2023年12月24日

暖かい気持ち・・・阿佐ヶ谷「川名」

IMG_20231223_2037001223日(土)。今日で今年の大きな仕事は終わり。もちろん、まだ仕事納めというわけではないのだが、後は事務的な仕事を残すのみ。解放感に満たされる。ただ、帰り際に少し想定外のことがあり、簡単な会議をする。それもあって、職場を出たのは午後7時過ぎ。バス停に向かう途中にある教会は、明日のクリスマス・イブを控えて何となくいつもよりも神聖な感じがする。外は寒い。自分のコートも厚くなり、マフラーもぐるぐる巻きだ。

 

例によって、目黒駅から山手線に乗り、新宿駅で総武線各駅停車に乗り換える。今日は阿佐ヶ谷まで行くつもり。仕事が一段落ついた時は、やはり馴染みの店でのんびりしたい。向かっている「川名」は、ラストオーダーが午後820分。何とか8時には到着したい。阿佐ヶ谷駅に着いた時、時計をチェックすると、もうすぐ8時。小走りで松山通りを北上する

 

松山通りの飲食店は、どこも賑わっていて、時々笑い声なんかも聞こえてくる。土曜日の夜らしい安堵感が、どの店からも感じられる。「川名」に近づいた頃、40代と思われる男性が6人ぐらい歩いてくる。飲み会が終わって、駅までそぞろ歩きをしているようだ。多分、「川名」の奥の座敷で盛り上がっていたのだろうと思う。8時5分、「川名」の前に到着。外の焼き台から店の中を見ると、忙しさが去って、閉店を待つだけといった雰囲気。カウンターには2人。テーブル席に1組、奥の座敷にも何人か残っているようだ。

店の中に入る。エミさんは、奥の座敷にちょうど飲み物を運んでいるところ。マスターは

料理を作っているらしく、下を向いている。「こんばんは。」と声をかけると。「おお、いらっしゃい!」と笑顔で迎えてくれる。コートを脱ぎ、鞄と共に空いているテーブル席の椅子に置く。マスターが厨房から出てきて、「これ、半熟だから。」と言いながら玉子をサービスしてくれる。いきなりなので、恐縮する。「何にする?」「酎ハイで。」

 

IMG_20231223_200420酎ハイが届く。レモンを搾って、ジョッキに注いで、一口・・・ふぃ〜、癒しの味。沁み渡るねー。美味しい!早速、玉子の殻をむく。面白いほど綺麗にむける。半熟といっても、白身の部分はしっかりしているので食べやすい。では、一口・・・美味しい玉子だなあー。かつては「生玉子」というメニューがあって、マスターが美味しいと太鼓判を押している玉子を出してくれた。玉子も高くなったからなあ。ありがたい。酎ハイ、酎ハイ!

 

IMG_20231223_200756「決まった?」マスターが声をかけてくれる。ホワイトボードのメニューに「鰻肝焼き」と書いてある。これこれ。「まず、鰻肝焼き(176円)を2本。それから、白もつ(154円)を塩で2本。後、白菜漬け(198円)をお願いします。」「ありがとうございます。」・・・マスターはすぐに白菜漬けを届けてくれる。一口・・・塩気が効いていて、好みの味。美味しい!歯応えもよく、しんなりしているのではなく、シャキッと漬物だ。カウンターの2人お客さんたちはテレビを眺めながら、ゆったり飲んでいる。テーブル席のご夫婦は楽しそうに会話している。奥の座敷からは笑い声が聞こえる。いいなあー。見慣れた店を見回しながら酎ハイを飲む。

 

IMG_20231223_201243「鰻肝焼き」と「白もつ」が届く。来た、来た。まずは鰻肝焼きから、一口・・・タレが濃い・・・タレの甘みの中に肝の苦味がスッと出てきて・・・で、独特の風味・・・ねっとりとした部分とコリッとした部分の調和もいい。美味しいなあ。酎ハイ、酎ハイ!では、白もつも・・・一口・・・塩焼きでカリっと焼いてもらうのが好み・・・うん!申し分ない。脂も程よく落ちて、さっぱりと食べることができる。うんめー。

 

奥の座敷の客が帰る。「ごちそうさまでしたー。」と元気な声をマスターにかけて店を出て行く。店が静かになる。すると、テーブルのご夫婦も席を立つ。レジで会計を済ませながら「これ、熊本のお土産です。」とお菓子をマスターに渡している。「ありがとうございます。いただきます。」とマスター。やっぱりこの店、愛されてるなあ。カウンターの真ん中の席の男性も席を立つ。「ごちそうさま。スマホの電池がなくなったので、今日はPayPayじゃなくて、現金で。」「ありがとうございます。」「マスター、またね。」・・・店に残るのは2人のみ。

 

エミさんが、もう一人のカウンターのお客さんに「ラストオーダーです。どうします?」と問う。「うーん、・・・いいかな。」「料理は?」「それもいいです。」・・・で、次は自分。「酎ハイ、おかわり、お願いします。」と注文する。エミさんがすぐに酎ハイを持ってきてくれる。「料理はどうします?」・・・もっと食べたい気もするが、これから作ってもらうのも申し訳ない・・・「これで今日は終わりかな。」「いいの?」「はい。」

 

IMG_20231223_2023552杯目の酎ハイを飲みながら、白菜漬けの残りを食べる。マスターが、「これ食べて。」といって何かを置いて、さっと去っていく。ん?あれ!ハーゲンダッツのカップじゃん!。「マスター、いいんですか?」「まだ、溶けてなくて、かたいから。ゆっくりして行って。」「ありがとうございます。」・・・198円の白菜漬けを食べている自分に、高級アイスをサービスしてくれるとは。儲けがなくなっちゃうよ。

 

かたいアイスをサービスして、溶けるまでゆっくりしてと、嬉しい心配り。マスターの言葉に甘えて、ゆっくり飲ませてもらう。そして、程よくアイスが食べ頃になったところで、いただくことに。おお、ラムレーズンか・・・好きなんだよな・・・上品な甘みが口の中に広がっていく。一年の疲れが溶けて行くようだ・・・美味しいなあ。身体が喜んでるよー。

 

酎ハイも飲み終えて、今日はここまで。「マスター、ごちそうさま。」席を立つ。レジはエミさん。「今日は忙しかったんでしょう。顔に書いてありますよ。」と話しかけると。「まあね。」との答え。マスターが横で笑っている。「明日はもっと大変なんじゃないですか?」「そうね。」2人が笑う。「じゃあ、また。」「ありがとうございました。お気をつけて。」2人が深々と頭を下げて送ってくれる。

 

外に出る。いつの間にか正面のシャッターは下ろしてある。やっぱり、今日来てよかったな。一区切りできた。バス停に向かって歩き始める。「川名」がここにあるから、自分も頑張れる。そんな暖かい気持ちになっている。

 

東京都杉並区阿佐谷北3丁目1120

03-3339-3079


Posted by hisashi721 at 15:55│Comments(0)