2023年02月12日

遅ればせながら・・・阿佐ヶ谷「川名」

IMG_20230212_131909建国記念日の今日(11日)は祝日ながら、朝7時から出勤。終わったのは午後5時過ぎ。いろいろ細かい仕事を済ませて、職場を出たのは40分後。いつもならこれから「寄り道」に向かうところではあるが、祝日となると営業状況がわからない。遠出して、店が閉まっているとショックが大きい。まあ、開いている店を探せばいいのだか。

 

そういえば、年末に阿佐ヶ谷の「川名」に行ったきり、今年はまだ一度も行ってない。これはいけない。今日は、「川名」のマスターに挨拶に行かねば。というわけで、山手線を新宿で乗り換え、中央線快速は休日には阿佐ヶ谷には停車しないので、総武線各駅停車に乗り込む。阿佐ヶ谷到着は1840分ごろ。でもなー、「川名」はこの時間混んでいるよなー。しかも、休日はグループ客が多くて、マスターも大忙しだ。今日はどうだろう。

 

7分後、店の前に着いて、ドアのガラス越しに店内を眺めると・・・カウンターは全部埋まっている。テーブル席も全て客が座っている。奥の座敷にも人の姿が見える。満席。う〜ん、やっぱりそうか。今は、午後4時の開店時間から約1時間が、まあ入れるかなという状況になっている。ちょっと時間を潰すかな・・・通りをまっすぐ歩いて、中杉通りまで行き、戻ってくる。それでも10分くらいしか経ってない。店の前に入り口横の焼き台にお店のエミさんがいて、テイクアウトのお客さんと話している。店を覗くと、さっきのまま。エミさんに「満席ですか?」と確認すると、「今、いっぱい。」という答え。「じゃあ、20分くらい経ったらまた来てみるから、もし空いたら、席とっておいてもらえますか。」と頼む。「わかりました。」との答え。今度は阿佐ヶ谷駅まで行って帰ってくることにする。

 

IMG_20230211_194230幸い今夜はさほど寒くないので、北口商店街の店を観察しながらゆっくり歩く。20分時間を潰すのは案外難しいもの。駅にタッチして、また引き返す。今度は中杉通りを歩いて、阿佐ヶ谷北1丁目のバス停辺りから、小路に入り、店の前に出る。エミさんがいたので、「帰って来ました。」と告げると、「テーブル席が空いたのでどうぞ。」とのこと。入り口近くのテーブル(A卓)に座る。すぐにマスターがおしぼりを持って来てくれて、「時間潰して来てくれたんだって?ありがとうございます。」と迎えてくれる。「なんとか入りたくて。流石に人気店ですね。」と言うと、「何をおっしゃいます。」とマスターは笑う。いい感じ。すぐに「レモン(生レモン付きの酎ハイ418円)をお願いします。」と注文する。

 


マスターは本当に忙しそうなのに、すぐに酎ハイを届けてくれる。ここで料理を注文。カウンター奥のホワイトボードを見て、即座に「栃尾油揚げ(286)円と昆布シメサバ(440円)をお願いします。」と注文する。「わかりました。」と言って、マスターは風のようにカウンター内の厨房に去る。何せ、ものすごい数の注文をこなさなくてはならないのだ。動きに無駄はない。

 

IMG_20230211_192054では、レモンをぐりぐりと絞って、グラスに注ぎ、一口・・・うめ〜。そして、濃い!たまらん!そういえば、新宿のとある店で「新宿で濃い酎ハイを出すのは、〇〇という店とうちですね。〇〇のは爆弾サワー、うちのは雷サワーと言われてますよ。」と聞かされたことがある。その時、「川名」の方が全然濃いよなーと思った。濃いだけじゃなくて、炭酸がプチプチと元気よく跳ねて、加えたレモンの香りが漂うところが最高なんだよなー。この店では生グレープフルーツを選ぶ人も多いが、レモンの方が香りが引き立つような気がして、自分は好みだ。

 

IMG_20230211_192457栃尾油揚げが届く。分厚い油揚げを炭火で炙って、たっぷりのネギと生姜を添えたもの。一口・・・ほー、良き!表面はカリッと、中はふわっと・・・ネギと生姜が合うなー。厚揚げよりもずっと軽いので、酒のつまみにはちょうどいい。美味しいなー。酎ハイ、酎ハイ。

入店からここまで10分くらい。カウンター席が空き始める。あっという間にカップル1組が残るのみになる。片付けに来たエミさんが、「おかわり?」と一言。「お願いします。」・・・自分の1杯目を飲み終わるペースを把握してくれている。嬉しい。

 

IMG_20230211_194341カウンター席は空いたが、このままテーブル席で飲ませてもらうことにする。4人がけのテーブルを独占させてもらって申し訳ないが、このゆったり感は何物にも変え難い。支障があるとすれば、前の席にはご夫婦が対面して座っているのだが、手前の旦那さんが席をしょっちゅう立つので自分と奥様が正面で向かい合うことになり、ちょっと気まずいことくらい。すると、奥のグループ客が帰り始める。店はだんだん落ち着いてくる。

 

IMG_20230211_194003昆布シメサバが届く。シメサバの上に昆布がのっている。一口・・・ほー、普通のシメサバよりも当たり前だが旨味が強い。昆布のコリコリした食感も残っていて、これは美味しい。午後8時がだんだん近づいてくる。ラストオーダーは820分。もう1杯行くかな。「マスター、レモンおかわりお願いします。それから牛すじ煮込み残ってますか。」「終わりました。」「じゃあ、ささみ串(132円)を2本お願いします。」「わかりました。」というや否やマスターは串を2本持って焼き台に去る。塩かタレか言い忘れた。

 

IMG_20230211_2007263杯目の酎ハイを飲んでいると、ささみ串が届く。炭火で焼いた焼き鳥、美味しんだよなー。一口・・・相変わらず塩味が絶妙・・・自分はいつも塩で注文するので、ちゃんと好み通りに焼いてくれたんだな。淡白でありながらジューシー。美味いなー。ささみを堪能していると、「どうぞ。召し上がってください。」とマスターが皿を置く。見ると、バナナ、パイナップル、リンゴのフルーツ盛り合わせ。「すみません。マスター。」・・・いつもお客さんの身体を思い遣ってくれるマスターらしい。去年、物凄く高いアメリカの栄養学の本を何冊も読んでたもんなー。

 

IMG_20230211_195326フルーツはどれも、驚くほど美味しい。バナナ、久しぶりに食べたなーなどと思っていると、「どうぞ。出来立てです。」「えっ?」ゆで卵?半熟卵だ・・・「マスター、サービスしすぎですよ。」「どうぞ、どうぞ。美味しい卵ですよ。」・・・では、いただきます・・・味が濃厚!黄身のねっとり感が素晴らしい。酎ハイが足りなくなっちゃう。・・・「焼けました。どうぞ召し上がってくだい。」ひぇ〜。豚皮串が2本!

 

IMG_20230211_202111思うに、自分が時間を潰して来たことを気の毒に思ってくれたのだと思う。ありがたい。恐縮してしまう。さて、酎ハイも3杯飲み終えたし、ラストオーダーの時間にもなったし、今日はこの辺で。「ごちそうさまです。」外の焼き台でテイクアウトのお客さんの注文を聞いていたマスターが、レジまで来てくれる。「ありがとうございます。今日はすみませんでしたね。」「とんでもない。こちらこそサービスしてもらっちゃって。かえって申し訳ないです。」「喜んでいただけたなら、よかったです。」「それにしても、すごいお客さんですね。毎日大変ですね。」「そうね。ありがたいです。昨日IMG_20230211_202233なんか雪だったのに、いつもよりお客さん多くててんてこ舞い。今日よりすごかったよ。」「そうなんですね。身体に気を付けてください。」

 





店を出る時の短い会話がいつも楽しい。外に出る。ちょっと風が冷たくなっているが、さほど寒くはない。むしろ気持がいいくらいだ。明日は日曜日。暖かい一日になるとのこと。バス停に向かって歩く。身も心もゆったりとしているのを感じながら。

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東京都杉並区阿佐谷北3丁目1120

03-3339-3079 

 

 


Posted by hisashi721 at 13:31│Comments(3)
この記事へのコメント
寄り道さんにおすすめいただいてから随分と経ってしまいましたが、先日ついに「平日のよじかわ」行ってきました!

まだ4月なのに少し汗ばむくらいの夏日、ゆるく湾曲したのどかな通りを歩いて15分前にお店に着いてしまったのですが、幸い先客が入店されたのを見て「良いですか?」と続くことに成功。
日照りから無事に解放されてほっと一息、テレビの音や表を走る原付の音を耳にしながら、店内を通るからっとした気持ちの良い風に身を任せていると、思わぬ心地よさに寝落ちしそうに…

一杯目の自分で絞る生グレサワー、ジョッキの焼酎が満杯で笑っちゃいました。生グレで笑わされたのは押上のまるい(おすすめです)で半玉2個出てきた以来です!
魚串など美味しいメニューを中心に小一時間ほど過ごした後、なんと会計の際にガラスケースを発見。ネタを見て品定めできたんですね、次に来た時はケースの前の席に座ろうっと。

素敵なお店(と時間)を教えていただいて、ありがとうございました。
ここのお箸は居酒屋で自分のベストです。
Posted by 110 at 2023年05月02日 23:45
110さん、阿佐ヶ谷へようこそ!
自分も一昨日、短時間ですが「川名」に寄ることができました。
カウンターの心地よさは格別ですね。寝落ちしそうになるって、わかります。
マスターに「江東区から来てくれたお客さんが、素敵な店だと褒めてましたよ。」と報告すると、「それは本当に良かった。」と喜んでました。
Posted by 寄り道 at 2023年05月06日 10:30
「よじ」だからこそ、暑い表の通りの明るさと涼しい店内のコントラストが格別でした。とても腰の低いご主人はお忙しそうだったので挨拶もそこそこに店を出ましたが、伝達ありがとうございます笑
伺ってから日を置かずに寄り道さんの新しい川名のエントリがあがっていて、反芻するように読ませていただきました。
梅雨入り前にまた行きたいと思います!
Posted by 110 at 2023年05月21日 21:10