寄り道Blog

お好み焼きが食べたい！高田馬場駅を降りると、頭の中はそのことしかない。早稲田通りを明治通り方面に向かって歩き始める。最近では、東京にも広島風お好み焼きの店がたくさんでき、それを回るのも楽しいのだが、今日はその中でも最も落ち着ける「れもん屋」に向かっている。この店は比較的古くからあり、広島出身のお客さんも多いのだ。

なぜ落ち着けるかと言うと、例えば、ＢＧＭがジャズでお酒も様々置いてあるような、ダイニングバーというかカフェというか、そんな雰囲気のお好み焼き屋があるが、そういうのだと調子がくるっていしまう。自分にとってお好み焼きは、近所のおばちゃんの店で気軽に食べるもの。しゃれた雰囲気の中では青海苔も気になるじゃないか・・・。

スターバックスの手前のビルの地下１階に「れもん屋」はある。う〜ん、スターバックスができる前は、何の店だったかなあ・・・思い出せないぞ、などと考えながら階段を降りる。階段を降りると入り口。中に入る。入り口の近くにはよく「広島県人会」のお知らせなどが貼ってあったが、今日は見当たらない。随分前のことだが、その広島県人会のお知らせに、司会「イエス玉川」を書いてあったことを思い出す。イエス玉川といえば牧師さんの格好をして、聖書を引用しながらめちゃくちゃな解釈で笑わせてくれる芸人だったが、最近見ないなあ。とにかく、この入り口付近に立つと、イエス玉川のことを思い出してしまうのだ。

店は左手に小上がり座敷。手前に若い女性が一人座っている。そして、奥に若い会社員風の男性二人組。右手の鉄板の前のタウンター席には誰もいない。この店は大人気店なのだが、今日は席が空いている。微妙にピーク時を過ぎているののだ。よし、よし。カウンターの一番奥の席に座る。

マスターがおしぼりとメニューを渡してくれる。しかし、注文はもう決まっている。「肉玉ソバ（850円）に牡蠣（350円）を入れてください。」「はい！」・・・ふふふ、やっぱりこの季節は牡蠣入りのお好み焼きを食べないと。これが食べたくて電車の中で悶々としていたのだ。

店内は広島そのもの。カープの応援グッズや宮島の観光ポスター。小上がり座敷には広島市の大きな地図。これを眺めながら食べるお好み焼きも最高なのだ。鉄板の上には三つのお好み焼きが焼かれている。そこに、自分の分が加わる。まず、クレープ状に小麦粉をといたのが丸く敷かれ、その上にたっぷりのキャベツ・・・ぐお〜、早く食べたいよ〜。

自分の背後にいる小上がり座敷の二人組は、広島の人らしい。広島弁は使ってなくてもイントネーションでわかる。マスターは赤いＴシャツ姿。広島県人の「赤い魂」が表現されている。いいぞ！最初のお好み焼きが焼きあがる。ソバの入っていないお好み焼きだ。これは入り口近くの女性のもの。たっぷり「オタフクソース」が塗られ、青海苔が振りかけられる。うまそー。皿にのせられ運ばれていく。

そこに中年のご夫婦が入ってくる。小上がり座敷に上がるかどうか迷って、結局カウンターに並んで座る。自分の前にあったメニューをそちらにスライドさせる。「どうも。」少し考えて、「海老入りとね。ホタテ入りにチーズを入れて。」そのイントネーションで広島出身者とわかる。

小上がり座敷の二人組のお好み焼きも仕上げに入る。焼きソバをのせて、卵を鉄板の上で割り、ヘラでかき混ぜて半熟になったところにお好み焼きをひっくり返してのせ・・・見ているだけで楽しい。でも待つのはつらいなあ。



二人組にお好み焼きが運ばれていく。さて、次は自分の番だ。おお、牡蠣が鉄板の上に・・・ぷりぷりとした牡蠣が鉄板の上でジュウジュウと焼かれる。たまらないよ〜。完成間近！よし！ここで、ビールを注文だ！「すみません。早稲田ビール（400円）ください。」・・・この店では早稲田の地ビールが置いてあるのだ。最初に注文してしまうと焼きあがる前に飲み終わってしまうので、このタイミングで注文したのだ。

早稲田ビールが届く。グラスに注いで、一口・・・スッキリした味。よく冷えていて美味しい！でも、お好み焼きが来るまでゆっくりと、ゆっくりと・・・。そこに待ちに待ったお好み焼きが届く。来た〜。じゃあ、早速・・・お〜、いきなり牡蠣が出てきたよ〜。ふわっとして・・・この味がまた・・・牡蠣の味がソースに負けずに自己主張してる〜。美味い！美味すぎる！ビール、ビール。



夢中で食べる。ソースの味も本当に美味しい。それでいてビールの味が生きるとは・・・。早稲田ビールとお好み焼きは相性がいい。どんどん食べる。もう誰も止められないのだ！ぐほー、うめ〜。

食べ終わる。満足。さて、席を立つことに。「ごちそうさま。」「ありがとうございます。」入り口に向かう。例によってイエス玉川がまた頭をよぎる。と、同時にもう1人、懐かしの芸人の顔がなぜか浮かんでくる。「中国は広島の生まれ、ゼンジー北京あるよ。」・・・おお、なぜ思い出したのだろうか？ゼンジー北京！懐かし〜。階段をのぼる。