寄り道Blog

日曜日だが、所沢方面に出張。夕方仕事を終えて、西武新宿線に乗り込む。鷺ノ宮まで30分くらいなので、心の緩みが出てしまったのか、うつらうつらしてしまう。気がつくと都立家政を過ぎて、野方に近づいている。野方までは地元だという感覚が強いので、まあ、いいかという気になっている。

野方で下車。せっかく野方まで来たのだから、「秋元屋」に行ってみようかな。というわけで、改札を出て左へ。環七に抜ける小路に入って「秋元屋」を目指す。先日は、満席だったが今日はどうかな・・・。店の前に来るとマスターが外のテーブル席に出て、注文を受けている。「こんばんは。」と挨拶すると、「ああ、先日はどうも。」とこたえてくれる。カウンターは満席だ。さて、どうする。

「じゃあ、とりあえず、ここに。」と示されたのは、外のテーブル席。2人用が一つ空いている。「私がお相手します。」とマスター。ほー、外のテーブルに座るのは初めてだ。今日は暑い一日だったが、外の風に吹かれて飲むのもいいかも。他のテーブル席のグループ客に挨拶して、椅子に座る。「ご注文は？」「ホッピー！」

程なくホッピーセットが届く。凍ったジョッキには氷が入っていない。おお、モアナ風だな。気を遣ってもらって嬉しい。さて、いつものようにホッピーの瓶を逆さまにして直角に注ぎ込む。泡が滑らかになるように上下に強く振って・・・最後に瓶に残った泡を表面に乗せるように流し込んで出来上がり。最近分かったのだが、モアナ風ホッピーは座って作るよりも、立った状態で作るほうが泡がよく出る・・・ような気がする。



「何か焼きますか？」とマスター。「かしらとれば、2本ずつ味噌で。」と注文。日曜日のこの時間にスーツ姿で飲んでいるとなんだか浮いちゃうなあ。店の中からは賑やかな声が響いてくる。冷たいホッピーが心地よく喉を通っていく。は〜、今日は疲れたなあ。

しばらくしてマスターが「カウンターの席が空きましたけど、移りますか？」と声をかけてくれる。「ええ、いいですか？」・・・やっぱり店の中の方が落ち着くかな。ジョッキを持って移動。カウンターの焼き台正面に移る。今日の焼き台担当はミウラさん。真剣な眼差しが頼もしい。「どうも。」「あっ、いらっしゃいませ。」

「まず、ればから。」という声にはっとする。ホッピーを飲みながら物思いにふけってしまっていた。では、ればを一口・・・味噌だれの辛味がピリッと効いていて・・・う〜ん、やっぱり美味しいなあ。ホッピー、ホッピー。



ればを1本食べ終わった頃、かしらが届く。今日の仕事のことを思い出して、すぐに考え事の渦に巻き込まれてしまう。ホッピーの残りをぐっと飲み干して、「ホッピー、セットで！」と注文。邪念を払わねば。



マスターが奥から凍ったジョッキを出してくれる。モアナ風2杯目。かしらは肉が柔らかく焼きあがっていて、飽きない味。ホッピーが進む。ここでポテトサラダも追加。元気が出てきたぞ。それにしても、今日は1人客がいないなあ。だから、どのお客さんも会話が弾んでいる。ポテトサラダが届く。１人で黙々と食べる。

次は「特性ハイボール」にしようかな、と思ったがちょっと迷う。ちょうど隣のお客さんがお勘定を済ましたところ。さっきから見ていると、入れなくて帰っていくお客さんがいるようだ。どうしようかな・・・ここは席を空けたほうがいいのでは。今度、ちゃんと休める日曜日にゆっくり飲みに来よう。

「ごちそうさま。」「どうもありがとうございました。」「今度ゆっくり来ます。」・・・外に出る。さて、もう1軒さっと寄って帰ろうかな。心当たりの店を思い浮かべる。でも、その前に・・・そう、この近くの猫に会って帰らねば。元気にしているかな・・・。

路地をバス停ロータリーの方に入り、いつものマンションの玄関を目指す・・・いた、いた。すぐに自分に気づいて近づいてくる。ちょっと大きくなったようだ。誰かが置いている餌の皿は空だ。いつものように携帯している鰹節パックを取り出す。それを見て、猫は足の周りをじゃれて歩き始める。鰹節を置くとすぐに食べ始める。可愛いなあ・・・。しばらく猫と遊んだあと、またバス停に向かって歩く。振り向くと猫がじっとこちらを見ながら見送ってくれている。



バス停に着く。さて、次の店は・・・。日曜日の街はいつもより静かだ。試合が終わったらしい少年野球の一団が自転車を連ねて通り過ぎる。バスはしばらく来ないようだ。