2023年02月13日

休日の過ごし方・・・浅草「神谷バー」

IMG_20230212_151352日曜日(12日)がやってきた。しかも、春の陽気。早起きして、新宿のカフェに。ちょっとした仕事をこなし、その後は、溜まっていた本を読んで午前中を過ごす。お昼過ぎ店を出ると、さらに暖かさが増している。こうなると、どこかに出掛けたくなる。新宿御苑にでも行って散歩しようかな・・・などとは思わず、こういう陽気の日に昼飲みしたら気持ちよささうだなという考えが浮かんでしまう。せっかくだから、ちょっとだけ遠くへ行きたい、とも思う

 

新宿駅から総武線各駅停止車「津田沼」行きに乗り込む。車内は適度に空いていて、しかも、暖かい陽光が差し込んで明るい。いい気持ちで電車に揺られる。20分ほどで「浅草橋」に到着。改札を出て、都営浅草線に乗り換え。ホームに着くと、まもなく「印旛日本医大」行きが入ってくる。浅草までは2駅。もうすぐ!

 

IMG_20230212_151621浅草駅に着くと、大勢の人が降車する。まともに歩けないくらい。カップルも多い。彼らは総じて歩くのが遅い。のろのろと改札に向かう。階段を上がり外に出ると、雷門の近く。地下も人が多かったが、地上はさらに人が溢れている。人力車が10台ぐらい、客寄せをしている。外国人の方々がスマホで写真を撮りまくっている。観光地に来たことを実感する。

 

じゃあまずは浅草寺に参拝するかな、と仲見世通りを見ると、もう立錐の余地も無いという言葉が適当なぐらいの人、人、人。浅草寺にたどり着くまで何分かかるかわからない。うきうき気分が削がれる。もういいや。いきなりだが、神谷バーに行っちゃおう。もう一度駅の方に少し戻る。神谷バーの看板が出迎えてくれる。「浅草1丁目1番1号」とある。明治13年創業のバー。久しぶりだ。もうたまりません。


IMG_20230212_142434ドアを開けると、やっぱりお客さんが多い。空席を心配しつつ、入り口右手の食券売り場に並ぶ。しばらくして自分の番になる。初老のスラリとした男性店員さんが「注文どうぞ。」と促す。「生ビールの小(600円)とデンキブラン(300円)、カマンベールチーズ揚げ(750円)・・・え〜と。」ここで詰まってしまう。「豚の塩漬け」というメニューがなくなっていたからだ。なくなったのかなー。まあいいか。「あと、たこのスモークサラダ(650円)お願いします。」「2300円です。」食券4枚を受け取る。

 

IMG_20230212_142336さて、空席は・・・入り口左奥はグループ客でいっぱいみたいだし、右手奥も同様。1人で来たときは壁際の席がいいんだが、ずらりとベテラン常連客が並んで、一つ空いている席は、アクリル板で区切られた相席。70代と思われる男性客がうつらうつら居眠りしている。う〜ん。そこで入り口前の太い柱のまわりの席が空いていたのでそこにする。2席ずつ4つに区切られている、その1つが空いていたのだ。

 

IMG_20230212_142429奥の方から出てきた若い男性店員さんに手を挙げて、「すみません。お願いします。」と呼ぶ。食券を渡して半券を受け取り、座る。ほどなく、生ビールとデンキブラン、そして割り箸とおしぼりが届く。さあ、昼飲み開始。まずは生ビールから・・・一口・・・くふぅー。よく冷えたビールは沁みるな〜・・・うめ〜。この店は生ビールの量が多いので、普通の店なら「中」と言ってもいいくらいの「小」なのだ。デンキブランのチェイサーにするつもりなので、これで十分。では、電気ブランを一口・・・こちらもよく冷えている・・・琥珀色が美しい・・・んー、この味、この味。薬草が配合されたカクテル独特の味。甘味がまたいい。美味しい!

 

自分の左隣の席の中年カップルが席を立ち、代わりに若い男性2人組が座る。「食券買うみたいだよ。」「えっ、そうなんだ。」そわそわしている。初めてなんだな。浅草に来たら、神谷バーにぜひ行きたいという気持ち、よくわかる。正面のお客さんも入れ替わり。初老のおしゃれなご夫婦が座る。「どうすればいいのかしら。」「んー。」「皆さん食券を買ってるのね。買わなきゃ。」・・・初めてのお客さんも多いんだな。

 

IMG_20230212_142609「たこのスモークサラダ」が届く。たこのスライスと玉ねぎのサラダ。一口・・・酸味の効いたドレッシングがかかっている。これは玉ねぎに合う。たこは歯応えがしっかりして味わい深い。いいかも。デンキブランをまた一口。飲みやすい。すぐに飲み干してしまいそうだ。デンキブランはアルコール30度。ゆっくり、ゆっくり。

 



IMG_20230212_143336「カマンベールチーズ揚げ」が届く。そのタイミングでデンキブランの1杯目が無くなったので、女性のベテラン店員さんに、「デンキブラン、おかわりお願いします。」と注文。「はい、300円です。」あらかじめ用意しておいた100円硬貨3枚を渡す。では、チーズ揚げを一口・・・ねっとりとした食感・・・カマンベールチーズと油の融合で甘味も感じられる・・・もちろんチーズ独特の風味も残っている・・・これ、これ、美味しいんだよなー。ビール、ビール!

 

ほんのりとした酔いが全身を包み始める。来た来た、来ましたよー。ここで調子づいてしまう。次は「電気ブランオールド(400円)」にしようかなー。何せ40度だからなー。オールドに行かなきゃ帰れないぞ、などと思い始める。さっきのベテラン女性店員さんを探す。自分がこの店に入って15分くらい後に、80代の男性が杖をついて1人で入ってきた。するとベテラン女性店員さんがさっと近寄って「久しぶりー。元気だった。さあさ、こっちへ。足元気をつけてね。」と奥の席に案内して行ったのだ。ちょっと感動した。それで、どうせならその店員さんに注文しようと思ったのだ。「すみません。電気ブランのオールドをお願いします。」「オールドの方ですね。400円です。」・・・楽しみ、楽しみ。

 

IMG_20230212_144834電気ブランオールドが届く。グラスが違う。高く細く上品な感じ。一口・・・やっぱり、ガツンとくるような気がする。こっちの方が好みかな。これ、もう1杯おかわりすると結構酔っ払うかも。と思うのだが、止まらなくなってしまう。どうしようかな、おかわりしようかなあ・・・。さっきの80代の男性客がゆっくりと自分の横を通っていく。ベテラン女性店員さんが「あらっ、お帰りですか?」と声をかける。「帰る時は潔くだよ。」と男性客が答える。・・・なるほど。

 

おかわりは思いとどまり、自分も席を立つ。店員さんたちに「ごちそうさま。」と声をかける。「ありがとうございました。」と送られる。ドアを開け外に出る。せっかく気持ちのいい日曜日に浅草まで来たのだから、やっぱりちょっと回って帰ろう。仲見世を避けて、比較的人通りの少ない道を歩く。浅草神社にお参りして、浅草寺に回って、梅園であんみつでも買って帰るかな。休日の時間が戻ってくる。
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東京都台東区浅草1丁目1

 03-3841-5400


Posted by hisashi721 at 12:41│Comments(0)