2024年03月07日

住宅街に佇むいいお店・・・西原(幡ヶ谷)「浜屋本店」

IMG_20240306_191007月初めのストレスの溜まる仕事が一段落つき、それはまた数週間後にやってくるのだが、とにかく今はホッとする期間。午後5時には職場を出る。3月ももう6日なのに、今日は凍える寒さ。ただ、風がないのが救いだ。時間も早いので、気になっている店に行ってみようかなと思う。

 

バスで目黒駅、山手線で新宿駅といういつものルートを辿る。新宿駅では京王口を出て、京王モールを歩き、京王新線の改札に入る。長いエスカレーターを降り、さらに階段を降りる。ホームに出ると、ちょうど急行「橋本」行きが入線してくる。混み合ってはいるが、「立錐の余地もない」というほどでもない。発車すると2つ目の駅が幡ヶ谷。あっという間に到着する。

 

南口に出ると、甲州街道に行き交う車の音が急に響いてくる。商店街を西原方面に歩く。ちょうどいい街。人通りも賑やか過ぎず、寂しすぎず。おしゃれな店もポツポツと見受けられ、緑道には犬の散歩をしている人々。さすが渋谷区、と言いたくなる。緑道の桜並木はまだ蕾も固いが、あと数週間で華やかに咲き誇るのだろう。そして、その下には1月に伺った「文泉」という愛すべき店が見える。この店には桜の季節に必ず再訪するとして、今日はさらに南に向かう。

 

商店街が住宅街に変わるあたりに、今日目指す店がある。気にはなっていたが、場所を間違えて記憶していたため、以前来た時に見つけることができなかった。改めて調べてみると、ああ、ここだったかと思い違いに気づいた。駅からは思っていた以上に離れていた。住宅街に佇む人気店。営業時間は13時から21時まで。豊洲市場から仕入れる魚料理が自慢。だが、その他の料理も全て美味しくて、しかもリーズナブル。どの時間もお客さんで賑わっている・・・自分の理解しているこの店の特徴だ。店の名は「浜屋本店」。


IMG_20240306_185013暖簾をかき分けて、戸を開ける。入り口から奥にかけて12席ほどのカウンターが伸びている。カウンターの上には大きなネタケース。カウンターの奥にテーブル席が一つ。右に入ると大きなスペースが広がっていて、さらにテーブルが10卓くらいある。カウンター席には手前に男女の2人組、その奥にスーツ姿のサラリーマン2人組。その奥は空いている。テーブル席は予約席を含めて大体埋まっているようだ。カウンターの中には2人、ホール係が1人。3人とも男性。カウンターの中の店員さんが自分を見る。「1人です。」と告げると、「お1人でしたら、カウンターの空いているところにどうぞ。」と答えてくれる。サラリーマン2人組から一つおいた席に決めて、コートを脱いで、後ろのハンガーにかける。

 

ホール係の男性店員さんが、おしぼりを持って来てくれる。「生ビール(490円)をお願いします。」と注文する。「生ですね。ありがとうございます。」と答えて店員さんはカウンターの中に去る。派手さはないが、何となくおしゃれな感じがする。特にテーブル席の方は若い女性客も多く、都会的な雰囲気だ。カウンターの上のネタケースが大きいので、店員さんと気軽に話ができるという感じではない。もっとも、ものすごく忙しそうなので、そんな暇は少なくても今はなさそうだ。

 

IMG_20240306_180808生ビールが届く。値段が安いので、もっと小さなジョッキを予想していたが、普通の中生の大きさ。では、一口・・・冷えてるー、喉を通っていくスッキリ感が、スパードライなんだなと思わせる。うんめー。最高。では、メニューを・・・刺身は、ミナミマグロ、カンパチ、キンメダイ、モンゴウイカ、イワシ、水ダコ、真鯛、カツオ・・・いいねー。貝類も、牡蠣、ホッキ貝、ハマグリ・・・。良い、良い。牡蠣を食べようかな。それから、その他の料理も・・・揚げ物、焼き物、サラダ、一品料理・・・揃ってるなあ。迷うぞ・・・ん?まぐろのホホ焼き!うまそー。カウンターの中のお兄さんに「すみません。牡蠣酢(590円)とまぐろのホホ焼き(490円)をお願いします。」と注文する。

予約のお客さんが次々と入ってくる。カウンターにもカップルが1組奥の席に案内される。男性の1人客が入ってくる。カウンターも予約席になっているようだ。「もしかしたら、移動していただくことになるかもしれませんが、よかったら、その席にどうぞ。」と案内されている。「もちろんです。どこにでも移動しますよ。」とそのお客さんが答えて、ホッとしたように指示された席に座る。わかるなー。せっかく来てくれたお客さんに、なんとか席を提供しようとするお店の姿勢もいい!

 

IMG_20240306_181330「牡蠣酢です。どうぞ。」と、カウンターのネタケースの隙間からお兄さんが届けてくれる。大きな牡蠣が二つ。美味そー。では、一口・・・プリッとしている。食べ応え十分・・・牡蠣の旨味がすごい・・・んめー・・・それに酢が美味い。一個食べるだけでこの店の凄さがわかる。ビール、ビール。はぁ〜、美味かった。

 


IMG_20240306_182254「まぐろのホホ焼きです。」「どうも。」・・・まぐろの美味いところだな。大きな塊肉が6つ。では、早速、一口・・・おお、味が濃い!・・・そしてジューシー、思ったよりずっと柔らかい・・・口の中にまぐろの旨味が広がる。脂も十分で、焼き魚のパサパサ感など微塵もない。焼肉の美味しいものを食べているようだ。美味しいなー。ビール、ビール!

 


IMG_20240306_182107次の飲み物は・・・日本酒が揃っているなー、焼酎も種類も多い。ワインに梅酒にウイスキー、サワー類・・・どうしよう。あえてここは・・・「すみません。白ホッピーセット(490円)お願いします。」と注文する。「白でーす。」とカウンターの中のお兄さんからホール係のお兄さんに注文が伝えられる。程なく、白ホッピーセットが届く。焼酎が入ったジョッキにホッピーを注ぐ。ホッピーは3分に2ほど瓶に残る。2杯では終わらないな。では、一口・・・いつもながら爽やかな味が口の中に広がり、程よい炭酸の感覚が喉を通っていく。いいねー。

 

メニューの中にじゃがいも料理が多いのに気づく。特に隣の一人客が食べている、「ポテトフライ塩辛のせ」が美味しそうだ。じゃあ、自分は・・・「すみません。ポテトサラダ(390円)をお願いします。」と注文する。カウンターの空席はあと2つになっている。どちらにも予約席の札が置かれている。2人客が入ってきたら移動ということになるのかもしれない。

 

ポテトサラダが届く。おお!これはまるでクリームのようじゃないか。どんな味がするのだろうかと興味がそそられる。では、一口・・・ねっとり感がすごい・・・うわー、なんだろうこの芋の味の濃さ、それに負けないマヨネーズだけじゃない味付け・・・甘いわけじゃない・・・芋の味を引き立てるこの風味・・・素晴らしい!うめー、ホッピー、ホッピー!「すみません。中(焼酎250円)をお願いします。」

 

IMG_20240306_182130もう一品何かを食べようかな。どれも驚くほど美味しい。おすすめは・・・まぐろの竜田揚げ・・・まぐろ美味しかったし・・・「すみません。まぐろの竜田揚げ(450円)お願いします。」・・・この店、昼はどんな感じなんだろうか。13時開店ということは、ランチ客相手というわけでもないのだろう。それだったら11時とか12時開店にするだろうから。もちろん海鮮丼など美味しそうな食事メニューは揃っているのだが。この閑静な住宅街で「昼飲み」。いい感じ。

 

IMG_20240306_182254「まぐろの竜田揚げ」が届く。綺麗なきつね色。もっと白っぽいものを予想していたので、これもまた意外。でも、本当に美味しそうだ。一口・・・油とまぐろの相性、最高!鶏の唐揚げのくどさや、油っぽさがなく、軽い食べ応えで、いくらでも食べられる感じ。いいねー。「すみません。中おかわりお願いします。」・・・じっくり味あわなければ・・・。

 

しっかり食べて、飲んで、今日はここまで。「ごちそうさま。」「ありがとうございます。」会計を済ませて、席を立つ。コートを着て、鞄を持ち、改めて「ごちそうさま。」とカウンターの中のお兄さんに声をかける。店員さんがみんな作業を止めて、笑顔で「ありがとうございました。」と送ってくれる。

 

外に出る。冷えた空気が心地よく感じる。駅に向かって歩き始める。ひっそりした住宅街から、駅に近づくにつれて人通りが多くなる。明後日はまた雪の予想。しかし、そのあとは一気に春めいて、陽が舞い踊る季節に移っていくのだろう。

 

東京都渋谷区西原2丁目26−1 TMビル

03-5738-7255


Posted by hisashi721 at 13:31│Comments(0)