寄り道Blog

今日（13日）は職場の新年会。終わったのは午後8時前。明日はもちろん通常勤務のため、そそくさと帰りを急ぐ人が多い。自分も、会が終わってからすぐに会場から出て、東急東横線の「都立大学」駅まで歩いてきた。今夜も冷え込みが厳しく、目黒通りの風は予想どおり冷たくて強かった。このまま帰るのももったいない気がする。じゃあ、駅に近いバー「メリーズバー」に少しだけ寄り道して帰ろうかな。

東急ストアの前の横断歩道を渡る。正面に都立大学駅の改札を見ながら右に。線路沿いの道を自由が丘方面に少し歩く。その道沿いに、地下に飲食店がいくつかあるビルがある。直接地下に通じる階段を降りると、スナックなどの飲食店がいくつか営業している。ただし、かつてほどの賑わいはなく、閉じている店舗もある。その一角にひっそりと影響している店が「メリーズバー」だ。

木製のドアを開けると、そこは別世界。入り口からカウンターに沿って歩いていくと、意外に広いバー空間が現れる。ウエーブした長いカウンターと3つのテーブル。いい感じだ。「こんばんは。」と店長に声を掛けると、「いらっしゃいませ。奥の席にどうぞ。」と答えてくれる。奥に進んで、コートをハンガーに掛け、鞄をうしろのスツールに置いて座る。先客はなし。

店長が正面に立ち、改めて「いらっしゃいませ。」と迎えてくれる。「どうも。」「今日は、何になさいますか。」「ギムレットを。」「かしこまりました。」・・・新年会ではビールばかり飲んでいたので、少々スッキリしたものを飲みたい。ジン3/4にライムジュース1/3。そしてシェイク。額と胸の辺りをシェイカーが激しく行き交う。カクテルグラスに注がれる。「どうぞ。」

では、一口・・・ハードなシェイクで細かな氷片を少し残したスタイル・・・冷たさが心地よい・・・甘さはほとんどなく、ドライな印象・・・期待通りのスッキリした味だ。う〜ん、美味しいなあ！広い店の中には店長と自分の2人。静かな空間にＢＧＭだけが流れている。ＢＧＭは80〜90年代のＪポップ。音量はもちろん抑えてある。


「ドライフルーツかナッツをお出ししてますが、どちらになさいますか？」と店長。「ナッツで。」「お好みは？」「じゃあ、ジャイアントコーンを多めに。」「かしこまりました。」・・・ミックスナッツが届く。では、ジャイアントコーンから、一口・・・パリッとした感じと、塩味がとてもいい。今はもう閉店してしまった野方のバー「ピュア」のマスターが、よくジャイアントコーンをサービスしてくれたっけ。「おつまみには最高だよ。」と言いいながら・・・。

ギムレットとバーの空間が、さっきまでの職場の雰囲気とはちがう落ち着きを与えてくれる。職場から家に帰る前に寄るバーの１杯は最高だ。心がスーッと洗われるようだ。しばらくは、この雰囲気の中に埋もれていたいと思う。そして、もう一口。


男性客が１人入ってくる。比較的入り口に近い席に座る。この店では常連客はだいたいその辺りに座っている。「生ビールを」と注文しながら、ゆっくりとコートを脱いでいる。店長のいつもいるポジションはその席の前辺り。多分、その位置からなら、入ってくるお客さんをすぐに迎えられるからだと思う。常連客がその辺りの席を好むのは、店長と話ができるからなのだ。

その男性客とは、かなり席が離れているので、一人の時間はそのままの雰囲気で保たれる。ギムレットを飲み終えたので、次のドリンクを・・・この店は、ハイボールを神戸スタイルで出している。自分も神戸スタイルは「権ノ助ハイボール」以来好みだ。「すみません。ハイボールを。」「かしこまりました。」

神戸スタイルのハイボールは氷を使わない。したがって、ウイスキーとソーダ、グラスをよく冷やしておく必要がある。冷蔵庫から真っ白に冷えたグラスが取り出される。さらに冷えたサントリーの角瓶とソーダが用意される。ウイスキーをグラスに注ぎ、次にソーダを注ぐ。その時、ソーダの勢いを利用して全体が混ざるように注ぐ。簡単なようで、難しい。そして、最後にレモンピールだ。

「おまたせしました。ハイボールです。」「どうも。」・・・グラスの中の細かい泡が、バーの照明を受けてキラキラ輝いている。では、一口・・・う〜ん、柔らかい印象。ほのかな甘み。ウイスキーの香りとレモンピールの香りが絶妙に混ざり合う。美味しい！さすがに店長が自信を持って出すハイボールだけのことはある！


ハイボールにジャイアントコーンはそれこそ最高のつまみだ。ピュアのマスターの笑顔が浮かんでくる。懐かしいなあ・・・。ハイボールを飲みながら、時々ＢＧＭに耳を傾ける。米米クラブだ・・・。そして、思いはとめどなく巡る。バーの空間の中で、時間が止まったように感じる。

ハイボールを飲み干したので、今日はこの辺で。「ごちそうさま。」「ありがとうございます。2100円です。」「ギムレットもハイボールもとても美味しかったです。」「ありがとうございます。またどうぞおいでください。」

階段を上って外に出る。冷たい風が吹いてくる。今日も一日無事に終わったなあ・・・。駅への道を歩きながら、安堵感に満たされている。


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