2022年12月30日

安らぎの空間と時間・・・阿佐ヶ谷「川名」

IMG_20221230_111414今日(29日)は仕事も休みで、午後から買い物で新宿へ。午後3時ごろ全てが終わり、ここで思い出すのが、午後4時開店の阿佐ヶ谷「川名」だ。最近、行っていないなあ、と思う。年末の夕方、馴染みのカウンターで飲むのもいい。阿佐ヶ谷には3時20分ごろに到着。前回の経験から、開店前に行くのは憚られる。それで時間潰しに、阿佐ヶ谷スターロードの飲み屋街を観察に行く。ああ、まだこの店あったんだなあとか、ここにあったあの店閉まっちゃったんだなあとか、色々考えながら歩く。

 

そろそろ、時間だなと思い、北口の商店街に入る。川名の前に到着したのが開店5分前。店焼き台の後ろの戸が開いていて、そこから中の様子が見える。マスターは開店準備で忙しそう。カウンターには既に3人座っている。外で待つのも何なので、思い切ってドアを開けて中に入る。マスターが「いらっしゃい!」と声をかけてくれる。こちらも「こんばんは。」と元気に答える。

 

カウンターは6席。入口から1番、2番と数える。一番奥が6番だ。3人は3番、4番、6番に座っている。3番、6番はいつ来てもこの時間にいる常連さん。4番もよく見る人だが、今日はいつもより早いなあ。奥の座敷脇に荷物を置かせてもらいに行っていると、1番が埋まっている。このお客さんもいつも来ている年配の人。1番、3番、6番は、もうその席は自分のものという感じになっている。そこはやや不満ではあるのだが、毎日来ている人たちには勝てない。そこで5番の席に座ることにする。すると、もう1人、おじさんが入って来て2番に座る。これでカウンターは満席。開店2分前。


IMG_20221229_162909開店1分前、BGMが流れ始める。いつのもユーミンの曲。「飲み物なんにします?」とここで席に座った順に聞かれる。1番、3番、6番はいつも決まっているので、最初は4番から。次が自分。「生レモン(酎ハイ418円)お願いします。」と注文する。それぞれに飲み物が運ばれ、一人一人料理を注文。自分は「豚ナンコツ(1本132円)、鳥ナンコツ(1本143円)をそれぞれ塩で2本、紋甲いかゲソ1本(176円)、それから白菜漬け(176円)をお願いします。」と注文。

 

4時丁度に入ってきたお客さんが、カウンターを見て絶望的な表情になる。4時ピッタリということは時間調整して来たということなので、気の毒になる。でもそこはマスターが優しく、「テーブルをお使いください。」と声をかける。「4人がけのテーブル、1人で座っちゃっていいの?」「もちろんです。どうぞ、気になさらず。」・・・いい感じ。

 

IMG_20221229_155940では、レモンを絞って、酎ハイに注ぎ込んで、一口・・・生レモンの酸味がものすごく効いている・・・しかも、濃い。うめー。このタイプの酎ハイではやはり一番美味しいと思う。「至福」という言葉が頭をよぎる。今日のおすすめホワイトボードを見ると、鯖西京焼というのがある。目の前のネタケースを見ると、おお、お美味しそうだ。これを炭火で焼き上げるのだから、たまらない。値段は330円。安い。だが、他のメニューが安すぎるので目立たない。3番、6番のお客さんが当然のように注文しモッツァレラチーズなんて、たっぷり皿に盛られて242円。ここ何ヶ月か色々な店を回ったが、ここまで安い店はなかったと思う。

 

IMG_20221229_160923マスターが白菜漬けを出してくれる。一口・・・しゃきしゃきした歯応えがいい・・・塩加減もバッチリ。これ好きなんだよなー。酎ハイ、酎ハイ!・・・女性のお客さんが1人入ってくる。「真ん中のテーブルへどうぞ。」とマスターが案内する。テーブルを1人一つというのも、心配り。相席にすると気まずいもんなあ。こういうところが、この店の優しい雰囲気を作っているのだと思う。

 

IMG_20221229_161131焼き物が届く。まず、豚ナンコツから一口・・・やっぱり焼き具合が絶妙。豚ナンコツはまずい店だと気持ち悪くて食べられないことがある。クニュクニュで生っぽくて気持ち悪いのだ。この店のは、カリッとしていて、本当に味わい深い。美味しいなあ。・・・おっ、ホワイトボードの「白菜漬け」の文字が消されてゆく。早くも売り切れ。その後に「ホタテ貝刺身」と書かれる。値段は440円。この店の400円台はものすごく高い感じがしてしまうのだが、冷静に考えるとものすごく安い。目の前のマスターに酎ハイのおかわりを注文。「はい、わかりました!」と気持ちいい答え。

 

酎ハイはおかわりするごとにジョッキを交換してくれる。継ぎ足すということがなく、美味しく飲める。左隣の男性客は日本酒の大徳利。文庫本を読みながらゆっくり飲んでいる。多分、今日から休みに入り、気持ちもゆったりしているのだろうと勝手に想像する。右隣の6番の常連さんは近くのテレビを見ながら、時々楽しそうに笑う。3番の常連さんは漫画雑誌をじっくり何冊も読んでいる。1番の常連さんはいつものように奥様に持って帰るお土産を注文しいている。テーブル席のおじさんは日本酒2合のあとは1合を注文。「燗で小さいのね。」・・・いつもの時間。

 

午後4時25分。何かもう少し食べようかな。「マスター、鳥ささみ(132円)を2本塩で。」「えーと、ちょっと待って。うーん。ラスト1本だけだね。」・・・なんとな。「じゃあ1本で。」大体みんな注文しているもんなー。この店の「ささみ」は全くパサパサしてなくて、むしろジューシーという感じでとても美味しいのだ。「酎ハイのおかわりと、豆腐味噌漬け(220円)ください。」と追加注文。

 

IMG_20221229_164756電話も鳴っている。「6時から4名の予約。」・・・これからが忙しくなるんだよな。焼き鳥持ち帰りのお客さんも多い。マスターの動きもキビキビとより早くなる。1番のお客さんが席を立つ。すると、テーブル席のおじさんも「自分も会計お願いします。」と席を立つ。30分ぐらいの滞在時間。毎日の楽しみなんだろうな。・・・「豆腐味噌漬け」が届く。へー、初めてだ・・・一口・・・これは豆腐の旨みがものすごく引き出されている。美味しいなあ。酎ハイ、酎ハイ!

 

IMG_20221229_164547「ささみ」も届く。一口、うん、うん、この塩味、大好き。いつの間にか左隣のお客さんがうつらうつら居眠り。気持ちよさそうだ。かくんと首が折れたタイミングでふっと目が覚めたようで、「マスターご馳走様。」と席を立つ。いい酒だったのではないかな。今年もお疲れ様でした。すると3番、6番のお客さんも、「ご馳走様。」と席を立つ。午後440分。2番のお客さんも、「今日も美味しかった。」と席を立つ。えー。皆さん早いなあ。テーブル席の女性もサッと席を立って「お会計お願いします。」

 

一瞬1人取り残される。唖然としていると、次のお客さんたちが入ってくる。ちょっとほっとする。皆さん、この時間の流れを弁えていらっしゃるのだな。では、もう少しゆっくりとさせてもらおうかな。

 

午後5時。席を立つ。「マスター、ご馳走様。」「いつもありがとうございます!」酎ハイが濃すぎたせいか、ちょっと酔いを感じる。外に出る。とてもいい気分だ。毎日この店に来るお客さんたちの気持ちがわかるなあ。近いうちに絶対また来たくなるな、と思う。

 

東京都杉並区阿佐谷北3丁目1120

03-3339-3079


Posted by hisashi721 at 12:55│Comments(0)