寄り道Blog

さばの味噌煮の専門店？看板を見る限りそうである。これは早速、入ってみなければ・・・。するとおじさんが向かいから歩いてきて、店に入って行く。おお、遅れをとってしまった。自分も続く。店は引き戸の入り口と平行のカウンターのみ６席。入り口とカウンターの幅がまた狭い。隙間に嵌まり込む感じだ。「いらっしゃい。」と女将さんがお絞りとお茶を出してくれる。「どうも。」

注文は必要ない。店内のメニューはさばの味噌煮定食（770円）しかないのだから。カウンターの中には大きな鍋があって、その中にはさばが味噌だれとともにぐつぐつ煮えている。美味しそうだ。隣の先客が食べているものを見ると、とろとろしている感じ。ご飯がもりもり進んでいるようだ。は、はやく食べたい。

女将さんは話し好きの人らしく、常連らしいお客さんを笑わせている。最近、コンピューター教室に通い始めたらしく、話題は自然と「パソコンっておもしろい。」に・・・「エクセルって最高ね。感激したわ。どうしてあんなことができるんでしょうね。」「へぇ〜、ついにエクセルまできたか。ママからエクセルの話を聞くとはねえ。そろばんはそうしたの？」「そろばんなんてもうつかえないわ。エクセルよ、エクセル。」



まず、煮物と豆腐、お新香が届く。先に入ったおじさんは、さっそく割り箸を割って食べ始める。自分はやっぱりさばの味噌煮が来るまで待とうかなと考える。程なく熱々のご飯とさばの味噌煮がのった皿、これもまた熱々の蜆汁が届く。「ちょっと浅いけど、大きいのにしたから。」と女将さん。なるほど、隣のおじさんのさばは煮汁が滲みて褐色に変色している。自分のはそれほどではないが、頭の下の部分で脂がのっている。しかも大きい。



さて、早速。ほー、箸を入れると崩れそうなくらいとろとろだ。一口・・・ほー、さばの脂と甘めの味噌が絡んで・・・美味しい！ご飯ご飯。蜆汁を一口・・・んま〜ひ。たまらん。

茶碗に盛られたご飯も多めなので、もりもり食べられる。豆腐もお新香も煮物もいい味だ。こっちもご飯が進むじゃないか・・・久々にいい定食に当たった感じ。食べ終わった先客の皿を見ると骨も残ってない。そうか！これだけ煮込まれていたら、骨も柔らかいのか。骨も一緒に食べてみよう。ほー、骨までとろとろ。残すところなし！

「パソコンの先生に、分からないところ聞いたらね、ちょっと待ってくださいっていってパソコンをいじってるわけ。そうじゃなくて、言葉で教えてほしいのよね。ツールバーの何番目をクリックして・・・て感じで。先生というのは操作するんじゃなくて、教えるものでしょう。操作するのは生徒の方なんだから。」「いや、いろいろな方法があるから、パソコンは難しいわけ。」「でも、一番簡単なやり方は、こうって知ってなきゃだめなんじゃない？」「そうだねえ。」

さすがにお腹がいっぱいになって来る。ご飯おおいからなあ。しかし美味しい。「お替りしてください。」「いやー、十分です。」「え〜、足りないんじゃない？お替りしてもらおうと思って、軽めにしといたんだから・・・。」・・・こ、これで軽め？確かにご飯が進むので、お替りしたくなるが、でも量としては十分すぎるのだ。「本当に、遠慮しないでね。」

「パソコン上手になったから、事務所で雇ってくれない？」「ははは、そりゃあいい。」「自給は1200円ね。」「なぜ？」「パソコン教室、１時間1200円なの。元を取りたいから。」「味噌煮食べられなくなるから、考えとくよ。」・・・小気味よい話しっぷりの女将さんにつられて、お客さんのほうも機嫌がいい。

完食！美味しかった〜。「ごちそうさま。」「あら！お替りは？ご飯足りたの？」「もう、十分です。」「そ〜う、足りなかったんじゃない？」・・・なんだか、残念そうだ。「すぐに、果物をだすからね。」・・・メロンだ！

店を出る。帰り際に「今度はお替りしてね。」と声を掛けられる。よほど遠慮してるように見えたのかな。それとも、大食漢に見えたのかなあ。とにかく、満足、満足。



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