寄り道Blog

今日は、例によって渋谷の東急プラザ５階の「紀伊国屋書店」で６冊ほど本を購入。鞄にぐいぐい押し込んで、さて、どこかでビールでも飲んで帰ろうかな・・・最初は「千両」に行こうかなと考えていたが、腰を据えて飲むわけには行かないので、「富士屋本店」に変更。駅前の歩道橋を渡る。

「富士屋本店」の階段を降りていくと、早くも店内の喧騒が漏れてくる。今日もお客さん多そうだなあと思いながら、店内に入ると・・・こ、これは・・・いつもにも増して混みあっている。カウンターを客が取り囲んでいるだけではなく、通路まで溢れている。左手の壁際のサブカウンターにもグループ客がいる。

これで怯んではいられない。まず、右手の壁に沿って奥に進んでみる。だめだ・・・立食パティー状態だ。男性に連れられて初めて来たという風情の女性がグラスを持って戸惑っている。グラスの置き場がないのだ。通路で飲み物を持って話しているという感じ。しかし、これだけ人数がいれば必ず誰かが飲み終わって帰るはず・・・もう一度元に戻って、今度は左手に回り込む。人が重なり合っているなあ・・・ん、ほら帰る人がいる。１人分のスペースが空いたぞ。そこに素早く入り込む。

カウンターの中は、さすがに忙しそうだ。しかし、いつも客の方に気を使ってくれているので、目の前を通り過ぎる時に「ビール（大450円）ください。」と告げると、すぐに「はい、ビールね。」と応じてくれる。ビールが届く。つまみは、念願の「ハムとキャベツ（300円）」。・・・「はい、ハムキャベツね。」と答えが返ってくる。今日はあるのか！やっと食べられるぞ。

右隣の2人組は、今日のお薦め「ズワイガニ（500円）」をつついている・・・贅沢だなあ。箸の先でかにの身を一心にほじくっている。そのうち、勢いあまって、かにの身が飛び散ってしまう。それが自分に降りかかる・・・げっ、何だよー。「す、すみません。」ティッシュを出して慌てて、拭いてくれる。こんな所で、おじさんにティッシュで拭き拭きされるとは・・・。トホホ。



気を取り直して、ビールを飲みながら、厨房の方を見ていると、皿に山盛りの千切りキャベツがのせられている。それにぐりぐりと大量のマヨネーズがかけ回され、その上に大きなハムが何枚も乗せられていく。

「ハムとキャベツ」が届く。来たー。すごいボリュームだなあ。厚切りのハムが10枚以上はのってるんじゃないかなあ。マヨネーズがかかったキャベツを挟んで・・・がぶりと豪快に・・・むぉ〜、これはいいぞ〜。ハムがまた塩加減がよくて・・・うま〜い。ビール、ビール。



左隣のお客さんは1人客。「ハモの煮付け（350円）」と「鳥のから揚げ（350円）」を前にビールを飲んでいる。ハモは煮汁がよく滲みていて美味しいそう。もくもくとハモを食べ終わったおじさんは、「鳥のから揚げ」のレモンを取り上げ絞り始める。・・・こ、こら、レモンの汁がこっちに飛んできたぞ。もう「拭き拭き」はたくさんだからな。最後のひと絞りで自分自身の顔に飛ばしたらしく、目をパチパチさせてる・・・ふふふ。

さて、ビールを飲み終えたところで、いよいよ、本日のメイン「ウコン割り」に移ろうかな。ブログのコメントで「キンミヤさん」から教えてもらったのだ。「焼酎（いいちこ1合半550円）とウコン茶（200cc 200円）ね。」とカウンターの中のお兄さんに声をかける。実はウコン茶自体飲んだことがないのだ・・・どんな味？



しばらく待っていると、氷入りのジョッキと焼酎の小さいボトル、ウコン茶入りのグラスが届く。まず焼酎をジョッキに入れて、ウコン茶を零さないようにグラスからジョッキに注ぐ・・・おお、美しい。黄色い飲み物が出来上がり。一口・・・ほぅ、この香りは、いいちこの香りとウコン茶の香りが合体して爽やかだ。これは美味しい。そうだ、ウコン茶そのものの味はどうなんだろう・・・グラスから飲んでみよう・・・う、ちょっと強烈。これが焼酎を割るとこんなに上品な味になるのか・・・。もう一口、ウコン割りを・・・うん、いいなあ。



気がつくといつの間にか、ハムもキャベツも残り少ない。あんなにたくさんあったのに・・・。せっかくだからもう1品注文しようかな。気になってた「オコゼのから揚げ（350円）」にしよう。350円というのがなんとも驚き。注文すると、あらかじめ下ごしらえしてあったオコゼがフライヤーの中に入れられる。ジュワーと油が勢いよく跳ねる。ウコン割りを飲みながらワクワクして待つ。

おお、来たぞ。カラッと揚がってるなあ。これなら骨まで食べられそうだ。では、早速一口・・・さくっとした食感・・・じわーとオコゼの味が口の中に広がる・・・美味しい！これは安いよ〜〜〜。頭の方も齧ってみようかな・・・よく揚がってる！これもいいつまみになる！ウコン割り、ウコン割り。



結局オコゼは残すところなく食べてしまう。1合半のいいちこもウコン茶をもう1杯追加して、飲み終わる。美味しかったなあ。・・・では、この辺で。「ごちそうさま。」と声をかけて入り口に向かう。「ありがとうございました。」とカウンターの中から次々と声がかかる。

階段を上って外に出る。気持ちいい風が頬に当たる。渋谷駅前ロータリーに向かって歩き始めると、地下の酒場の喧騒はもう別世界のものに感じられた。