ネイバー・フット・バー・・・鷺ノ宮「ペルル」
8月3日の記事のコメント欄で「ラムちゃん」さんが書いてくれた「ネイバー・フット・バー」という言葉がとても気に入っている。この言葉によって「ペルル」の大切さが再確認できたからだ。近所にのんびりお酒が飲めるバーがあること自体、とても幸運なことなんだなあ・・・。
というわけで、7時に鷺ノ宮駅に着くとすぐに「ペルル」に向かう。「ペルル」はお盆休みも無かったはず。この暑さの中、マスターは元気だろうか。自然と早足になるのを意識しながら、「ペルル」のある路地へと入る。
ん?灯りがついてないぞぉ。腕時計を見ると7時2分。開店時間は2分過ぎているが・・・。店に近づくと、ドアが不意に開いて自転車を持ったマスターが出てくる。突然顔を合わせたので、お互いに驚く。「わぁ!」「おお!」という感じ・・・。「き、今日はお休みですか?」「いや〜、これから開けるところで・・・ちょっと遅くなって・・・。まあ中でお待ちください。」「どうも。」・・・というわけで店の中へ。
自転車を外に置いて、看板の準備をしているマスターに恐縮しながらカウンターの真ん中に座って待つ。店の中にはNHKラジオの7時のニュースが流れている。ライブドアの堀江社長が広島から立候補?・・・。カープの新球場を作ると言えば当選できるかも・・・ん、選挙区は広島市じゃなくて山間部か・・・などとつまらないことを考えていると、マスターが「お待たせしました。」とカウンターの中に。
すぐにメーカーズマークのボトルと氷、ソーダが目の前に用意される。いつものようにバーボンソーダを作りながら「マスター、元気でしたか?」と話かける。「ちょっと風邪をひいてしまいまして。夏風邪はなかなか治りませんね。」「ひどいんですか?」「大分よくなりましたけど。」・・・だれかお客さんにうつされたかな・・・。
マスターは時々咳をしながらも、いつもと変わらず相手をしてくれる。「この夏はどこかに行きましたか?」「ちょっと広島に里帰りしたくらいです。」・・・面白いエピソードでもあればいいのだが、申し訳ないことに思い浮かばない。せっかく行った広島市民球場では、中日に負けちゃうし・・・。「宇部商業はいい試合をしましたね。」とマスター。「それは、山口です。」
などと会話は盛り上がらないのだが、それがちっとも苦にならないのだ。思いついたことをお互いに口にしながら、のんびりと時間が過ぎていく感じ。「お盆休みはお客さんが少なかったですよ。」「今日あたりから休み明けで皆さん来るのでは?」「そうですかねえ。」・・・久しぶりのバーボンソーダ、美味しいなあ。
「そういえば、夕方はなんだか暑さが緩んできましたよね。そろそろ夏も終わりかなあ。」などとマスターに話しかける。「秋来ぬと目にはさやかに見えねども・・・ですね。」・・・おお、「古今集」だ!え〜と、下の句で答えなければ・・・「風の音にぞおどろかれぬる・・・」きちんと言えたのだが、マスターの咳にかき消されてしまう。
そこに女子大生のAさんが入ってくる。続いて、常連のKさんも・・・。「あれ?マスター風邪?」「薬飲んだ?」「ウイスキーね。」・・・さあ、「ペルル」の夜はこれからだな。
Posted by hisashi721 at 17:00│
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ホリエモンに「カープの新球場を作らせる」案は、なかなか名案かもしれませんネ!
せめて内野の土のグランドは芝にした方がいいのでは・・(^^)
「古今集」下の句を返せるあたりが流石!
寄り道さんらしい知性を感じさせられます(^^)
こんばんは!
そうです、寄り道さんは幸運な人です!
帰る前に他愛のない会話ができるBARが家の近所にある、いいですね。
福岡の山間部の八女で生まれ育った堀江氏が、広島の山間部に落下傘で舞い降りるわけですね・・・途中で自衛隊が打ち上げた擬似標的に落下傘が絡まなければいいのですが?
ガルマ・ザビさん、こんにちは。
堀江氏はカープ買収の話を持ちかけられて、「メリットがない」と断ったらしいです。でも今回の立候補で、新球場を公約に入れると盛り上がると思いますけどね。注目です。
内野は絶対芝です!
ラムちゃんさん、こんにちは。
素敵な言葉を教えていただいて、本当にありがとうございます。「他愛のない話」ができる喜びを感じています。そういう話が一番なんですね。
広島6区の山間部は、かつて「ヒバゴン」騒ぎがあったくらいの田舎ですからね。郵便局がなくなると大変なんじゃないでしょうか。
なるほど、古今集を諳んじている位じゃないと常連さんにはなれないんですね。復習しておかなきゃ。(笑)
>女子大生のAさん
私のときは、学生さんかは分りませんが、若い男性が来てました。
「ふーん、けっこう若い人が来るんだ」と思った覚えがあります。
その男性が出た後、常連のKさんが、
「もう何回か来てるの?」
「ええ」
という会話をマスターと交わしていました。
古今集はたまたまです(笑)
ペルルの客層も老若男女、広いですよね。それが全く気にならないのもすごい店です。