寄り道Blog

1月３日（水）。朝、AmazonでKindle本を2冊買い、9時ごろ家を出て、新宿のカフェに来た。地下のカフェは席数も多いのだが、お客は５組くらい。正月らしく、みなさんのんびりコーヒーを飲んでいらっしゃる。静かでいいなあー、と思いきや、スーツ姿の若い女性が

（ちょっと怪しげな？）営業をしていたりする。ちょっと気の弱そうな男性客が入ってくると、「あっ、ここですぅ。こんにちは。ここわかりました？そうですか。よかったー。お正月はどうしてましたぁ？そうですよね、のんびりするのが一番ですよぉ。初詣は？混んでますもんねー。お節料理なんかは？１人じゃあねー。私も同じですもん。」などとスラスラと話しかけて、自分のペースに巻き込んでいる。自分は、ノイズキャンセリングのイヤホンを耳に突っ込んで、ipadminiを出して読み始める。

1冊目は読みやすくて、どんどん進むのであるが、どうも内容が薄いようで、物足りなく感じてしまう。読み終えて、コーヒーをおかわりして2冊目に。今度は翻訳本なのだが、表現が回りくどくて、読みにくいことこの上ない。集中力が途切れてしまう。時計を見ると、もう入店してから90分くらい経っている。箱根駅伝の経過をスマホでチェックしたり、YouTubeを眺めたり、ダラダラしてしまう。

そうこうするうちに、お昼を過ぎる。2冊読み終えるのが目標だったが、断念して席を立つ。階段を登って地上に出ると、あれっ、寒いなあ。予報だと午後は少し暖かくなるということだったが・・・。散歩がてら、花園神社に向かって歩いてみようと思う。それにしても人が多いなあ。大ガードから東口側に出てみると、もうすでに前に進めないほどだ。地下に降りて、サブナードを歩く。こちらも人通りが多いなあ。飲食店はどの店も入店待ちの行列。喧嘩しているご夫婦もいる。「んもう・・・何、さっきから何！・・・わかった！行きたいところ、はっきり店名を言ってちょうだい！そうしたらどこでもついていくから。」「んー、店名はねえ・・・。」「だって、目的があって出てきたんでしょ。はっきり店名を言って！店名！」・・・ひえー、怖っ！

そういえば、この辺りに昼間からやってる居酒屋があったよな、と思いつく。サブナードを歩いていると、ちょっと奥まったところに店があって、ここの飲食店街の一つに見えるのだが、地上にも入り口があって、歌舞伎町のドンキホーテの向かいのビルの地下に当たる位置にある。なので、そこからだと階段を降りると店があるという感じになる。自分は今サブナードを歩いているので、この辺りだったよなと少し歩く。・・・あった。店名は「トラノコ」だ。

スマホでブログを調べてみると、この店に来たのは2009年の12月だった。14、5年ぶりということになる。記憶では、店員さんが元気な気持ちのいい店という感じだった。佇まいは変わっていないように感じる。時間は13時30分過ぎ。入り口すぐのカウンターには人がいないように見えるが・・・。

戸を開ける。入り口すぐから奥にカウンターが6席。確かに誰もいない。入り口右からテーブル席が奥に向かって並んでいて、カウンターが途切れたところから奥は広いテーブル席のフロアになっている。テーブルには６組くらい。全体の席数からすると割くらいの入りだろうか。カウンター奥から、年配の男性店員さんが顔を出す。すぐに「お一人様、どうぞカウンターに！」と迎えてくれる。奥から2番目の席に座ると、改めて「いらっしゃいませ。」とおしぼりを出してくれる。すぐに「生ビール（中450円）をお願いします。」と注文する。

「カウンターさん、生ビールね。すぐに出して差し上げて。生ビール。そう、カウンター。早くして。そうカウンターさん。」こんなに念を押してもらうと恐縮してしまう。口調からすると、どうやらこの店のマスターのようだ。しばらくすると、外国人の女性店員さんが「お通し（無料。ただしテーブルチャージ400円）です。」と言って、キャベツの上に塩昆布がのせたものを置いていく。壁の貼り紙には「お通し、おかわり自由」とある。へー。

しばらくして、メガネをかけた男性店員さんが生ビールのジョッキを届けてくれる。では、一口・・・よく冷えてる・・・いい喉越し・・・正月の昼飲みという贅沢な味がする・・ような気がする。美味しい！では、せっかくだからキャベツをいただきますか。テーブルの上には「キャベツうまみそ」と「キャベツうまたれ」という２種類のボトルが置いてある。味噌は苦手なので「たれ」の方を選んで、キャベツの上に少しだけかける。で、一口・・・んーシャキシャキ・・・タレはさっぱりしていていい。それに塩昆布がまたいい味出してる・・・美味しいなあ。ビール、ビール。

マスターが後ろを通りかかったので、「すみません。注文いいですか？」と声をかける。「どうぞ。」思わず声をかけたものの、まだ、注文するものを決めてなかった。テーブルの上のメニューを取り上げて、最初に目についた「焼き鳥盛り合わせ（640円）を塩でお願いします。」「焼き鳥の方ですね。」メニューを見ると、なるほど、「焼きもつ盛り合わせ」というのもあるのか。「ええ、焼き鳥の方で。それから、んーと。たこぶつ（499円）もお願いします。」と注文する。「たこぶつ」とは自分でも地味なものを選んだものだと思う。咄嗟に選んだものに隠された自分の好みが出る・・・のかなあ。

前に来た時はものすごい数のメニューがあったような気がする。今も数は多いのだが、内容は変わったのだろうか。前と同じかなあ・・・。ブログをチェックすると、前来た時の注文は「冷奴とイカリング」・・・ぷっ、なんだろ、このチョイス。笑える。二つとも今のメニューにあることを確認して、なぜか安堵する。

マスターの檄が飛ぶ。「はい、できた料理は、すぐにテーブルまでお届けして！できるだけお待たせしないようにね。ほら、この皿、運んで。すぐにね。」すると外国人の女性店員さんが、「はい！私、すぐに運びます！」と大きな声で応える。元気の良さは変わってないなあ。気持ちのいい店である。メガネの店員さんが「焼き鳥盛り合わせ、お待たせしました。」と届けてくれる。「もも、皮、砂肝、ぼんじり、つくね。」の5本セット。十分だ。では、焦げ目がついて香ばしそうなつくねから、一口・・・うん！これはいい。一口大のちょうどいい団子状。味わい深い。次は砂肝・・・塩気がもう少し欲しい気がするが、コリコリ感はいいなあ。ビール、ビール。

マスターが「たこぶつ、お待たせしました。」と届けてくれる。あれっ、少なくないか・・・4切れくらいしかないぞ。まあ、正月で河岸もやってないだろうし、たこも高級品になったというし・・・では、一口・・・いやー、たこぶつにしてよかったー。うまいなあ。何んとも言えない歯応えと、ほのかに甘くて独特の味わい。やっぱり、結構たこ好きなんだな、自分。ビール、ビール。

では、次の飲み物を・・・なんと言っても壁の貼り紙の「ハイボール150円」が目立つよなあ。とはいえ、角ハイボールが240円なので、こちらにしようかなと思ったが・・・おお、ハイボールのダブル270円というのがあるじゃないか。薄いのは嫌なので、こちらにしよう。「すみません。ハイボールのダブルをお願いします。」と外個人のお姉さんに注文する。「はい、ハイボール！ダブルぅ！」と元気よく答えてくれる。

ハイボールのダブルが届く。どれどれ、一口・・・濃っ！グビグビとは決して飲めないレベルの濃さ。いいねー。これで、「大切なたこ」を一切れ・・・うん、うん、美味しい。濃いハイボールを喜んで飲んでいると、戸が開いて、一人客が入ってきた模様。そっちをいちいち見ていないので、どんな客かは分からない。自分の席から一つおいた席に座る。店員さんが、「いらっしゃいませ。」とおしぼりを届けると、「ハイボール」と一言。その声は若い女性。つい、チラッと見てしまう。えー、20代の女性じゃないですか。休日のラフな服装。この時間からハイボールとは渋いなあ。

ハイボールが濃いので、これを２杯飲んでしまうと、ちょっと、飲み過ぎ。なので、次は・・・メガネのお兄さんに「ハイボールの普通のをお願いします。」と注文する。ハイボールはすぐに届く。一口・・・適度な濃さ。美味しい。左隣のお姉さんはハイボールを飲むペースがとても早い。キャベツを黙々と食べながら、ハイボールをおかわりしていく。こういう飲み方があったか・・・。

ハイボールを飲み終えて、今日はここまで。席の札を持ってレジに行く。レジはメガネのお兄さん。「今年、初めてですよね。また、今年もよろしくお願いします。」と頭を下げてくれる。「こちらこそ、よろしくお願いします。」と答えながら、ん、誰かと勘違いしてる？と思ったりする。でも、こう言われると、今年はちょっと通ってみようかな、という気になる。やっぱり気持ちのいい店だったなあ。

外に出る。といっても地下街。相変わらず人通りはものすごい。駅はすぐそば。人の波を縫って歩きながら、少しいい気持ちになった自分を感じる。これって何だか正月っぽいよな、と楽しくなる。

東京都新宿区歌舞伎町１丁目１７−１３ 新宿ピックペックビルB2F

03-3208-6209