ハイボールと柿の種・・・目黒「権ノ助ハイボール」
目黒権之助坂、午後9時。BGMは軽快なメロディーに切り替わる。地下のバー「権ノ助ハイボール」の店内には、カウンターに5人の客。それぞれの前には特性ハイボール(600円)のグラスが置かれている。
自分はお通しの「柿の種」がすごく辛いことに気がついて、やめられなくなっている。何しろ舌がしびれるほど辛いのだ。時折、ピーナッツを食べて辛さを休みながら、それでもハイボールを一口飲むとまた柿の種に手がのびてしまう。左隣の女性が、バーテンダーの武田さんに話しかける。「この柿の種、辛くない?」その言葉につい自分も反応してしまう。「辛いですよね。しかも、相当。」
武田さんはすこし間を置いて、「辛いですか?日本で2番目に辛いという柿の種を買ってきたんです。ちょっと多めにブレンドしすぎましたかねえ。」と笑顔で話す。「いやいや、やめられなくなってます。」と自分。そういいながらも一つ・・・ぽりぽり・・・ひゃ〜、辛い〜、ハイボ〜〜〜〜ル!!!で、でも、やめられな〜い。
しかし、右隣の男性は平気で、ぽりぽり食べている。そこで、自分は考える。これは精神状態とも関わるのではないかと・・・。右隣の男性は、昨夜個人的にきついことがあったとのことで、時々放心状態になる。考え事をしながら、この激辛柿の種を食べているのだが、全く辛さを感じていないようなのだ。考え事に集中すると、味が分からなくなるのだろうか。しかもこんな辛さでも。ホントか?
名バーテンダーがつくる絶品ハイボールは、全く飽きが来ない。自分は2杯目に入っている。武田さんはチョリソーをボイルした後、フライパンで焼き始めた。その手つきを見ているだけで美味しそうだ。名バーテンダーは料理も上手い。それを見ながら、柿の種をぽりぽり・・・舌の感覚が〜、麻痺してるぅ・・・でも、やめられない。ハイボール、ハイボール。
ハイボールと柿の種で、静かな時間を過ごす。さて、3杯目はハイボールのお替りか、それともカクテルにするか・・・。迷うのも楽しいものだ。ぽりぽり・・・ひえぇぇぇ・・・。「マンハッタンを。」「はい。」武田さんのしなやかな手で、ミキシンググラスの酒が鮮やかにステアされる。カッコいいぞ。ぽりぽり・・・はひぃ〜〜〜。
マンハッタンが届く。強いカクテルがガツンと身体に沁みる。繰り返し口に運びながら、ふと子供の時に見た不思議な赤い酒を思い出す。自分にとって、酒はあの頃から不思議なものだったのか・・・。感慨に浸る。程よい酔いが身体を気だるくさせる。いいバーのいい時間だ・・・柿の種にまた手がのびる・・・ほひぃ〜〜〜。
Posted by hisashi721 at 23:20│
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この前も気になったのですが、同じような名前の
お店が金沢にもありました。「広阪ハイボール」
というお店だったと思います。昨秋の旅行の時に
訪れたお店ですけど、こじゃれた一角にありました。ネット上で見つけて訪れたのですが、今、記憶に残っているのは、近くにあったジャズライブのお店のほうですけど、なんとなく似た名前だったもんですので、駄すれ入れてしまいました、ごめんです。話し、変わって、先日の夜、あるバーで美味しい、酢ラッキョウを余りのうまさに持ち帰りで頂戴してしまいました。本格バーにラッキョウ、意外と
合います。
「広阪ハイボール」とは、確かに似た名前ですね。今度、武田さんに紹介してみます。
ところで、本格バーで酢ラッキョウですか。興味あります。試してみたいです。何処のバーなんでしょうか?
月曜日に 寄らせていただきました。残念ながら お通しは なくて(11時過ぎに入店)ハイボールを一杯だけ 頂きました。角のキンキンに冷えたボトルと 炭酸(ウイルキンソン)で 作られたシンプルな一品でしたが マスターの気合いが感じられました。
黒ジャージさん、こんにちは。
「マスターの気合」が感じられる一品・・・さすが黒ジャージさん、的確な表現ですねえ。自分もそう思います。最近、夕方になるとこの店のハイボールが頭に浮かびます。
メールをヒックリ返していたら、このブログのことが書いてあったのでおもいだしたな。 そういえばこの前日6月14日に2度目の離婚したわけですね。 それも6月14日は、意図的ではあるけれど2度の離婚とも同じ日にしていて、離婚記念日とよんでいるわけで。。。
右隣の男さん
お久しぶりです。そのようなお話しをお聞きしたような記憶があります。
柿の種の辛さも懐かしいです。
また、どこかでお会いしましょう。
多分、目黒のどこかで。
楽しませていただきました。
今後も頑張ってください。