村上春樹「アフターダーク」
この作品は夜に読まねば。できれば渋谷のデニーズで・・・。とは思ったがめんどくさいので、阿佐ヶ谷のロッテリア(2F)で1時間半。
さて、この小説に貫かれているトーン。自分も渋谷で一晩中過ごした事が何回もあるんで、一気に全てが崩れ去っていきそうなこの雰囲気はよくわかる。新宿の夜とはまたちがうんだよなあ。新宿の方は気をつけてれば大丈夫って感じがするから。
全てがある予感で統一される。それは、一個人を超える大きな力の存在。白川が象徴する我々のすぐそばにある暴力性。しかし、それはちっぽけだ。それは更に大きな組織的な暴力に飲み込まれる。そして大きな闇。組織すらもちっぽけに見せる、我々が知りえぬ世界。それを見ることは許されない。しかし徐々に我々を飲み込もうとする。引きずり込まれたらどうなるのか。眠り続けるのか、自分の位置もわからぬところに放置されるのか・・・。タカハシが象徴する「優しさ」はそれでも闇に対抗しうるのか・・・。
おお、いろいろ考えさせられるなあ。一度論文でも書かねば。でも、ちょっと短い。読み終えるのに一晩中かかるくらいでないと。
Posted by hisashi721 at 13:08│
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