からないな。」「ふむふむ。」「手作りで何でも美味しいので、確かにメンチカツでビールかなんかやりたい気がする。」・・・おー、メンチカツでビール。いいなー。でもまずはランチかな。「何が一番美味しかったですか?」「オムライス!」・・・よし、オムライスだな。  続きを読む
Posted by hisashi721 at 13:58Comments(0)グルメ

2022年08月02日

夢の京都・・・阿佐ヶ谷「川名」

IMG_20220801_175844710日(日)以来の川名だ。その日、帰り際に壁の貼り紙を見たら、次の日から長期休みとのこと。「どこかに行くんですか?」とマスターに聞くと、「京都に行くんだよ。誘ってくれる人がいたんでね。」との答え。「いいですねー。祇園祭ですか?」「うん、初めてなんだよ。」・・・羨ましー。

 

それで、今日(731日)、ちょっと間が空いちゃったし、川名に顔を出そうと思ったのだ。新宿から中央・総武線に乗り換えて阿佐ヶ谷。時間は1535分。微妙な時間だなあ。川名の開店時刻は16時。このまま歩くと、その前に着いちゃう。かといって、どこかで時間を潰す暇はない。ゆっくり歩いて行こうと思う。

 

それにしても暑い。まだまだ日差しも強烈だ。歩いているだけで汗が噴き出して来そうだ。松山通りは自転車の人が多くて、それを避けながら歩くのが煩わしく感じる。いつもはそんなことはないのだが、暑いので余裕がなくなっているらしい。で、店の前に来てしまったのが1550分。マスターは何か奥で作業中。入口横の焼き台の炭火から熱風がもわっと顔にかかる。ひえ〜、こりゃあだめだ。中に入れてもらおう。

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Posted by hisashi721 at 10:37Comments(0)居酒屋

2022年08月01日

最後の日曜日・・・高田馬場「吉田屋」

IMG_20220730_073319最後の日曜日。この日はある人々にとっては特別な日になった。高田馬場駅前の立ち食いそば屋「吉田屋」が46年の営業を終える日なのだ。この店は、昼がそば屋、夜になると寿司屋になるという独特の経営をしている店で、どちらの店のファンもこの高田馬場という街の心の拠り所としてきた場所なのだ。

 

そういう意味では、早稲田通りと駅前ロータリーを挟んだところに聳え立つBIGBOXと対局的な高田馬場のシンボル的存在であるといえる。BIGBOXが開業したのは1974年、吉田屋は1976年創業。両者とも立場は違えど、活気ある高田馬場を見つめてきた存在なのだ。言うなれば、太宰治「富嶽百景」の名言「富士山には月見草がよく似合う」を思い起こさせる関係かな。・・・お店の人はそうは思っていないと思うが・・・。

 

この店が7月31日を最後に閉店するというニュースを聞いたのは5月だったか6月だったか。とにかく、ずっとそこにあるから何時でもいける思っていた店がなくなるというのは、衝撃的である。もうあの味は食べられなくなるのか・・・。そんなに頻繁に利用したわけではないが、寂しさが襲ってくるのは不思議なものだ。

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Posted by hisashi721 at 09:00Comments(2)グルメ

2022年07月31日

究極の一人飲みとは?・・・中野「第二力酒蔵」

IMG_20220730_1402257月最後の土曜日、午後2時過ぎ。今日も夏らしい強い日差しの中歩いて来た。と言っても駅から徒歩3分。第二力酒蔵の白い暖簾が眩しい。暖簾をくぐって、自動ドアがガラガラと開いたら、な店員さんたちが一斉に「いらっしゃいませ!」と迎えてくれる。一人客の自分は当然カウンター席。カウンターは二種類あって、入口右のオープンキッチンスタイルの厨房の前、そして入って正面の」字型の席。「ここいいですか?」と座るのは正面のカウンターの真ん中辺り。「どうぞ。」とお姉さんの一人が答えてくれる。

 

座るとすぐに、おしぼりとお通し(無料)が出てくる。そこで飲み物を注文。「生ビールの中(550円)をお願いします。」「中生ですね。お待ちください。」ここの店員さんは本当にテキパキしている。生ビールを用意するためにお姉さんが去った後、別のお姉さんが来て、焼酎のボトル(幻の露3465円)とオンザロック用のグラスを用意してくれる。ビールの次は芋焼酎のロックと承知してくれている。

 

生ビールが届く。まず、ぐいっと一口。ぐひー、勢いよく流し込みすぎて息が詰まったよ〜。なんとか咳き込まずに済んでよかった〜。などと考えていると、お姉さんが伝票を持って正面で自分を見つめている。注文を待っているのだ。余裕の表情を作って、「刺身盛り合わせ(1705円)と水茄子(850円)お願いします。」と注文。「ありがとうございます!」と厨房に注文を通しに向かう。ふと立ち止まって、「大丈夫ですか。水お持ちしますか?」と声をかけてくれる。見てたのね。でも、さすがのサービス精神!。

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2022年07月29日

男たちのプライド・・・新宿「藤の家」

IMG_20220729_114023新宿西口思い出横丁。この愛すべき昭和風情を残す一角も、よく見ると様変わりしている。経営者が変わったとか、先代が亡くなったとか、色々な理由があるのだろうが、昔ながらの人情酒場と言える店はとても少なくなったように感じる。その中で、朝8時から紺色の暖簾を下げている「藤の家」は、常連客にとっては最後の砦と言っていい店なのだ。

 

この店は、誰でもいつでもふらっと入れるというわけではない。ごく稀に奇跡的に許されて、「どうぞ」と招き入れられる人がいるにはいるのだが、その基準はよくわからない。まあ、見ていると、ごく自然に軽やかに爽やかにドアを開けるという技があれば、入れてもらえるような気がする。ドアを開けて、人差し指を立てて、「一人なんだけど、いい?」とか、視線をキョロキョロ泳がせながら「入れますか?」とか、緊張を隠すように大きな声で「ビールね」とか、とにかくちょい不自然な入り方をしてしまうと、まず入れてもらえない。ひどい人になるとドアを開けた瞬間に追い返されている。ママさんが「ダメ!」と言って手を横に振るのを虚しく見ながら、すごすごと出て行くことになる。プライド、傷ついているかも。

じゃあ、自分はどうかというと、3回断られた。それで、中野のブリック(閉店してしまったが)のカウンターで知り合った人にその話をしたのだが、その人はとても興味を示して、ある日トライしたのだ。ブリックで次に会った時、彼が「藤の家、行きましたよ。」「断られたでしょ。」「いや、すんなり入れてもらえた。常連の人が優しくて声をかけてくれて、楽しかったよ。」・・・ぬわにぃ!一発で入れたとな。「どうやって入ったんですか?」「ごく自然に、空気のようにフワッとドアを開けて、無心でこの席いいですか?って言ったら、いいですよ、って言われた。」・・・うぐぐ。

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Posted by hisashi721 at 10:37Comments(6)居酒屋

2010年05月10日

孤独のグルメ?・・・石神井公園「豊島屋御休憩所」

DSC01584連休のまっただ中の4日。西武池袋線の富士見台駅近くのカフェで、アイス・カフェオレを飲みながらぼんやり商店街を眺めていた。気温は25℃を越えて、初夏の日差しがキラキラと眩しい。半袖のTシャツにジーンズという軽装がとても爽快だ。時刻は丁度お昼時。どこかでビールでも飲みながら食事がしたくなるよなあ。

 

ふと思い立って、電車に乗り込むことにする。改札を入り、エスカレーターに乗りホームに向かう。丁度各駅停車の「清瀬行き」が入線してくる。高架のホームは涼しい風が吹いていて、その風に背中を押される様に、電車に乗り込む。車内はほどよく冷房が効いている。

 

2駅で「石神井公園」駅に到着する。大勢の乗客がこの駅で降りる。家族連れやカップルが目立つのは、やはり晴天の休日だからだろうか。駅は工事中で、この駅も高架のホームがもうすぐ完成するようだ。南口を出ると、正面の「コージーコーナー」でアイスクリームを売っている。中学生らしい女の子2人が、売り場の前で、買おうかどうか迷っている様子。

 

商店街をバス通りに沿って歩き出す。この通りを歩くのは多分10年ぶりくらいだ。それでもなんとなく覚えているもので、この道を左に曲がれば「石神井公園」に行けるんだったよなあ、などと考えながら歩いていく。しばらく歩くと公園の入口が見えてくる。入口に着くとまずは石神井池のボート乗り場が目に飛び込んでくる。白鳥型のボートが優雅に池の中央に向かって漕ぎ出していく。
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Posted by hisashi721 at 19:06Comments(24)TrackBack(0)グルメ

2010年04月30日

生姜焼き定食の快楽・・・都立大学「鳥はる」

DSC01564都立大学駅近くの緑道を挟んで、同名の店が向かい合っている。店の名は「鳥はる」。一方の店での驚愕の体験(大げさ)については、以前、長い文章で書いたことがある。店の外見とはあまりにも違う体験は忘れようにも忘れられない。そして、もう一方の店は・・・。これがまたやけに大衆的な店なのだ。

 

暖かい日の午後120分頃、店の前を通りかかると、ランチメニューが表に立てかけられた黒板に書いてある。豚肉生姜焼き、さんま焼き、塩鮭焼き、うな丼などが500円(!)牛丼は380円、うどん・そばは400円。一番高い牛焼き肉でも600円。この場所で、この値段・・・これは、入ってみるしかない。

 

暖簾を掻き分けて、店の中に入る。L字型カウンターのみ。ランチタイムの山場は越えているが、店には3、4人のお客さんが座っている。奥から2番目の椅子に座ると、牛肉を焼いていたご主人が「何にします?」と顔を上げて尋ねてくれる。すかさず「生姜焼き」と答える。ご主人は一旦手を休めて、つめたい水が入ったグラスを持ってきてくれる  続きを読む
Posted by hisashi721 at 18:03Comments(12)TrackBack(0)グルメ