寄り道Blog

今日（6日）は、5時過ぎに職場を出た。帰る前に思い直して、目黒駅前のカフェに入り、パソコンでまとめの仕事をする。これをやっておくと、来週の月曜日からの仕事をスムーズに始めることができるのだ。その作業を終えて、ほっと一息。無線ＬＡＮを通じてインターネットに接続し、ユーチューブで気になっていた曲をチェックする。植村花菜「トイレの神様」だ。

もちろんイヤホンを通して聴いていたのだが、不覚にも涙が出そうになる。場所が場所だけに我慢したが、周りに誰もいなかったら、絶対泣いていたなと思う。こういうのに弱いよなあ〜。何だか心洗われたような気がして、しみじみとしながら店を出る。新宿経由で中野に向かう。



中野駅北口に降り立つと、細かい雨が風に舞っている。傘をさしている人もいれば、さしていない人もいる程度の雨だ。昨日ほどではないが、暖かい夜になった。午後7時、1週間の疲れを癒すために、馴染みのバー「ブリック」に向かうことにする。横断歩道を渡ると、店はすぐそこだ。

ドアを開けて、店の中に入る。カウンターには4人のお客さんが座っている。それぞれが一人客のようだ。いつもなら土曜日のカウンターはカップル客が多く、一人客は少ないのだが・・・。コートを壁のフックに掛けて、カウンターの一番奥の席に座る。

正面に立っているマスターが「いらいっしゃいませ」と迎えてくれる。「いつものでいいですか？」と問われる。「ええ。」・・・コースターの上にグラスが置かれる。モルツの栓が抜かれ、グラスにゆっくりと注がれる。それを見ているだけで、気持ちが落ち着いてくる。「どうぞ。」「どうも。」

では、モルツを一口・・・この一週間もいろいろあったな。でも、振り返るのは月曜日の朝にしよう。今は休日前の時間をのんびり過ごそう・・・美味しい！お通しの松の実が出てくる。疲れている身体にはよさそうだ。少しつまんで口の中に入れる。独特の香りが口の中に広がる。　


「明日は雨から雪になるそうですね。なかなか天気が落ち着きませんねえ。」とマスター。「また雪ですか。」・・・「春の雪」か・・・禁断の恋だな。関係ないけど。ドアののぞき窓から外が見える。相変わらず、かすかに雨が降っているらしい。土曜日の夜にしては静かだ。

隣の年配の男性がマスターに話しかけている。「伊東屋でいいメモ帳を見つけてね。」「そうですか。」「紙の質もいいし、大きさも手ごろでね。4月になったら使おうと思って楽しみにしているんだよ。」「いつもいい手帳をお持ちですものねえ。」「メモが趣味といってもいいからね。」・・・とても、落ち着いた方だ。時間がゆっくり流れていく。

ビールの後は、ジンにしようかな。今日もジントニックで。「すみません、ジントニックをお願いします。」と注文する。タンカレーのボトルが用意される。「どうぞ。」ジントニックが届く。一口・・・ほのかな甘味と苦味、そしてレモンの酸味。バランスがいいなあ。美味しい！


そういえば、最近この店でおつまみを注文してないなあ。この店はバーではあるが、料理もとても美味しい。しかも400円〜600円と値段も安い。自分が一番好きなのは「プレーンオムレツ」。マスターが手際よくアーモンド形に仕上げていく。味はシンプルな塩コショウ。それからお好みでケチャップ。

次は「かにサラダ」かな。かにの身と野菜を自家製マヨネーズで和えたもの。これまたシンプルだが、食べ始めるとやめられなくなる逸品だ。他にもポテトサラダや、マカロニサラダも懐かしい味がして美味しいし、コロッケやフライドチキン、グリルドサンドも、味、ボリュームともにいい。サラミソーセージを胡瓜のスライスの上に乗せてもらうのも好きだ。

今日はなにか注文しようかな。いろいろ食べたいものが多いが、ここは・・・「ちくわをお願いします。」と注文する。最初はバーで「ちくわ」？と思っていたが、食べてみるとこれがなかなか美味しい。洋酒系にも合うのだ。

「ちくわ」が届く。ちくわの中にチーズと胡瓜が入っている。これだけなら、子どものお弁当料理なのだが、この店のはひと工夫されている。それは山葵と酢醤油でたべること。こうすることによって大人のおつまみになるから不思議だ。では、チーズから一口・・・酢醤油がチーズのこってり感を和らげつつ、ちくわの甘味を引き出す・・・う〜ん、美味しいなあ。次に胡瓜の方を。こちらは山葵を少しつけて、一口・・・山葵と酢醤油がよく合うなあ。


ジントニックを3杯飲んで、今日はここまで。「ごちそうさまでした。」「明日の雪は夕方からだそうですね。明後日の朝は気をつけてください。ありがとうございました。」とマスターに送ってもらう。

外に出る。雨は少しだけ強くなったようだ。傘をさそうかどうか迷う。結局、ささないまま駅に向かう。一週間が静かに終わっていく。