2005年10月02日

昔も今も・・・高田馬場「双葉」

双葉昨夜(30日)は、久しぶりに知り合いと2人で飲んで、都立大から歌舞伎町までハシゴしたのだが、それがまた楽しくて、今日(1日)も仕事ながらその勢いで乗り切ることができた。仕事も早く終わり、乗換駅の高田馬場に着いたのはまだ7時前。いい調子だなあ。こういう時は、駅前の「芳林堂書店」で本を買って・・・さて今日はどこで読もうかな。

本を抱えて向かったのは、またまた「さかえ通り」。先日行った「清龍」は意外に読書している1人客が多い。「清龍」にしようかなあ・・・そういえば、ブログにコメントをくださる「mesinosukeさん」が「双葉」という焼き鳥屋に青春時代によく行っていたということを書いておられたなあ・・・。「双葉」に行ってみよう。

この通りには「たぬき」「てっぽう」「鳥やす」と年季の入った焼き鳥屋が多い。「双葉」もその一つで、少々古びた暖簾を風にはためかせている。中を窺うと、人は少なめ。カウンターには1人のみ。じゃあ、入ってみよう。

店の中は入り口から奥にカウンターが延び、左手がテーブル席。テーブル席にはグループ客が入っている。カウンターの真ん中あたりに座る。もう1人は入り口に近い方に座っている。「ビール(大500円)ください。」と注文。カウンターの中の細身で美人の若い女性が注文を受けてくれる。カウンターの中の入り口横が焼き台。そこに短髪のマスターがいて、料理を担当。

ビールとお通しが届く。お通しはもやしとわけぎの和え物。ビールをグラスに注いで一口・・・ふぅ〜。では、焼き鳥を焼いてもらおうかな・・・「すみません。ぼんちり(100円)、はさみ(100円)、つくね(120円)を2本ずつ。」・・・もう、ぼんちりは外せないな。静かだが笑顔を絶やさないお店の女性が「全部2本ずつですね。」と確認してくれる。「そうです。」・・・なんだか、ほっとする笑顔だなあ。

ビール

カウンターのお客さんは「鳥わさ」をつまみにビールを飲んでいる。40歳前後。今日は土曜日なのでお休みのスタイル。のんびり夕方の居酒屋タイムを満喫、という感じ。ビールを注いでは、口に運び、鳥わさをつまむ。いい雰囲気だ。では、こちらは読書の世界に・・・。

「お待たせしました。焼き鳥です。」「あ、ありがとう。」・・・つい、読書に集中してしまった。皿に盛られた焼き鳥は、ぼんちりだけが塩、後はタレ。ぼんちりから・・・こんがり焼けた脂の部分が、なんともいい味わい・・・美味しい!ビーーーーール!ふわ〜。ビールに合うんだわ、これが・・・たまりません。

焼き鳥

次はつくね・・・タレは控えめにつけてあり、肉のうまみを強調している・・・また焼き加減がいい!中までほわほわ・・・これも美味しい。ビール、ビール。で、次ははさみ・・・ねぎと一緒に・・・こちらはタレの美味さが効いていいる。タレと肉とねぎの美味さが渾然一体となって・・・美味しい!もう、ビールが進みますぅ。

さて、ビールもなくなったところで、次はどうしようかな。チューハイもいいのだが、日本酒(270円)もいいなあ。ちょうど隣のお客さんも日本酒を注文。大ぶりのぐい飲みに一升瓶からとくとくと直接注いでもらっている。これがまたどうしようもなくそそるなあ。「自分にも日本酒。常温で!」同じように一升瓶から注いでもらう。表面張力の盛り上がりを揺らしながら口に運ぶ・・・ふわ〜、染み渡る味だ・・・。

日本酒

隣のお客さんは、焼き鳥を10本くらいまとめて注文。ますます調子が出てきたようだ。お酒をぐいっと飲むしぐさがかっこいいぞ。こちらも何かつまみを・・・「煮込み(400円)ください。」「はい。煮込みですね。」また優しい笑顔で確認された・・・。そうそう。

1人客が入ってきてカウンターの奥に進んで座る。ビールと手羽焼きをを注文して、本を読み始める。同じ芳林堂書店のカバーだ。煮込みが届く。味噌仕立てのスープにぷりぷりのもつが入り、刻んだねぎがたっぷりのせられている。早速一口・・・一緒に煮込まれている野菜の旨みも染み出していて、こくのあるスープだ・・・肉にも、野菜にもその味がしっかり絡んで美味しい!お酒、お酒!

煮込み

左隣のお客さんは手羽を食べるたびに、指先をハンカチで拭いて本のページをめくっている。読書の時のつまみには向かなかったようだ。それにしても、よく使い込まれたカウンターだなあ。店自体古いのだが、その分落ち着いた空気が流れている。このカウンターやテーブルで、沢山の学生たちが酒を飲みながら語り合ったんだろうなあ。彼らはここで何を得て、そして何を置いて行ったのだろう。

お酒をお替りして、また本を読み始める。高田馬場の夜が更けていく。開け放された入り口からは、涼しい風が優しく吹いてくる。外を学生のグループが笑いながら通り過ぎていく。この一瞬だけは今も昔も変わらない。

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この記事へのコメント
双葉、お訪ねいただきありがとうございます!
嬉しいです!

昔は、左手のテーブルもカウンターと同じ方向を向いていて、
止まり木のような感じでした。

焼き方も運んでくれる人も男性で、
愛想のいい焼き方、無愛想な運び方と、
入れ替わった方がいいんじゃないか、というキャラクターでした。

私がここで飲み始めた頃は、たしか大瓶のビールが
280円くらいだったと思います。
ビールは、冷水を張って冷やす、昔リボンシトロンなんかがよく冷やされていたボックスで冷やしてました。

煮込みは、鳥皮の煮込みでした。
鳥の脂が1センチくらい表面を覆って、
それはそれで、当時は美味しく感じてました。

懐かしいなあ。てっぽうもあるんですね。
ところで私は、何を得て、何を置いていったんでしょうか。
再訪して確かめてみる必要がありそうですね。

ありがとうございました。
Posted by mesinosuke at 2005年10月03日 18:51
こんにちわ。
馬場にも行かれるんですね!
今は小杉にでてますが自社は早稲田と江戸川橋に
あるんですよ♪
馬場と早稲田ぢゃ隣ですもんね!

煮込みがうまそうです^^
是非私も今度双葉さんへ伺いますね♪

実は。。今週禁酒をしてまして(^-^;;
なんせ先週月〜日まで毎日飲みに行きました。
だって阪神優勝フィーバーでつから(笑)

でも、こんな時に限って誘惑いっぱい!
昨日は弟から小包が。。
中には私の好きな宮崎の焼酎と地ビールとおつまみ。。

テーブルに並べてみて。。
一つため息。
泣く泣く冷蔵庫にしまいました(^-^;;

でもあまり我慢していると体に毒だなぁ〜(笑)

であであ・・
Posted by しんちゃん at 2005年10月05日 16:00
mesinosukeさん、こんにちは。
渋い店でした。
ここがmesinosukeさんの青春の酒場か、と思うと感慨深かったです。
今度は「てっぽう」に入ってみたいです。

しんちゃんさん、こんにちは。
ものすごく遅くなってしまいましたが、阪神優勝、おめでとうございます。日本シリーズは残念でしたが。
今度、この界隈で是非お会いしたいものです。
Posted by 寄り道 at 2005年11月04日 18:15