2023年12月03日

12月の夜・・・高田馬場「清龍」

IMG_20231202_19410712月になった。最初の土曜日である今日(2日)は、午後からの仕事が午後5時ごろ終わり、30分後に職場を出る。目黒通りの渋滞でバスがなかなか来ず、身体が冷え切る。背中の真ん中がなんとなく冷えているとか、首の筋が凝るとか、経験上、風邪を引く直前の症状を感じる。やっとバスが来て、空いている座席に座ると、すぐに寝てしまう。疲れていたのだろうと思う。

 

乗り換えた山手線でも運よく空席があり、座るとまたまた寝てしまう。新宿駅に着いたことは分かったのだが、起きる気にならず、高田馬場駅までうつらうつらする。高田馬場で降りた時、少し暖まってから帰りたいと思い、先日、通りかかった「清龍」に向かうことにする。この季節、1人でも食べられる鍋料理があったと思い出したからだ。・・・しかし、眠いなあ。

 

IMG_20231202_194546早稲田口改札を出て左へ。線路の高架下の横断歩道を渡って「さかえ通り」に入る。右手にある清水川稲荷神社の扉に一礼して、少し歩く。すぐに赤い看板の「清龍」の入り口。通りに面している入り口は大きく、ガラス張りなのなので、店の中の様子が見える。さすが土曜日の夜だけあって、たくさんのお客さんが入っているようだ。地下も2階もあって、全席280席という大きな店なのだが、1階は1人客でも気軽に入れる。

 

店の中に入る。ちょうど入り口すぐ右手のレジにいた店長が「いらっしゃいませ。」と元気な声で迎えてくれる。「1人ですけど、空いてますか?」と告げると、「手前の席も空いてますが、奥の方の端の席もちょうど空いたところなので、そちらにされますか?」と答えてくれる。「そうします。」と言って奥の方まで歩いて行く。席に着くと、店長が荷物を入れる籠をサッと用意してくれる。鞄とコートを入れながら、「サッポロラガービール(中瓶580円)をお願いします。」と注文する。


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1階はまっすぐなカウンターのような席が5席ずつ4つ。2つずつ向かい合わせで並んでいる。合計で20席あるので、1人でも安心だ。その奥と左側に5つほどのテーブルもある。その一番奥のカウンターの右端が自分が勧められた席。通路側だから、注文もしやすくて助かる。店長がお通し(200円)とビールを届けてくれる。では、まず、ビールをグラスに注いで、一口・・・美味しい!やけに喉に染み渡る。この1週間、ちょっと疲れ気味だったかもしれないなあ・・・。

 

お通しは、「野沢菜と白菜漬け」を和えたもの。塩気が程よくて、とても美味しい。ビールにもよく合う。店長が来てくれて、「お料理は何をお持ちしましょうか?」とタイミングよく尋ねてくれる。こんなに大勢のお客さんがいるのに、細かく心配りをしてくれる。それがまた週末の疲れを癒してくれる。「湯豆腐(480円)とあんこうの唐揚げ(480円)。それと・・・厚揚げ(330円)をお願いします。」と注文する。

 

IMG_20231202_185935店長は「ありがとうございます。」と言って、一旦奥の厨房に注文を通してから、卓上コンロと取り皿、ポン酢の入った小鉢などを届けてくれる。1人鍋。楽しくなってきた。それにしても、お客さんがひっきりなしに入ってくる。満足そうに会計を済ませて出ていくお客さんと入れ替わるように、どんどんお客さんが入ってくるのだ。1階のカウンター席は年配の方が比較的多いように見えるが、2階や地下に向かう人たちは、若いカップルであったり、女性だけのグループであったり、外国人観光客であったりと多様だ。

 

IMG_20231202_185749自分の左隣のお客さんも年配の方。静かにレモンサワーを召し上がりながらゆったり過ごしていらっしゃる。壁には大きなテレビがあって、歌番組を放送しているのだが、音声は聞こえない。店のお姉さんがコンロの上に鍋を置いて、火を点けてくれる。思ったより大きな鍋だ。豆腐と野菜、きのこ類、マロニーで構成されている。この店の鍋は、他にも「寄せ鍋」「かき鍋」「鴨葱」鍋がある。どれも美味しそうだ。

 

IMG_20231202_190010あんこうの唐揚げが届く。添えられているレモンを搾って、一口・・・この弾力のある歯応え、そして、淡白ながら脂の旨みも感じる味わい・・・美味しいなあー。ビール、ビール。鍋はまだ煮えてきそうにない。でも、それを待ちながら、瓶ビールをゆっくり飲むのもまたいいものだ。左隣のお客さんは、芋焼酎のお湯割りを注文。のんびりマイペース。どんな思いで、飲んでいらっしゃるのか。

 

いよいよ鍋が煮えてくる。ポン酢にもみじおろしとネギを入れて・・・プルプル煮えている豆腐を慎重に箸で掴んで、一口・・・ほー、はふはふ、熱いけど美味しい!これは暖まるなあ。ざっくり切られたネギも甘くて美味しい。マロニーがまた熱々で・・・。うん、シンプルだけど、寒くなったらやっぱり湯豆腐。美味しい、美味しい。暖まりついでに・・・「すみません。金宮焼酎のお湯割り(280円)をお願いします。」と側を通りかかったお姉さんに注文する。

 

IMG_20231202_192202金宮お湯割りが届く。湯気が立って、温かそうだ。一口・・・ちょっと熱いけど、これぐらいじゃないとね。美味しい!鍋はまだまだ残っているので、口の中を火傷しないように、ハフハフ食べる。いやー、いいねー。そこに厚揚げが届く。豆腐的なものが重なっちゃったけど、厚揚げは好物。スーパーで買う厚揚げと違って、表面がカリカリに揚がっているいるのがいい。醤油をかけて、葱をたっぷり添えて、一口・・・本当に表面がカリカリして、そして中身が滑らかで・・・美味い!

 

IMG_20231202_191348学生時代によく行っていた渋谷中央街の居酒屋で、厚揚げを4分の1に切って、それをさらに油で揚げたものを出してくれた。それが、美味しかたのなんの。思い出の味なのだが、厚揚げを食べるとその店を思い出す。いいなー。お湯割り、お湯割り。美味しいなあ。

 

自分の向かいに年配のお客さんがいて、日本酒を冷やで召し上がっておられるのだが、その飲み方が一口、一口、じっくりと、そして味わいながら、という感じで、素晴らしいのだ。そこに、後ろのテーブルのお客さんが1人歩いてきて、「お久しぶりです。」と声をかける。驚いたように見上げて、「ああ、君ですか。元気そうですね。」2人は握手。どうも、大学の先生と教え子の20年ぶりの再会のようだ。大学の街だなあ。こちらまで嬉しくなる。

 

すっかり暖まって、今日はここまで。あとは早く帰ろう。風邪をひかないように。もしひいていたらひどくならないうちに。「ごちそうさま。」と近くにいたお姉さんに声をかけると、店長を呼んでくれる。レジまで歩いて会計を済ませる。

 

外に出る。12月になって、すっかり冬になった。電車が通過する音が聞こえる。穏やかに終わった1日を思いながら、明日は日曜日、久しぶりにゆっくり寝ようかなと思う。


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Posted by hisashi721 at 16:36│Comments(0)