「いか大根」だ!・・・荻窪「やき屋」
11月ともなれば朝晩はさすがに寒いくらいだ。となると、温かいつまみで一杯やりたいもの。温かいつまみといえば、まず、おでん。一時、杉並区から一掃されてしまった屋台のおでん屋。特に名物だった西友横、東京三菱銀行前のおでん屋台も久しく姿を消していたが、10月くらいから、立ち飲みの屋台として復活している。立ち飲みにした方がスペースが狭くできる分、道路交通法に引っかかりにくいのだろうか。今日あたり寄ってみようかな、ということで新宿から中央線で阿佐ヶ谷に向かう。
しかし、電車の中で思いは巡る。温かいつまみなら煮込みもいいな。東京4大煮込みの名店には地理的になかなか行けないが、中野で降りれば「春」がある。どうしようかな。まてよ、湯豆腐もいいぞ。でもそれは渋谷「富士屋本店」の200円が美味しかったな。鍋ものは一人には向かないし・・・。
うんっ!そういえば、荻窪「やき屋」に「いか大根」があったな。いかと大根をしょうゆ味のスープで煮込んであるものだ。大根がすごくでかくて、スープの味がよ〜く染みていて美味いのだ。昨年のある夜のことだ。常連のお客さんが7時半頃せわしなく入ってきて、「いか大根まだある?」と叫ぶ。マスターは冷たく「終わっちゃったよ。」と突き放す。傍目にも落胆が大きいと見えたその常連さんは「じゃあ、スープだけでもちょうだい!」と迫る。マスターは「そりゃあ、だめだな。」と突っぱねる。常連さんはなおも食い下がる。「頼むよ、スープあるんだろ。いいじゃないか。」・・・というやり取りがあった位、「いか大根」は美味いのだ。
荻窪駅北口に出る。例によって「鳥もと」は満席だ。足早に通り過ぎる。線路に沿った道を少し歩き道を渡って、すし屋の前を左折。小路に入って「やき屋」の赤い看板を目指す。縄のれん越しに見える店内はテーブルとメインカウンターは予想通り満員。サブカウンターはお客さん2人。真ん中が開いている。よし!
サブカウンターに立ったものの、注文が大量に入っているようで、マスターは大忙し。女将さんも、飲み物やつまみを運ぶために店を行ったり来たり。かろうじてホッピーを注文。つまみを注文するタイミングを模索する。
女将さんの手が空いたところで、さて、注文だと思ったら、サブカウンターの一人が「ご馳走様」とお勘定を申し出る。この人も勘定のタイミングを計っていたのか。こうなったら、強引に注文だ。そのお客さんが千円札を探している隙に注文する。なぜか「わた和えください。」と言ってしまう。しまった!いつもの癖が出てしまった。
「わた和え」はすぐに出てくる。ナカを注文。続いて今度こそ「いか大根」を注文・・・しようと思った瞬間、「二人なんですけど。」と客が入ってくる。さらにメインカウンターの客が「どうも!」とお勘定に入る。おろろ、だめじゃん。とにかくこれで、メインカウンターとサブカウンターに一人分ずつのスペースがあることになる。
そこで女将さんは、まず空いたメインカウンターの一人分に自分を移動させ、それによって空くサブカウンター計二人分のスペースに新規の二人客を入れるべく指示を出す。自分は、メインカウンターに大移動。さて、注文を。そこで新規二人客が「えーと、しめさばと、いか刺し、みみ刺し、それから塩辛」・・・注文が多いぞ。すかさず隣の客が「メカブね。」一番奥の二人連れが「ナカ2つ。」テーブルから「ウーロンハイ3つ」・・・マスター大忙し。
女将さんが後ろを早足で通りかかる。かろうじて「ナカお願いします」と注文。マスターの手が空くのを気長に待つ事に。ホッピーは計3杯目なので無くならないようにチビチビ飲む。時間稼ぎである。そこでいよいよ、最後と思われるメカブに取り掛かっている時、「いか大根ください」と注文。力をためていたので、叫び声になってしまう。マスターがいぶかしそうに顔をこちらに向ける。恥ずかしい。
とにかく、待望の「いか大根」が来る。大根はよく煮込まれて深い褐色に変身している。美味い!残り少なくなったホッピーを大事に飲みながら、でかい大根を平らげていったのであった。
Posted by hisashi721 at 21:46│
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のどが痛〓い。ちょっと風邪をひきかけてるのかもなぁ。明日が祝日で、本来であれば思いっきり飲める日なのに残念です。今日は、燗酒をちょいと引っかけるくらいで帰りましょうね。(それでも飲むか!>自分) 荻窪駅で降りて、向かうのは「やき屋」。ちょいと引っかけようと