2024年02月12日

解放感・・・阿佐ヶ谷「川名」

IMG_20231029_194350今日(11日)は祝日で日曜日。2月に入って、様々なイベントがあり、勤務もいつもと違い変則的になっている。というわけで、今日も出勤。朝7時に職場に入った。昨日までに準備は済ませておいたものの、今日のイベントは自分に大きな責任がかかっているので、プレッシャーが半端ない。とにかく、今日もやるべきことをきちんとやるだけと、自分に言い聞かせる。

 

昨日は、準備をしっかりとし、慎重にチェックをして、納得した上で、午後4時に職場を出た。軽く飲んで、気分を盛り上げておこうと、1ヶ月前にボトルまで置いてしまった有楽町交通会館地下の「平戸こんね」に行くことにする。午後5時に夜の部は開店ということで、ちょうど準備中の札が営業中に変わる時間に入ることができた。カウンターのレジ前に座り、ジャガイモ焼酎をオンザロックでもらい、平戸直送の刺身盛り合わせと、皮付きのポテトフライをつまみに飲み始めた。隣に年配のご夫婦が座られて、奥様の方が話し好きな方だったので、楽しく時間を過ごすことができた。それで、気持ちよく帰り、次の日のことなど忘れて熟睡できた。だが、今日、職場に着くと流石にプレッシャーが襲ってきたというわけだ。

 

なんとか無事に時間は過ぎていき、午後6時に全てが終わる。暗雲が晴れて、太陽の眩しい光を浴びた時のような解放感に満たされる。もう何もする気になれず、早々に職場を出る。

この気持ちをどこかでしみじみ味わいながら飲みたいという気になる。昨日のことがあったので、やはり同じく先月ボトルを置いてしまった幡ヶ谷の「文泉」に行こうかなと思ったが、日曜日はお休み。じゃあ、阿佐ヶ谷の「バルト」はどうかなとお店のSNSを見ると、午後730分まで貸切とのこと。

 

バスと電車を乗り継いで「阿佐ヶ谷」駅に降り立つ。やっぱりこういう日は「川名」に行きたい。最初にこの店を今日の寄り道候補にしなかったのは、日曜日の午後7時の賑わいを知っているから。座敷とテーブル、カウンターが全て満席となり、マスターが大忙しで走り回る光景を何度も見ている。多分、今夜もそうなっているだろうと予想しながら、もしかしたらテーブルの相席とかなら入れるかもしれないと期待して来たのだ。

 

IMG_20240211_191734北口ロータリーを渡り、パサージュを抜けて、松山通りに入る。日曜日が定休日の店が多いらしくいつもと違った雰囲気だ。なんだか静かだなあ。徳島出身の元教員のマスターの店「うちんく」は満席状態。この店は3冷式のホッピーが飲める。そこを通り過ぎて、さらに歩き、世界第3位のジェラート専門店「シンチェリータ」を右に見ながら通り過ぎると、左手に「川名」が見えてくる。入ることはできるだろうか・・・。


IMG_20240211_192345戸を開けると、レジ前にカップルが立っている。感情をPayPayで済ましているところ。店の奥の座敷には何組か客が入っている模様。3つあるテーブル席は2つがそれぞれカップルで埋まっている。もう一つは今レジ前にいる2人が座っていたようだ。そして6つあるカウンター席は・・・なんと、誰もいない。マスターが自分に気づいて「いらっしゃい。」と迎えてくれる。顔に疲れが見え、これまでの時間の凄まじさを感じさせる。ちょうどお客さんが入れ替わる時間帯に当たったらしい。喜び勇んで、カウンターの一番奥テレビ下の席に向かう。

 

コートを脱いで鞄と共に座敷前のビールケースの上に置く。これはもう習慣になっているので、ついそこに荷物を置いてしまう。座敷には2組。若い女性が多い印象。カウンターに戻るとエミさんがもうお通し(無料、みかん)を置いて待っていてくれる。「生レモン(酎ハイ440円)をお願いします。」と慌てて注文する。椅子に座るともう家にいるのと同じ。朝の自分が嘘のように深くリラックスする。

 

IMG_20240211_192246すぐに生レモン酎ハイが届く。ここで料理を注文。「カレイ炭火焼き(220円)、白菜漬け(176円)、それから栃尾油揚げ焼き(220円)をお願いします。」とホワイトボードの「今日のおすすめ」を見ながら注文する。それにしても相変わらず安いなあ。さて、レモンをぐりぐりと絞って、ジョッキの酎ハイに注ぎ、一口・・・くぅー、濃い・・・生レモンの酸味がいいねー・・・今日を無事終えることができて本当によかったねー、自分。美味しい!冷たい酎ハイが喉を心地よく流れていく。

 

IMG_20240211_192313すぐに白菜漬けが届く。山盛りだ。では、一口・・・この塩気がいいんだよな。鷹の爪のピリ辛もいいアクセントになっている。そしてシャキシャキの歯応えの良さ。いいねー。美味しい!酎ハイ、酎ハイ。これだけで何杯も飲めそうだ。カウンターにはすぐに2人の客が入って来て座る。時計を見ると午後720分。820分ラストオーダーだから、この時間に入ってくる人たちで今日は終わりなのだろう。

 

IMG_20240212_115847栃尾油揚げ焼きが届く。たっぷりのネギとおろし生姜が添えてある。ネギを油揚げに乗せて、生姜醤油を少しつけて、一口・・・んめー、ネギが効いている・・・油揚げが炭火でカリカリに焼けていて香ばしいことこの上ない。分厚いので食べ応えも十分すぎる。美味しいなー。酎ハイ、酎ハイ。素晴らしい。喉も乾いていたのでグイグイ飲んでしまう。「すみません。生レモン、おかわりお願いします。」気分がいい。つまみも美味しい。最高!

 

空いていたテーブル席に、またカップルが入って来て座る。この店はカップル客が多いなーと思う。でも、カウンター席は一人客が基本なので、あまり気にならない。店によってはカウンターにもカップルがずらりと座って、一人客は自分だけという状況になることもあり、なんとなく窮屈な思いをすることもあるのだが。

 

IMG_20240211_193718カレイ炭火焼きが届く。おお、立派なかれいだ。これで220円は申し訳ない。では醤油をかけて、一口・・・肉厚なカレイだなあ・・・いやー、やっぱり炭火で焼いた魚は身の柔らかさとか、味のふくよかさとかが全然違うなー。本来淡白な味のカレイだが、これは本当に味わい深くて美味しい。いいねー。酎ハイ、酎ハイ。うめー。たまらん。

 



IMG_20240211_195017「どうぞ、召し上がってください。」と不意にマスターの声。えっ、皿に盛られたフルーツ。いちご、キュウイ、パイナップル、バナナ。「マスター、サービスしすぎですよ。申し訳ないです。」「いえいえ、どうぞどうぞ。」「じゃあ、ありがたくいただきますね。」・・・健康に気を使うマスターはフルーツをお客さんに出してくれる。なぜか酎ハイに合う。不思議だ。

 

新しく入ってきたカップルがエミさんに「おすすめは何ですか?」と尋ねている。「刺身盛り合わせですね。おすすめですよ。」・・・そう、今日の刺身盛り合わせは550円。自分も後で注文しようと思っていたのだ。しかも、エミさんが特におすすめですよというとは。絶対、美味しいはず。「マスター、刺身盛り合わせです。」とエミさん。マスターがそれを受けて「はい。これで刺身は終わりです。」と言いながらホワイトボードの「刺身盛り合わせ」という文字を消す。あっちゃー。

 

ここで酎ハイおかわり。では、あと一品を。刺身は終わったけど・・・「ホワイトハム(352円)をお願いします。」と注文する。どんなハムなんだろう。届いた3杯目の酎ハイを飲みながら、期待して待つ。8時近くなってきて、奥の座敷の一組が「ごちそうさま」と言いながら出てくる。自分の後ろのテーブル席のカップルも席を立つ。この時間の川名もいいのだ。あんなに賑やかだったのに、次第にお客さんが帰って店が静かになっていく雰囲気。いいよなー。

 

IMG_20240211_200712ホワイトハムが届く。すごい量だ。これを352円で出していいのかと思う。大きなハムの塊を分厚く削ぎ落として、それをこれでもかと盛り上げてある。では、一口・・・こんなに分厚いハムを食べるのも久しぶりだ・・・わー、塩加減が絶妙だなあ・・・豪快に食べるハムって美味しいよなあー。美味い!ハム大好き!酎ハイ、酎ハイ。酎ハイが足りないよー。もう、食べては、飲み、食べては、飲む。また、マスターの声。「これ、蒸しパンだけど、美味しいですよ。召し上がってください。」・・・うわー。

 

IMG_20240211_200725飲み終え、食べ終えて、今日はここまで。今日もいい時間を過ごさせてもらった。満足し、感謝しながら席を立つ。コートを着て、鞄を肩にかけ、レジに向かう。マスターに「サービスしすぎですよ。でも全部美味しかったです。」と話しかける。「ありがとうございます。皆さんに喜んでいただけたら、嬉しいですから。」「ホワイトハム、美味しかったですよ。すごい量で恐縮しました。」「美味しかったでしょう。2キロの塊を仕入れましたから。」・・・

 

外に出る。風が冷たい。この時間時なって冷え込んできたようだ。阿佐ヶ谷北6丁目のバス停に向かう。通りは静かだ。緊張があったから解放感を楽しめる。それはわかっているけど、できればもっとのんびり仕事ができればとも思う。贅沢言うなよ、と北風が笑っているようだった。

 

東京都杉並区阿佐谷北3丁目11−20

03-3339-3079


Posted by hisashi721 at 12:38│Comments(0)