今日は仕事で文京区に。終わるのは遅いと覚悟していたが、あっけなく終わってしまう。さて、これからどうするか・・・。選択肢はさまざま。都営三田線某駅で迷った挙句、巣鴨まで行くことにする。さあ、ここからは? 西巣鴨「高木」か、それとも・・・。しかし、またしても持ち帰り仕事でパンパンの鞄を見ていると、じっくり飲むわけには行かないと思い直す。そうなると立ち飲み・・・池袋に向かうかな・・・いや、王子だ!「平澤かまぼこ店」。おでんで生ビールを飲んで帰ろう!
というわけで、駒込まで山手線、そこから南北線に乗り換えて王子に向かう。王子に着いたらJRの駅に向かい、ロータリーの逆側にでると、すぐに店はわかる。赤い顔をしたおじさんが店からはみ出してチューハイを飲んでいるのが見える。混み合ってるなあ・・・。
入り口を入ると奥に向かってメインカウンターと壁沿いのサブカウンターが平行してのびている。メインカウンターには7人並んで立っている。これでは隙間はない。サブカウンターは空いているのだが、メインカウンターとのスペースがあまりないため、狭苦しい。それでもとりあえず、サブカウンターの真ん中に立つ。すると、前に立ってるおじさんが、「いいよ、こっち何とかつめるから」と声をかけてくれる。斜めにでもならない限り空かなさそうだが・・・何人かが横向きになってくれて、何とか入ることができた。「すみみません。」「いいよ、いいよ、後ろ向きで飲むんじゃあ、うまくねーからよ。」
恐縮しつつ、「生ビール(400円)」を注文。突き出しの「きゅうりとワカメの和え物」がまず届く。「ほかに何か?」「牛すじ(250円)と・・・がんも(80円)、ウインナー巻き(120円)。」・・・生ビールがまず届く。さて、喉も渇いたことだし一気にぐいっと・・・ぷっは〜、美味い!
そこにウインナー巻きとがんもが入った皿が届く。「峠の釜飯」の空き容器に入れられたカラシをたっぷりとって、皿の端っこに練りつける。さて、やはりここは汁を吸い込んだがんもから、一口・・・柔らか〜い・・・うん、どちらかといえば甘口の出汁ががんもによく合ってる・・・むほー、美味しー。次は何といっても練り物、ウインナー巻きだ。一口・・・どっしりとした歯ごたえ・・・中のウインナーの味がなんともいえない・・・これも美味しいなあ。生ビ〜〜〜ル!
「牛すじです。」・・・おお、これ、これ。おでんスープの中に牛すじが入れられて、その上からネギがたっぷり。七味唐辛子を振りかけて・・・では、牛すじを・・・むお〜ん、とろとろ・・・独特の粘りつくような舌触り・・・うま〜い!スープもつまみになるんだな、これが・・・。そうそう、勘定しなければ、用意していた1000円札を差し出す。「850円です。」
左隣の2人は団塊の世代話で盛り上がっている。「俺がガキの頃は、外人といやぁ、全部アメリカ人よ。外人さん見るたびごとに”This is a pen.” なんて言ってたもんよ。」「ははは、それじゃあ、荒井注だよ。」・・・荒井注にこんなギャグがあったのか・・・。
レモンサワー(300円)を注文。大ジョッキで届く。おお、でかい!驚きつつ100円玉を3つ渡す。ここで、場所を開けてくれた右隣のおじさんが「じゃあな、俺はこれで。またな」と手をあげて出て行く。渋いなあ。・・・レモンサワーをグイッ。
入り口近くのサブカウンターで真っ赤になってるおじさんは、かなり飲んでいるようだ。しかし、この店では1杯目。飲んでいるのは「青リンゴサワー」。予想としては、どこかでたっぷり飲んできたにもかかわらず、この店に入ってしまった・・・そこで少しでもさっぱりしてそうな青リンゴサワーを注文したものの、その甘さになかなか飲めない。しかし、何とか飲まなければ、店の人に悪い・・・って感じかなあ。その気持ち、わかるぞ。おでんの皿には3品ほど入っているが、手をつけていない。大丈夫か?
今日は以前来たときのおばさんがいなくて、その息子さんが大学生2人を使って店を仕切っている。息子さんは丸顔に眼鏡、いかにも人が良さそう。ころころという感じで笑うのが特徴的。非常に丁寧な接客振りなので気持ちがいい。お客さんから「こんな息子でもおかあちゃんは可愛いんだよな。」と毒舌が飛んできても、ころころ笑って受け流す。笑顔が絶えない・・・いい雰囲気だ。
左隣のお客さんから「馬刺し」の注文が入る。ほー、いろいろなメニューがあるんだなあ。「しょうが?にんにく?」「両方。」「はいよ!」・・・店の外で飲んでいるおじさんたちからどんどん飲み物の注文が入る。店の活気はたいしたもの。・・・その中で、入り口近くのおじさんは赤い顔で、青リンゴサワーを相変わらず持て余している。頑張れ!
「うずら巻き(120円)とちくわぶ(80円)ね。」とおでんを追加注文。ついでにレモンサワーお替り。500円玉を渡す。店の外で飲んでいたおじさんたちが「じゃあ、ごちそうさま。」と言って帰っていく。カウンター奥のサラリーマンもすっと出て行く。すこしゆったり。
うずら巻きは、うずらの卵を中心に周りをぐるりとさつま揚げで巻いたもの。一口・・・相変わらず練り物はしっかりしている・・・卵の味がまたそれを引き立てて・・・美味しーい。次はちくわぶ。一口・・・味が特にあるわけじゃないけど、このねっとり感がいいんだよな。出汁とよく合ってるそ!
入り口近くのおじさんが、「ごめんな、残しちゃって。」と言いながらふらふらと出て行く。大学生の店員さんが「いいえ、また来てくださいね。」と答える。やさしー。おじさんがその言葉に救われたように、頭を下げる。残った青リンゴサワーは約半分。おでんは昆布だけ半分食べてある。「健闘」という言葉が頭に浮かぶ。
レモンサワーとおでんの汁を全部飲み干して、ではこの辺で。「ごちそうさま。」「ありがとうございました。」「お先に。」「気をつけてな。」お客さんたちに見送られながら店をでる。いい店だなあ。
王子駅に向かう。空はどんよりと曇っている。もうすぐ雨が降り出して来そうだ。今出てきたばかりの店を振り返る。暖かい雰囲気の店だったなあ。ころころとした笑い声が今にも聞こえてきそうだ。灰色のテントのような空に向かって、口笛でも吹きたくなるような気分になる。
東京都北区岸町1-1-10NUビル1F 03-5924-3773
10:30〜22:30
Posted by hisashi721 at 14:34│
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朝9時半、手際良く暖簾をかけている店の兄ちゃん。首尾よく開店。軒先から品書きをちら見するおれ。三々五々集まる同行者と恐る恐る店内へ。めでたしめでたし。
WEBに載ってる写真がどれもこれも斜め60度からの撮個??
平澤かまぼこ店は朝の匂い【東京バーベキュー】at 2007年06月06日 19:24