屋台のような雰囲気で・・・野方「つがる屋」
土曜日（9日）の仕事を終えて、野方駅に降りたのは8時すぎ。ホームから確認すると「おでん一筋」の看板には灯が灯っている。久しぶりに「つがる屋」でおでんを食べたくて、今日の寄り道は野方に決めていたのだ。
焼きとん「秋元屋」の路地を真っ直ぐ歩く。環七を渡れば「つがる屋」の前だ。今日は暖かいので戸が開け放しになっている。この店は、だいたい7時30分くらいから開いている。おでんの準備ができてからというわけだ。でも、なにやら取り込んでいる様子。やってるのかな？
暖簾をくぐって、「こんばんは」と声をかけると、常連の女性と女将さんがテレビのところでなにやらやっている。「まだ？」「もうおでんはできてるから、どうぞ。ビデオをセットしてもらってたから・・・」なるほど。
店の内部は、大きなおでん鍋を囲んでカウンターがついていて、四角形の１辺が女将さんがいるところ、残りの３辺が客の席だ。その上には屋台風の屋根がついている。つまり、屋台をそのまま店の中にすっぽりとはめ込んだ形なのだ。5・6人も入れば満席だ。戸も開け放されているので、屋台の雰囲気出てるぞ。
女将さんの対面の真ん中の席に座る。「何にしますか？」「クエン酸サワー（350円）。」この店にはレモンサワーやウイスキー、日本酒、ビールもあるが、なんといっても「クエン酸サワー」だ。壁にも「お疲れさんにクエン酸サワー」と書かれている。味は、ほんのりとした酸味と軽い甘さが特徴。
テレビのあるところは自分の左手。常連の女性が、「これで、ビデオが見られるよ。」と作業を終える。以前女将さんが「お客さんを待ってる時にビデオでもあればねえ」と話した時、「じゃあ、うちに使ってないのがあるから持ってきてあげる。」ということになり、仕事が休みの今日セットしに来てくれたというわけだ。「ご苦労さま。」
「クエン酸サワー」を飲んでいると、女将さんが「おでんは何を取りましょうか？」と声をかけてくれる。・・・この店のおでんはスープはもちろん絶品なのだが、具もいろいろあるのが特徴だ。芋類もジャガイモはよく見かけるが、この店にはさつま芋も里芋もある。さつま揚げの種類も多く、目移りする。まずは「豆腐と丸いさつま揚げ、それから竹輪麩」・・・今日はオーソドックスに。
皿に盛られたおでんが届く。まずは丸いさつま揚げから。ここのさつま揚げはどれも大きい。箸で切って食べるのももどかしいので、かぶりつく。くほ〜、いい味！魚の臭みは全くなく甘味さえ感じる上品な味だ。いいね〜。クエン酸サワー、クエン酸サワー。
仕事を終えた女性も席につく。「クエン酸でいい？」「ええ。」・・・やっぱりなあ。なぜかおでんに合うんだよな〜。「おでんは？」「え〜とブロッコリーと・・・蕗はまだ？まだなら・・・里芋」。大きいブロッコリーはスープがよく絡んで美味しそうだ。包丁で食べやすく切られて皿に。里芋は串に刺されて、美味しそうに煮えているのを２つ皿に・・・美味しそう。
自分は豆腐に取り掛かる。こちらは箸で一口分つまんで・・・スープが滲みてる〜、ほーさすがにいい味だなあ。美味しい、美味しい。竹輪麩も柔らかく芯まで煮えている・・・あ〜、美味しい！「クエン酸、お替り。」
この店の壁には色紙が2枚。１枚は「レオナルド熊」・・・あのハチマキ姿、思い出すなあ・・・。もう１枚は「江波杏子」・・・おお、あの大女優もこの店に来たことがあるのか！すごいなあ。
テレビは「ジャイアンツ対ドラゴンズ」の野球中継。女将さんはジャイアンツファンだ。「今日くらい勝ってもらわないと」「ジャイアンツ、リードしてますよ。」バッターは清原。「清原って長淵剛の大ファンなんだってね。」「そうそう。」「そういえば、去年だか一昨年さかに出た『しあわせになろうよ』、あれヒットしなかったね。」「そうでもないでしょ。そこそこ。」「でも、テレビなんかでは聴かなかったよ。」「もともとテレビにはあまり出ないんじゃあ・・・」「テレビは出たほうがいいよ。江波さんも最近東電のコマーシャルに出てるもの。」・・・江波さん？江波杏子か・・・常連なのか！
隣で飲んでいる女性は若いが、とてもしっかりした方だ。会社ではなんと部長。でも普段はとても楽しい。話題は最近次々に家を買って郊外に移って行った常連さんたちのことに・・・「みんな、お小遣いがないから、飲めないんだよ、なんて言うのよ〜。タバコもやめたって。」「え〜、そんなに。健康のためにっていうのなら分かるけど、家のローンで買えないからやめたなんて、寂しい。」と女性。「私もやめられないからねぇ」・・・女将さんは、大のタバコ好き。赤ん坊のころ、お婆さんのキセルの吸い口をチューチュー吸っていたというエピソードの持ち主。少女時代には、父親がタバコを吸っていると、こっそり背後に回って煙を吸い込んでいたっていうくらいだ。
「クエン酸お替り。あと、蕗が煮えてたらちょうだい。」と女性。蕗はシャリシャリした歯ごたえで美味しいのだ。いつもは注文するのだが、今日は「筍」にも惹かれるものが・・・。１５�僂�らいの大きさ。いい感じでスープの中に寝転んでいる。「こっちは筍とがんもください。」
筍はやはり一口大に切られて皿に盛られる。がんもは普通の丸いものではなく筒型。おでんが届く。がんもからだな・・・はふ〜、柔らかい。この店のがんもはザラザラした歯ざわりではなく、きめ細やかなのだ。・・・さて、それではいよいよ筍に・・・さくっ・・・いい感じに煮えてるぞ。噛むごとにスープがしみ出てくる・・・美味しい！
「クエン酸サワー、お替り。」・・・クエン酸サワーとは、サワーグラスに焼酎と氷を入れ、その上にクエン酸サワーの元を加え、更に水を足したものだ。確か１年位前にこの店に登場したと思う。他では見ないので、飲みたくなったらこの店に来ることになる。
女将さんの話を聞いているうちにあっという間に時間が経つ。今日はこの辺で。「ごちそうさま。」「またお近いうちにどうぞ。」「また来ま〜す。」
今日は暖かいなあ。少し歩いて、「秋元屋」近くのマンションの猫に会いに行く。少し大きくなったようだ。すぐに近づいてきたので、常時携帯しているパック入り鰹節を取り出す。猫と過ごしていると、のんびりしてすべてを忘れそうだ。じゃあ、これで帰るよ。こっちもまた近いうちにね。
Posted by hisashi721 at 17:39│
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６月２２日 その２
頭の中は、すっかりレバ・モツモード。この思いを晴らしてくれるのは、
秋元屋 しかないっ！！って事で、野方に襲撃をかける。
改札を出て、左→左と路地に入る。逸る足を押さえつつ、秋元屋へと先を急ぐ
津軽ジョンガラ・野方恋歌 つがる屋＠野方【サーベルキラー・どこへ行く？】at 2005年06月29日 11:16
こんにちは。
もうおでんはないかと思っていたら、
また攻められました！クッー。
今度の週末におでんパーティをやるかやらないか、
（もうあったかいからなと思っていたら、きょうは寒いですね）
迷っていたところなんですけど、ますます迷いが深くなりました。
ブロッコリーとか蕗とか筍、おいしそう。
春おでんですね。
mesinosukeさん、こんにちは。
「春おでん」という言葉にピッタリでした。おでん鍋に緑色の具は目にも爽やかですね。
「おでんパーティー」ですか。楽しそうです。mesinosukeさんが作るおでんは、繊細な味がするんでしょうね。
寄り道さん、土曜日にＫで、ちょっとだけご一緒させていただいたハラです（何度か竹よしでも）
「つがる屋」は、何度か店の前を通って、気になってた店です。今度、行きたいと思います。
クエン酸サワーって、読んでるだけで、口の中が酸っぱくなってきました。
私もハラさんや常連の皆さんと竹よしから流れてきてました、その節は初めましてのhaluoと申します
いつもながら見事な文章で感銘しております
それより鰹節携帯とはイヤハヤ尊敬します〜
またお会い出来たら是非いろいろお話聞かせて下さい
はらさん、こんにちは。
「Ｋ」は面白い店でしたね。鷺ノ宮の宝です。
「つがる屋」はいいですよ。おでんは美味しいし、渋い雰囲気だし、女将さんは楽しい人だし・・・いい店です。ぜひ行ってみてください。
haluoさん、こんにちは。
鰹節パックは軽いし、かさばらないのでいいです。猫はかわいいですね。
また、お会いしましょう。これからもよろしくお願いします。
土曜日（9日）の仕事を終えて、野方駅に降りたのは8時すぎ。ホームから確認すると「おでん一筋」の看板には灯が灯っている。久しぶりに「つがる屋」でおでんを食べたくて、今日の寄り道は野方に決めていたのだ。
