2005年04月11日

桜満開の日曜日に・・・渋谷「茶亭羽當」、「メアリージェーン」、阿佐ヶ谷「川名」

田園調布道日曜日(10日)の仕事は午前中で終了。天気のよさにひかれて、田園調布の街並みを散歩。「あはれ花びらながれ、をみなごに花びらながれ」という三好達治の詩がふと口をついてでたりする。何年かに一度訪れる、絶好の日和だ。


一時間ほど歩いて、田園調布駅に戻る。東横線に乗って、渋谷へ。沿線の桜も美しい。都立大学駅横の遊歩道、中目黒駅すぐの目黒川沿い・・・。天気はあくまでもいい。麗日。

渋谷に着いて、渋谷駅を宮益坂方面に出て、明治通りを歩く。向かうのは「茶亭羽當」。自分が一番好きな喫茶店だ。程なく店の前に着く。前を歩いていた男女のグループが店に吸い込まれていく。その後について自分も店に入る。

田園調布駅舎

前のグループは奥の大テーブルに座る。自分はカウンターを奥に進んで、照明の比較的明るい席を選んで座る。今日は珈琲を飲みながら、読書するつもり。レトロな落ち着いた雰囲気。静かな音楽。店員の無駄のない動き。どれをとってもこの店は優れている。いい時間を過ごせそうだ。

羽當

「炭火煎羽當オリジナルブレンド(800円)」を注文。本を開く。丁寧に淹れられた珈琲が届く。香り高く、苦味が柔らかい炭火煎ブレンド・・・。BGMは「テネシーワルツ」・・・いつしか本の世界に入り込んでいく。1時間と少しで1冊読み終える。時間もあるし、もう少し読書したいという気持ちが残る。そこで、東急プラザ5Fの紀伊国屋書店に行くことにして、店を出る。外は相変わらずの春真っ盛り・・・。

羽當

紀伊国屋書店で3冊の本を購入後、桜ヶ丘方面に歩いていく。風が強くなっている。通り沿いに植えられた桜の樹から花びらが舞い始める。これで見納めだと言わんばかりの勢いで花が散っていく。その中を歩いて、次に向かうのはJAZZ喫茶「メアリージェーン」

メアリージェーン1



映画や舞台のポスターの貼られた「メアリージェーン」の階段をのぼる。ドアを開けると、窓が開け放されている。窓辺の席に座ると爽やかな風が時折心地よく吹いてくる。「カールスバーグ(生600円)」を注文。こんな気持ちのいい昼下がりはビールを飲みたい。



メアリージェーン2

JAZZが響き渡る店内で、よく冷えたビールを飲みながら、先ほど買ってきた本を開く。風を感じながら読み始める。

メアリージェーン3

いつの間にかビールも飲み干してしまい、本を半分ほど読んだところで時計を見る。3時を回っている。麗かな日曜日も、日暮れに向かっている。席を立つ。次は・・・阿佐ヶ谷に戻って「川名」に寄ろう・・・「よじかわ」だ。

阿佐ヶ谷駅に着いたのは3時50分すぎ。歩いて「川名」に向かう。4時ちょうどに「川名」到着。「川名」は風の中。風は強い。店に入ると、カウンターの先客は2名。奥のテーブルが1つ家族連れで埋まっている。マスターは入り口近くのテーブルでホワイトボードに今日のお薦めメニューを書き込んでいる。1番奥のテーブルに座る。

川名ホッピー

「ホッピー(336円)、氷なしで。」モアナ風にするつもり。今日はお客さんの出足が悪い。これは予測していたこと。花見で昼間出かけている人が多いから、川名は比較的空いているだろうという読み。その通りにのんびりした夕方の1人飲みとなった。

ホッピーが届く。「何か料理は?」と聞かれるがホワイトボードまだ掲げられていない。ネタケースにまぐろが見えたので、「まず、マグロのぶつ(294円)をください。」と注文。モアナ風ホッピー作りに励む。

「川名」のマグロぶつはいつ食べても美味しい。今日のぶつは刺身のような切り身で、20枚くらいある。それでこの値段は驚異的だ。一枚一枚味わう。ホッピーが進む進む。

川名ぶつ

ホワイトボードが掲げられる。その中から「わかさぎ(126円)」を選ぶ。炭火で塩焼きされる。楽しみだ。お客さんは次々入ってくるが満員という状態にはならない。早く帰る客も多いからだ。「今日は昼間花見だったから、この辺で。」というわけだ。「メアリージェーン」で途中だった本を取り出す。

「わかさぎ」はししゃもほどの大きさ。頭から齧ると魚の旨味が口の中に広がる。「ホッピーセットお替り。氷なしで。」本を読んだり、わかさぎを齧ったり・・・本は先を急がない。

ホッピーを飲みながら、本を読む。3杯目のホッピーセットを注文。最後に焼き鳥を食べようかな。「鳥はらみ(126円)2本、塩で。」・・・鳥はらみとは・・・。3杯目のモアナ風ホッピーを作りながら、そろそろ本に対する集中力がなくなってきていることに気づく。最後の1杯は、本から離れてゆっくり飲もう。

「鳥はらみ」が届く。ジュージーな肉が食欲をそそる。今日はマスターの元気な声が店の中に響いている。いつもの「川名」の風景。天気のいい日曜日、誰もが気分がよかったに違いないと思わせる表情をしている。

とりはらみ

「川名」を出て、また歩く。花びらがどこからか流れてくる。このまま帰るか、それとも強いウイスキーでも飲みに行くか・・・迷いながら見上げた空はまだ光を残していた。

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【コメント】渋谷の喧騒を忘れたいときによし。やや酸味強い? 店名の「羽當」は「はとう」と読むそうです。注文したものと値段は、マンデリン(900円)とコロンビア(800円)、レアチーズケーキ(500円)。 コーヒーの味ですが、おいしいけれどもマンデリン、コロンビア...
茶亭 羽當[はとう](渋谷) マンデリン(900円)レアチーズケーキ(500円)【買い物しようと町まで出かけたら】at 2005年10月20日 20:07
この記事へのコメント
偶然、寄り道さんのアーカイブで
メアリージェーンを見つけてコメント差し上げたら、
メアリージェーンに寄ったというエントリー。
奇遇ですねえ。
メアリージェーンで雇われマスターをやっていた
彼からは、JAZZのことをいっぱい教わりました。
懐かしくなりました。

でも1時間で1冊とは羨ましいです。
私は超がつくほど遅読なので……。
Posted by mesinosuke at 2005年04月12日 17:15
今晩は、寄り道さん。
メアリージェーンが、今だ健在と知ったのは、
日経の小泉教授の連載エッセイで昨秋か紹介されてた記事を見た時かと思います。
ほんとに、まだやってるのですね。
たぶん、開店したのが大学の2,3年の頃だったと
思います。変な所に店出したのだなと思いながら
お店に入ったような覚えがあります。なにせ、まだ
渋谷もジャズ喫茶は健在なりで、百軒店に道玄坂小路、お店がいっぱいでした。でも、今はどこもないのですよね。東京へ行くのは、せいぜい年に1,2回
でも、今度はぜひ、メアリージェーンへと考えてます。
Posted by レイン坊 at 2005年04月12日 21:02
暖かさに誘われて花開き、風強く花びらが舞い、
雨がしとどに濡れそぼり。
都内の桜は今年はもうさようならの気分ですね。
土曜日は最高のお天気でした。さぞお花もよかったでしょう。

それに勝るともの、マグロぶつ。こりゃトロぶつですね。この量、この画像の質でこのお値段。
是非にもよじかわ、ごじかわ、ろくじかわ、時間を問わず川名入りしてみたくなりました。
モアナ風ホッピーにカウンターで読書、とてもスタイリシュな時間のすごし方に思えます。
時間をみつけて川名にお邪魔したいと思いました。
Posted by でっち坊主 at 2005年04月13日 01:37
mesinosukeさん、こんにちは。
JAZZの話を教わることができたというのは素晴らしいですね。自分も、そういう話を聞いてみたいです。l

レイン坊さん、こんにちは。
おお、学生時代にメアリージェーンに行かれていたんですね。健在ですよ。居心地のいい喫茶店です。道玄坂小路は変わってしまいましたね。フィッシャーマンベーカリーという渋いパン屋を思い出しました。

でっち坊主さん、こんにちは。
土曜日は最高でした!最後に川名を選んだのもよかったです。仰るとおり「トロぶつ」でした。美味しかったです。294円はそれにしても驚異の値段ですよね。
Posted by 寄り道 at 2005年04月13日 19:20
今週もお疲れ様です。
Posted by 毎日酵素 at 2012年06月23日 21:51