2009年12月01日

立ち飲みの快楽・・・高田馬場「磊磊」

DSC00081午後7時、高田馬場早稲田口。土曜日(11月28日)に続いて、またやってきた。月曜日(11月30日)の高田馬場は、土曜日に比べて人は少なめ。駅前のチンドン屋さんは、今日も演奏中。居酒屋の客引き、ティッシュ配りの人の数もあまり変わらないが、なんとなく手持ちぶさたの様子。

早稲田通りを小滝橋方面に向かう。一昨日行った「千成屋」で、今日はたこ焼きのテイクアウトをするつもり。今日は忙しくて、仕事をたくさん持ち帰ったので、たこ焼きを買ったら寄り道をせずに帰らなければ。人通りが比較的少ないせいか、気がついたら「千成屋」の前に来ていた。

おじさんが、一人でたこ焼きを熱心に焼いている。お客さんは、残念ながらいない。「こんばんは、一昨日はどうも。」と声をかける。一瞬戸惑いの表情になったが、すぐに思い出してくれたらしく、「ああ、いらっしゃい。」と答えてくれる。「今日は、持ち帰りで。10個入り(600円)を素焼きでお願いします。」と注文する。「ちょうど、今焼けたばかりや。焼けたてはうまいからな。」といいながら、たこ焼きをひょいひょいとパックに入れてくれる。たこ焼きを受け取って、「今度またゆっくり飲みに来ます。」と挨拶する。「どうもな。また、よろしゅう。」

さて、駅に帰って・・・。ちょっと迷う。「千成屋」の前の道を真っ直ぐいくと、「山でん」という立ち飲み屋がある。そこが、なかなかつまみも美味しくていい店なのだ。ホッピーでも飲みながら・・・いやいや、今日の所は・・・。やっぱり駅に向かう。ドラッグストアに寄るために道を渡る。買い物を済ませて、さらに歩いていくと、駅の直前に・・・立ち飲み屋があるんだよな、これが。

店の方をどうしても見てしまう。ガラス越しに、中で飲んでいる男性と目が合う。ジョッキのビールを飲んでいる。「ふい〜、うめー、たまらん。」という顔に見える。うう、店の入口には「一番搾りの飲める店」とある。・・・ここまで我慢してきたのに・・・いいかぁ・・・ビール飲んで帰ろっと。・・・店の名は「磊磊(らいらい)」・・・意味は、小事にこだわらないさま。

店に入る。入口近くのカウンターに向かう。チケット制なので、100円10枚綴りのチケット(1000円)をまず購入。飲み物はすべて300円なので、3枚切り取って、「キリン一番搾りを。」と注文。若い女性が「いらっしゃいませ。」とにこやかに応対してくれ、ビールをジョッキに注いでくれる。「どうぞ。」
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店の中は広い。奥には大きなテーブルがあって、大人数にも対応している。2〜4人用のテーブルがずらりと並び、壁に沿ってカウンターも設けてある。入口近くのカウンターに立つことにして、ビールを持って移動。荷物を下の籠の中に置く。箸置きの横につまみの注文用紙がある。備え付けの赤鉛筆で、ポテトサラダの横に○をつけ、奥の料理カウンターに向かう。そこの女性に用紙とチケット3枚を渡すと、皿に盛ってあるポテトサラダにマヨネーズをかけて渡してくれる。
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ポテトサラダの皿を持って、元の位置に戻り、さて、ビールを一口・・・くぃ〜、美味しい!飲まないつもりだったのに・・・後悔はすぐにかき消される。ぐいぐい飲んでしまう。
この店の特徴は飲み物300円、料理もほとんどが300円(一部200円、400円あり)という安さと、焼酎(特に芋)の品揃えが充実していること、さらに、ワイン(濁りワインやボジョレーヌーヴォーもある)や日本酒(珍しい銘柄もある)、ウイスキー、ホッピー、サワーなどの酒の種類の多さ、それから店がおしゃれで清潔なこと。居心地のいい店だ。
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ポテトサラダをつまむ。素朴な味だが、マヨネーズを少しつけながら食べると、いいつまみになる。ペースを緩めて、ゆっくり飲むことにする。ガラス越しに早稲田通りを行き交う人々が見える。はあー、今日もまた終わるなあ・・・仕事のことは考えないことにする。店は8割くらいの入り。今日は若いサラリーマンが多い。いつもは、女性客や、年配の方も多い。グループでワイワイ盛り上がっていたり、1人で煙草を吸いながら物思いにふけっていたりと、みんな様々な時間を過ごしている。
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ビールを飲み終える・・・ポテトサラダも残っているし・・・。サワー1杯くらいなら大丈夫かな。というわけで、残り4枚のチケットから3枚切り取って、飲み物カウンターに向かう。「レモンサワーください。」「はい。」またまた、素晴らしい笑顔で応対してくれる。サワーを受け取って、また元の場所へ。
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サワーを一口・・・酸味と甘みのバランスがいい。上品な感じのレモンサワーだ。腕時計を見る。まだ、大丈夫だ・・・。壁には「さつまの恵み」という芋焼酎を薦める紙が貼ってある。芳醇な味わいか。芋焼酎飲みたいなあ。レモンサワーが無くなるにつれて、その思いが強くなる。
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結局、飲み物カウンターに行って1000円のチケットを買い、残りの1枚と新たに切り取った2枚を合わせて、女性に渡す。「さつまの恵みをお願いします。」「オンザロックでいいですか?」「んもう、それで!」・・・また、元の場所に帰る。焼酎を一口・・・う〜ん、これは、甘みが違う。芋の甘さというより、もっと純粋な甘みだ。香りも抜群にいい・・・さすがに、この店が自信を持って推薦する焼酎だけのことはある。

それにしても、居心地がよすぎる。店は広々としているので、隣の客と程よい間隔がとれて、心が伸び伸びするのだ。もっと飲んでいたいと思わせる雰囲気だ。久々の立ち飲みだが、これはやめられないと思ってしまう。チケット8枚残っているし、また来なければ。
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芋焼酎を飲み終えて、今日はここまで。美味しかった。鞄とたこ焼きを持って、カウンターの女性に「ごちそうさま。」と声をかける。「ありがとうございました。」と笑顔で送ってくれる。

外に出る。今日で11月も終わり。いよいよ冬がやってくる。空には満月に近づいた月が輝いている。1時間の快楽・・・楽しみは自分で見つけるものだなと思う。
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東京都新宿区高田馬場3−2−5
03ー3371ー9385
16:00〜23:30(月〜金)
16:00〜22:30(土)
日休


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