2009年12月05日

一日の終わり・・・中野「ブリック」

DSC00161金曜日(4日)の夜。今夜は、今週まだ行ってない「ブリック」へ。中野駅北口はもう見慣れた光景。北口ロータリーには様々なストリートパフォーマがいる。今日はギターに合わせて踊るタップダンサーの女性。見ている人はパラパラだが、すごい熱演である。髪の毛が躍動している。

人気の女性ストリートシンガーの時は、3重の人垣ができる。「涙そうそう」が始まると、それこそ涙している人もいる。それから、髪の毛を七三分けにして、超懐メロを歌う若者2人組も人気だ。「懐かしのハワイ航路」や「東京ラプソディー」に年配のファンが喝采を送っている。カラオケに合わせて、身体をくねらせながら演歌を歌う若者もいる。これは、ちょっと・・・と思うのだが、常に2、3人のファンがついている。・・・今日は誰がいるのだろうと、中野駅を降りたときの楽しみでもある。

さて、タップダンサーもいいのだが、やはり、ビルの階段下の野良猫が心配だ。まず、猫を見に行く・・・あれっ?いない。いつも置いてある餌の缶もない。寒くなって、誰かが持ってきた段ボール箱もない・・・いい人が連れて帰って飼ってくれているのだろう。そう信じるしかない。・・・さて、ブリックへ。
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ブリックに入ると、1階は満員状態。カウンターにずらりとお客さんが並んでいる。お客さんの背中の向こうから、「いらっしゃいませ。」とバーテンダーさんが声をかけてくれる。人差し指をたてて階段を指して、「2階行きます。」と答える。「どうぞ。」の声に送られて、階段を上がる。

2階に上がると左手のテーブル席に2人組。正面のカウンターに2人組の男性客と1人の女性客。右手のテーブル席には誰もいない。静かだ。「カウンターの奥へどうぞ。」と2階のバーテンダーさんが声をかけてくれる。L字型カウンターの横棒の席に座る。おしぼりが出てくる。それを受け取りながら、「瓶モルツを。」と注文する。

自分の前に立っているバーテンダーさんは、この店で一番若い人だ。いつもは眼鏡をかけているのだが、今日はかけていない。「あれっ、眼鏡はやめたの?」とつい声をかけてしまう。「時々、コンタクトにしてるんです。」との答え。こんな所から会話が始まる。まず、ビールをグラスに注いでもらう。「どうぞ。」「どうも。」では、一口・・・今日は朝から大変だったが、やっと終わったなあ、という味がする。お通しは「グリーン豆」。ポリポリとかじる。
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「今朝、西武新宿線が止まっちゃったんで、大変だったんですよ。」と話しかける。「ああ、そうでした。大変でしたね。」・・・今朝、「ニュースで西武新宿線が運転を見合わせている」というニュースを見て家を出た。とにかく駅に行ってみないことには、今後の見通しなど、詳しいことが分からない。駅に行ってみると・・・運転再開には時間がかかるとのこと。じゃあ、どうする?

鷺ノ宮駅からは阿佐ヶ谷駅行きのバスがある。しかし、バス停にはもう長蛇の行列が出来ている。その行列は駅の構内まで続いている。早朝のバスは本数も少なく、いつになったら乗れるか分からない。タクシーはというと、鷺ノ宮駅にはタクシー乗り場がない。したがって、中杉通りを走ってくるタクシーを拾うしかない。中杉通りに出てみると・・・道沿いに人がずらりと立っている。それは新青梅街道まで続いている。バス停一つ分続いているのだ・・・。

結局、どうしたかというと、新青梅街道の向こうまで走りに走った。タクシー待ちの人がいなくったなと思ったら、そこに空車のタクシーがちょうど走ってきた。それに乗り込んで、阿佐ヶ谷駅に向かった。ラッキーだった。「電車止まってるんですってねえ。」という運転手さん。「そうなんです。」などと答えながら、駅前のパニック状態を車窓から見て、申し訳ないような気分になった。

「それは、ラッキーというより、一生懸命に走ったのがよかったんじゃないですか。」とバーテンダーさんが、フォローしてくれる。「まあ、そうだね。」ビールがなくなったので、次の飲み物を。ボウモアをオンザロックで。」と注文。

ボウモアを一口・・・甘い刺激が喉を通っていく。美味しい。自分のボウモアは、古いボトルに入っている。新しいボトルを開けるごとに、バーテンダーさんがこのボトルに移し変えてくれるのだ。古いボトルから新しいボトルに変わるとき、「前のボトルの方がいいですね。」と自分が言ったら、「じゃあ、このボトルにずっと移し変えますね。」ということになったのだ。
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「あのビルの猫いなくなったねえ。」「そうですね。そういえば、この前、猫カフェに行きましたよ。」「どこの?」「大宮です。」「どうだった?」「可愛かったですよ〜。」・・・猫話が続く。あと、2杯。このまま、飲んでいよう。こんな会話が一日を救ってくれる。BGMのジャズが遠く聞こえる。店の中は、相変わらす静かだ。

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