6月最初の月曜日(3日)。今日は自宅勤務ということで、早起きしてパソコンで作業をする。3時間ほどして、気分を変えるために新宿へ。西口のカフェに入り、コーヒーを飲みながら作業を続ける。お昼過ぎにその作業を終えて、カフェを出る。会計の時にブレンドコーヒーが800円に値上がりしていたのを知る。
外に出て、電話を何件か掛けて、今日の仕事は終わり。後はのんびり過ごすことにする。まず、コクーンビルの書店に入り、新刊書をチェック。2冊の本を購入する。そうこうしているうちに時間は過ぎて、そろそろ午後1時40分。昼食はどうしよかなと考えを巡らす。そして、阿佐ヶ谷に向かうことにし、駅に戻り、中央線特別快速電車に乗る。
途中、高円寺駅で停車中に、駅前ロータリーの向こうにある焼き鳥屋「大将」が開店しているのが見える。午後2時。早くもお客さんが外のテーブル席に座り、駅前の風景をつまみにビールを飲み始めている。この手があったか、と今更ながらに思うが、電車のドアは閉まり、次の駅の阿佐ヶ谷に向かって出発してしまう阿佐ヶ谷駅到着。南口に出て、荻窪方向に歩く。飲食店が続いているが、ランチ営業の店はそろそろ営業が終了し、飲み屋はまだ開いていない。少し歩いて、文化学園大学附属高校に向かう道を辿ると、程なくパンの箱が積み上げられている店が見えてくる。古びた佇まいではあるが、人気のサンドイッチ店「サンドーレ」だ。
つい最近、この店に来たときはもう閉店していたので、今日はどうかなと思っていたが、まだ商品が残っていて、ショーケースに並んでいる。しかし、店のご主人がいない。あれ?・・・仕方がないのでしばらく待つことにする。すると奥の扉が開いて、ご主人が姿を現す。「ああ、ちょっと用があったんでね。」と言って人懐っこい笑顔で迎えてくれる。
「えーと、エビグラタンとミックス、それにフルーツをお願いします。」と注文する。「これ、1人で食べるの?」「まあ・・・。」「食べられるかなあ、ウチのは量が多いから。」「なかなか売り切れとかで買えないから、まあ買える時に。食べますよ。」「早く食べてよ。今日は暑いから。そうだ、保冷剤入れてって。冷蔵庫に入っているから。」入り口横の冷蔵庫に入っている保冷剤を取り出す。「2つか3つ入れた方がいいよ。家はどこら辺?」「鷺ノ宮です。」「じゃあ、3つだ。」
「540円です。」ご主人が暗算で会計金額を告げる。安っ!「3つでですか?」と思わず問う。確かに1つ1つが大きくて、1つで昼食には十分という感じなのに。「3つだよね。最近、目が悪くなって、時々間違えるけど。」と笑う。会計を済ませて、サンドイッチが入ったレジ袋を受け取り、保冷剤を3個乗せる。「目が悪いと言えば、最近階段が怖くてね。」「特に下りは気をつけた方がいいですよ。」「下りは怖いねー。上りは健康にいいし、怖くないから歩くけど、最近はもっぱらエスカレーターだね。」「ああ、その方がいいですね。」「でも後楽園の駅はエスカレーターがないからね。この前なんか、お年寄りが手すりに掴まって、それこそ一歩一歩ゆっくり降りてたよ。」
「じゃあ、これで。」「今日は3時には閉めたいんだよね。」「そうなんですか。」「明日のパンを切りたいんだよ。」「大量ですもんね。」「そう、だからね3時。」「後、40分くらいですね。お客さんたち、閉まってたらガッカリですよね。」「まあ、安いから、こんなに売れるのかな。」「いやいや、美味しいからでしょ。」「まあ、他所で2個の値段で3個は買えるからねえ。」・・・話が終わらない。外で待ってる人もいるのに・・・。
「待ってるお客さんがいるので、これで。」「フルーツは特に早く食べてよ。1人で全部食べるの大変だよ、やっぱり・・・。」「大丈夫です。本当にこの辺で。また来ます。」待ってたお客さんに会釈して、店を出る。それにしても、人懐っこいというか、楽しいというか、いい人だなあ・・・。
で、ご主人には「早く」と言われたが、さっき見た高円寺の光景が頭から離れない自分は、駅に戻ってきたが、そのまま通り過ぎて、パール商店街の横の道に入る。やっぱりビールが飲みたいよな。ちょっと汗ばむ陽気だし、朝6時から頑張ったんだもんね。「アカマル屋」は午後2時開店のはず。少しだけ寄って帰ろう。
アカマル屋は駅からすぐの場所にある。戸を開けて店の中に入る。黒いTシャツのお兄さんが「いらっしゃいませ。」と迎えてくれる。「1人です。」と告げると、「カウンターにどうぞ。」との答え。先客は8席あるカウンターに3人。一番奥に年配のご夫婦。一番手前にスーツ姿の恰幅の良い50代くらいの男性1人客。その男性客から一席開けて入り口から3番目の席に座る。
「お飲み物は?」「サッポロラガービール(590円)」をお願いします。」・・・広い店内はがらんとしている。店員さんは2人。のんびりとした平日の昼下がりだ。いい感じ。ドアと窓を通して、前の道を行き交う人々が見える。サッポロラガービールが届く。グラスに注いで、一口・・・んめー。冷えたビールが本当に美味しい。すぐにもう一杯注いで飲む。たまらん!
さて、おつまみは・・・サンドイッチを買ったのでここは軽めに。お刺身、おでん、もつ焼き、もつ煮とここのま名物は多いのだが・・・。隣の男性客が食べている「赤ウインナー焼き」が目に入る。うまそー。食べてみようかな。注文しようと顔を上げると、お兄さんと目が合う。「お決まりですか?」「赤ウインナー焼き(330円)、それから・・・紅生姜フライ(330円)をお願いします。」と注文する。赤が重なってしまった。
それにしても、早いものでもう6月。ここ何日かは夕方ゲリラ豪雨が降ってきたりして、季節の移り変わりを感じる。赤ウインナーと紅生姜フライが同じ皿に入れられて届く。ケチャップと辛子、マヨネーズが添えてある。先ずは紅生姜フライから。薄くスライスされた紅生姜のフライだ。細切りの紅生姜のかき揚げとは違う。串揚げ風だな。一口・・・うん!生姜の酸味や辛味がガツンとくる。それに油の甘みが加わって、なんとも飽きない味になっている。美味しいなー。ビール、ビール。
次に、赤ウインナーを一口・・・ケチャップをたっぷりつけて・・・おお、独特の味。なんというのか、シャウエッセンみたいなのとはまるで違う。高校生のお弁当の味というか・・・。隣の男性客が梅干しサワーを注文する。南高梅が入った酎ハイだ。なんかさっぱりしてそうだなあ。ご夫婦の方は柑橘系のサワーのようだ。とにかく楽しそうに話をしながら飲んでいらっしゃる。そこに、年配の男性が1人入ってくる。カウンターに座ると、宝焼酎のボトルが出てくる。常連さんだな。「白でね。」と一言。白ホッピーで割るのだろう。
どうしようかなー。もう一杯だけ。というわけで酎ハイ(390円)を注文する。ついつい、空腹のあまりつまみを全部食べてしまったので、追加を。「すみません。うずら串(130円)、ピーマン串(160円)・・・それから、まぐろシロ串(180円)をお願いします。」と注文してしまう。まあ、これくらいなら大丈夫。酎ハイが届く。一口・・・適度な濃さ。いいねー。
BGMは80年代のJpop。松田聖子が「泣かないでMemories 幾千粒の雨の矢たち・・・」と歌っている。もうすぐ梅雨だななどと歌とは関係ないことを考えてしまう。梅干しサワーのお客さんは「これに酎ハイね。」とジョッキをお兄さんに渡している。梅干しはそのまま。なるほど、梅干し以外は酎ハイと同じなので、そういう注文になったのか。
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種類の串が届く。先ずはうずらから、一口・・・タレがついている・・・安定の味。大体、自分はゆで玉子が好物で、何個でも食べられるタイプ。だからうずらの玉子ももちろん好みだ。うめー。酎ハイ、酎ハイ。で、ピーマン。一口・・・苦味がいいねー。そういえば、随分前に、荻窪の「カッパ」で食べていた生のピーマンも美味しかったなーと思い出す。ピーマンも好物だ。では、謎の「まぐろシロ」を・・・一口・・・ん、この独特の食感は何だ・・・コリコリしている部分もあるし、柔らかい部分もある・・・塩味が効いていて・・・これは美味い!酎ハイ、酎ハイ!これ、好きだー。
調子に乗ってきたが、今日はここまで。帰って、サンドイッチでビールのランチだな。「ごちそうさま。」と席を立つと、「ありがとうございました。」といつの間にか入っていたお姉さんが、会計をしてくれる。
外に出る。蒸し暑い空気に包まれる。バス停に向かう。「中村橋」行きのバスが、「間もなく発車します。」というアナウンスを繰り返している。手に持ったサンドイッチのレジ袋を揺らしながら、小走りでバスに乗り込む。

東京都杉並区阿佐谷南3丁目44−9
03-3398-7208
Posted by hisashi721 at 19:15│
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