昨日(祝日23日)に続いて、今日(日曜日24日)も休日出勤。疲れも溜まるというもの。職場を出たのは午後6時40分ごろ。バスで目黒駅に向かう途中は、ぼんやりと車窓を眺めながら過ごす。目黒駅からは山手線。この時間でも日曜日なので空席もある。静かな車内で考えることは、寄り道先は何処にするかということ。
新宿駅では降りずに、二つ先の高田馬場まで乗車。高田馬場から西武新宿線に乗り換える。準急「拝島」行きを見送って、各駅停車「新所沢」行き電車に乗る。先頭車両は意外に混んでいる。ゆっくりと電車が動き始める。時々隣の女性の鞄がぶつかってくるのを少し気にしながら、吊り革につかまっている。
例によって「中井」駅で急行の通過待ち。2分が長く感じる。しかし、動き始めればすぐに、目的地である隣駅「新井薬師前」に到着。電車を降りて、東口改札を出る。なんとなく駅前が寂れて見えるのは、日曜日で定休日の店が多いからだろうか。中野新井通りに出て、踏切を背に中野方面に向かって歩く。二つ目の路地を左に入る。まず四文屋の看板が見える。四文屋は満席に近いようで、カウンターもテーブルも賑わっている。その並びの店が今日の寄り道先。白地の看板には、「大森屋」と渋く黒い文字が浮き出ている。
戸を開ける。手前がテーブル席。左の壁際奥のテーブルには若い女性の1人客。右奥のテーブルには男性2人客。さらにその奥がL字型のカウンター。カウンターの中が厨房。カウンターには誰もいない。厨房のマスターが自分を見る。「1人です。」と告げると、「カウンターにどうぞ。」と明るい声が返ってくる。
マスターが「こちらに」という時に掌で示した席はLの横棒の席。2席ある。まあ端っこの席がいいだろうと壁際に座る。すぐに後悔したのは、その壁の自分の頭よりちょっとだけ高い位置にテレビが設置されているからだ。テレビは女子バレーボールの日本vsブラジル戦が放映されている。見えにくい。
隣の席に移ろうと思ったタイミングで、マスターがおしぼりと皿を持ってやってくる。「生ビール(605円)をお願いします。」と即座に注文する。すると「生ビールですね。こちらで入れておきます。後はQRコードからお願いします。」との答え。見ると正面に「C11」とありその下にQRコードがある。なるほど、席ごとにこれがあるというわけだな。「了解です。」と答えて、早速リーダアプリを立ち上げ、読み取る。LINE経由でメニューが表示される。注文履歴には早くも生ビールが入っていて、それに席料(110円)を加えて2件が注文済みとなっている。
というわけで、C11の席でコードをスキャンしてしまったので、隣の席移るのを諦める。それはマスターが忙しそうだったから、手を煩わせるのが申し訳なく思ったからだ。店内の客は少ないが、テイクアウトの注文が大量に入っているようなのだ。この店は焼き鳥と鰻がメインの料理で、鰻重の特(3800円)から鰻丼(1200)まで揃っている。そのテイクアウトが人気なのだろう。奥様の方も「焼き鳥」を忙しそうに焼いている。まあ、テレビはいいか。
生ビールが届く。銀のタンブラー。持つと直に冷たさが伝わってきて心地よい。では、一口・・・冷えてるなー、うめー。最高です!最初に来たのは取り皿で、お通しはない。早速、スマホで注文を。「炭火やきとり」という表示をタップして・・・うーん、一つ一つタップしていくのがめんどくさいなー。「おすすめ4本盛り(720円)」にしよう。で、「塩」をタップ。で、「ビッグハラミ(280円)」も塩。それから一品料理を・・・「鳥取県境港アジフライ(398円)」とな。鳥取県のアジって有名なんだっけ?これにしよう。タップっと。
テレビはいいか、と思ったものの流石にチラチラするので気になる。しかも、大接戦。ビールを飲んでいても、「決まったー、日本再びリード!」みたいな絶叫が聞こえてくると、ハッとして画面を見上げてしまう。男性2人客が「この試合に勝つとパリオリンピックの出場権が得られるんだよなー。」「へえー、大事な試合なんだ。でも1セット目取られてるじゃん。」みたいな会話をしている。今年は大きなスポーツのイベントが目白押しだな。
アジフライが届く。小さめのアジが一つ。たっぷりの芥子が添えられている。野菜などは添えられておらず、ある意味潔い。アジで勝負ということ。これ、阿佐ヶ谷の「丸山」で食べた小アジフライと同じ大きさだな、などと思い出す。境港には行ったことはないが、魚は美味しいはず。では一口・・・カリッと揚がっている・・・おお、肉厚!明らかに他のアジとは違う。ジューシーさもあり、アジそのものの旨みも素晴らしい。んまい!ビール、ビール。
大量テイクアウトのお客さんが、受け取りに来る。Uber eatsの人も来る。なるほど、忙しいはずだ。焼き鳥も次々と焼き上がるのだが、2人客の方に運ばれていく。このお客さんたちも少し待たされたのかな、と思う。美味しくて小さいアジフライは瞬く間に無くなる。
ビールも飲み干してしまったので、次の飲み物を。スマホからメニューを見てみる・・・サワー類がずらり。すごい種類だなあ。ホッピー、ハイボール、焼酎、日本酒、梅酒・・・ふむふむ。ホッピーにしようかな。「白ホッピーセット(480円)」をタップ。
「白ホッピーです。どうぞ。」とマスターが届けてくれる。飲み物は早い。氷と焼酎が入ったグラスにホッピーを注ぎ入れる。なるべく勢いよく注ぐのがコツ。マドラーでかき混ぜる。では、一口・・・今日のホッピーは優しい味がするような気がする。ホッピーってこういうことがあるよなー。やけに不味く感じる日もあったりして。今日は、美味しい。いいねー。
若い女性客が席を立つ。入れ替わりに近所のおじさん風(Tシャツ、短パン姿だから)の客が入ってくる。マスターに「ノンアル、ある?」と問う。「え?」「ノンアル、置いてる?」「えーと、置いてないですね。」「置いてない。そう、じゃあ。」その客は帰っていく。ウーロン茶とかカルピス、トマトジュースなどいろいろメニューにはあるが、ノンアルというのはノンアルビールのことを指すのだろうか。
そろそろホッピーを飲み干す頃、マスターがカウンター越しに「お待たせしました。盛り合わせです。こちらから、ささみ、とろけるレバー、ぼんじりです。遅くなったんで、あと2本行きます。少しお待ちください。それから、ビッグハラミ塩です。」と皿を二つ届けてくれる。「あと2本来るんですね。ありがとう。」嬉しいサービスだなあ。じゃあ、「なか」(焼酎280円)を注文しとこう。すぐに奥様が来て、「グラス替えます?」「いや、このままでいいです。」とのやり取り。なんか口頭で注文した方が早い感じ。でも、多忙な時はスマホの方がいいんだということかな。
ホッピーの2杯目を作って一口飲み、さて、やきとりに行こうかな。ささみから。肉は大ぶりで分厚い感じ。山葵が添えられている。では、一口・・・うわー、んめー、うめー!ささみなのにジューシーじゃん!塩加減も良くて、山葵も合う。これまで食べたささみの中で一番かも。高級店なみ。ホッピー、ホッピー。いやー。美味しいなー。「日本、再びリード!」テレビが叫んでいるが、それどころじゃないよー。
レバーはどうだ。プリプリ、しかも大きい。一口・・・とろけるー。素晴らしい!ここの焼き鳥レベル、高っ!ぼんじりは?一口・・・これはもう安定の味。いや、ぼんじりは好物だが、この店のは一段美味さが違うかも。ホッピー、ホッピー。ホッピーが劣勢に。ああ、ビッグハラミがあったんだ。ネーミング通りビッグ。一口・・・これはステーキです。本当に。美味過ぎです。「ブラジル逆転!」・・・もはや、微かに聞こえるBGM。
「なか」おかわり。そこに「残り2本です。せせり、それから、膝のなんこつです。」・・・へー。絶対美味いに違いないやつが出てきたじゃん。なんこつはいつも食べるのと全く違った形状。一口・・・コリコリ。間違いなくナンコツ。旨みすごっ!めっちゃうんめー。ホッピー、ホッピー。せせりは・・・ほへっ、味わい深し。噛めば噛むほど旨みが染み出してくる。美味しいなー。たまらん!。
全てを食べ終えて、ホッピーの最後の一口を飲み干す。満足です。はい。では、今日はここまで。「ごちそうさまです。」会計を済ませて席を立つ。マスターが「ありがとうございました。」と送ってくれる。テーブル席の真ん中を抜けて戸を開ける。マスターが入り口まで出てきて送ってくれる。「ありがとうございました。またどうぞ。」「マスター、美味しかったです。」と答える。
駅まで歩く。レモン型の月がやけに輝いている。この時間になると肌寒いくらいだ。やっと秋がやってきたようだ。
東京都中野区上高田3丁目40−3
03-6454-0980
Posted by hisashi721 at 17:36│
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