2024年06月09日

新しい世界・・・新宿ゴールデン街「ドラゴンナイト」

PXL_20240608_085625501土曜日(8日)、職場を午後5時に出ると、蒸し暑い夕暮れが待っていた。バスに乗ると冷房が心地よい。ぼんやりと外の景色を眺めながら、休日前のゆったりとした一時を楽しむ。目黒駅のホームは土曜日のこの時間なのになぜか混雑している。どうやら電車が遅れているらしい。やれやれ今日も満員電車で帰ることになるのだろう。

時間調整の停車もあり、渋谷からは立錐の余地もない状況になる。自分は恵比寿駅で運よく座れたのだが、自分の膝が前に立っている人の脚に押されて窮屈な態勢になっている。新宿に着くと、押し合いながら出口に人が溢れ、待ちきれずに入ってくる人たちとさらに押し合いになる。その間、発車ベルが鳴り続け、「ドアを閉めます。」という怒鳴るようなアナウンスが何度も流れる。

PXL_20240608_085632665地下道を通って、サブナードへ。商店街を抜けて新宿区役所前に出る階段を上る。外に出て、ミスタードーナツ前の横断歩道を渡り、緑道に入る。それにしてもものすごい人だ。地上を歩いていたらここまでくるのに何倍も時間がかかっていただろう。少し歩くと「新宿ゴールデン街」の入り口だ。細い道を歩いて、3本目の通り、「一番街」に入る。時計を見ると午後6時。目的の店の開店時間だ。見るとドアが開いている。さて、入りますか・・・。


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2023年11月05日

土曜日の夜・・・新宿ゴールデン街「サーヤ」

IMG_20231104_171409土曜日(4日)。午後4時過ぎ、職場を出る。いつものようにバスに乗り、目黒駅に到着。やけに暑いなあ。季節柄スーツ姿だが、上着が邪魔に感じるほどだ。11月になっても、日中の高い気温は続いている。半袖のクールビズでもいいくらいだ。山手線外回り電車は、空席はないが、平日と違ってゆったりとしている。

 



IMG_20231104_185430新宿駅に到着。改札を出て、そのまま地下を通って、サブナードに向かう。サブナードの地下商店街を抜けて一番奥のダイソーの手前の階段を上り外へ出る。外に出ると新宿区役所。第一分庁舎角の横断歩道を渡り、ミスタードーナツの右横から遊歩道に入る。新宿らしからぬ木立の下の道を歩いていくと、新宿ゴールデン街が見えてくる。すごい行列ができている。おそらく「煮干しラーメン凪」に続く列だと思われる。外国人も多い。

 

IMG_20231104_171225一旦、花園神社裏に出て、吉本興業本社方面に少し歩いて、ゴールデン街の3つ目のブロックを目指す。花園神社といえば「酉の市」。1111日が一の酉だ。いつもなら寒い印象があるが、今日はこの時間でも汗ばむ陽気。もう上着を脱いで手に持っている。さて、目指す店はすぐに見つかる。午後5時を回っているが、ゴールデン街でこの時間に開店している店は少ない。だから、すぐに灯りがついている看板が目立ったのだ。

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2023年10月12日

家に帰る前に・・・鷺ノ宮「ペルル」

IMG_20231011_203025水曜日(11日)、午後8時過ぎ。西武新宿戦「鷺ノ宮」駅に到着。朝は気温が低かったのだが、この時間は気持ちのいい風が吹いている。上着を脱いで腕に掛け、家に向かって歩き始める・・・かどするか迷う。このまま帰るのもなあ。最近、特にこの7、8年は地元で飲むということがほとんどなく、5月の終わりに、帰り道にある「満月」に寄ったのも、久しぶりだった。通っていた店も無くなってしまい、新規開拓しようにも、店自体があまりないのだ(と思う)。

 

ペルルに行ってみようかな、という思いが不意に起こる。あれほど通った店なのだが、まずは移転してしまったというのが始まりで、マスターが亡くなった頃から、足が遠のき始めた。たまに行くと、お客さんも見知らぬ人ばかりで、もう以前のあの店とは違う感じがして、完全に行かなくなったのだ・・・まあ、そういう経緯はどうでもいいのだが、じゃあ、違う店なら、新規開拓のつもりで行ってみればいいじゃないか、と思いついたというわけだ。

 

駅の北口に出て、右へ。自分の家とは反対方向だ。二つ目の路地を左に曲がる。すると何軒かの飲食店があって、その中に「ぺルル」はある。今日はお客さん、多いのかなあ。木のドアを開ける。カウンターが奥に向かって緩やかな曲線を描いている。先客は女性一人。カウンターの中も女性一人。もちろん知っている人たちではない。カウンターの中の、おそらくアルバイトの女性が「いらっしゃいませ。」と笑顔で迎えてくれる。女性のお客さんもこちらを見て、「こんばんは。」と言いながら軽く会釈をしてくれる。いい感じ。  続きを読む
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2023年09月10日

マスターの教え・・・都立大学「MERRY'S BAR」

 IMG_20230909_192344土曜日(9日)。午前中は仕事が忙しく、慌ただしく時間が過ぎた。一転して、午後は仕事はあまりないが、時間的には午後6時くらいまでは拘束されるという展開。だが、いいこともあって、思いがけないプレゼントを貰ったり、興味深い話が聞けたりと、待機のみのはずが楽しい時間になった。

 

午後6時、職場を出る。土曜日の夜は時間の流れが緩やかに感じる。さて、どこへ。久しぶりに因縁深い東急東横線「都立大学」駅を目指すことにする。駅前は流石に人通りが多いが、少し駅から離れると静かな住宅街という感じの街だ。おしゃれな酒場が多く、古くからやっていた居酒屋さんは姿を消している。というわけで、駅近くの「大菊総本店」に向かうことにする。

 

この店は蕎麦屋なのだが、つまみのメニューも多く、ゆっくりとお酒を飲むこともできる。しかし、土曜日は通し営業なので、昼飲みしている地元の人も多いし、夕方からは家族客が食事目的で訪れる。入れるかなあ・・・。店の前に着く。自分の前に子供連れの家族がいて、戸を開けて「4人入れますか?」と店員さんに尋ねる。店内を見ると、入り口左の壁沿いに並んだ2人用の小さいテーブルにはずらりと1人客が座っている。これは1人では無理だなと判断する。中に入っていく家族連れとは反対にまた駅に戻る。

 

改札左側の道を自由が丘方面に歩くと、何軒かの店がある。その中の一つに郷土料理店っぽい店があって、雰囲気も良さそうだ。ガラス戸越しに中の様子が見えるのだが、狭い店内に2人客、3人客とテーブルに座っていて、1人客はいない。皆さん楽しそうなのだが、う〜ん・・・もう少しゆったりできるところがいいかなあ・・・。

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2023年08月27日

何もかも気分よく進むわけではないけど・・・神保町「ランチョン」

IMG_20230825_153940今日(25日)も暑い1日になった。午後、仕事の一環で神保町へ。昼間来るのは久しぶりだなと思いながら、何ヶ所か回って用事を済ます。こういうのはオンラインがいいよな、と心から思う。実際、こういうことになっているのはオンラインでは埒があかなかったからなのだが・・・。午後3時過ぎ、なんとか用事は終わり。後はどこかで報告をまとめるだけ。喫茶店を探す。

 

IMG_20230825_144943ということで、靖国通りを少し入ったところにある「ミロンガ・ヌオーバー」に入る。壁際のカウンター席に座り、アイスコーヒー(650円)を注文する。やっと冷房が効いた店内に入ってホッとする。当たり前だが、歩き回るとすぐ汗が出て嫌だなあと思う。アイスコーヒーが届く。一口・・・もう少し濃いほうが良かったかな・・・。パソコンを出して、文章を打つ。

 

IMG_20230825_141050この店はレトロな雰囲気でBGMも古風なのだが、何しろ音が大きい。お客さんは皆さん神妙な顔つきで本や雑誌を読んでいる。ケーキを食べている人も多い。近くのおじさんもティラミスを食べているのだが、妙に音を立てる人でちょっと気にしてしまう。コーヒーを啜る音も、「そんなに啜らないでも」と思うほど大きい。服装はおしゃれなので、店の雰囲気には合っている。

 

左隣の若者は芸術家っぽい雰囲気。ただ、ものすごく鼻をかむ。ティッシュの山ができている。それはいいのだが、その山を残したまま、無言で席を立ち、レジに向かう。いいのか?片付けるお姉さんが気の毒だ。・・・色々気になってしまうが、なんとか文章を書き終える。ふい〜。もう少しここでゆっくり・・・という気にはならない。時計を見る。午後3時。

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2023年08月17日

読書とビール・・・新宿「ミュンヘン」

1IMG_20230814_1246436日(水)。今年のお盆休みも今日で終わり。なんとなく吹く風にも秋の気配が・・・感じられはしないが、今日も台風の余波なのか曇り空で、気温もやや低めという。でも、相変わらずの蒸し暑さは変わらない。短パン、Tシャツで出歩けるのも今日までかと思うと、明日からの毎日が思いやられる。

 

この休みに読もうと思ってリストアップしていた本があと2冊。読んでしまおうと、今日も朝から新宿のカフェで過ごす。いつも行くカフェは、個人ブースみたいな席があって、仕事や読書にはもってこいなのだ。コーヒーを飲みながら、iPad miniKindleアプリを開いて読み始める。夏でもアイスコーヒーは飲まない。拘りがあるわけではない。注文しなくてもホットのブレンドコーヒーが出てくるようになってしまったからだ。

 

冷房が程よく効いて快適。明日からのことは忘れて、読書に集中する。2時間ほど過ごして、もう少しで2冊目も読み終わるという頃になって、なんとなくこの状態に飽き始める。ここが自分の良くないところで、あともう一踏ん張りというところで、急激に飽きがきてしまうのだ。そう、今日もそれが来てしまったようだ。

 

IMG_20230816_140241ぐずぐずしていても仕方ないので、会計をモバイルカードで済ませて外に出る。地下の店だったので、外はどうかなと思ったが、どんよりと曇っていて、風もない。小田急ハルクに入り、ビックカメラでガジェット類を何点か買う。時計を見ると午後1時を少し回ったくらい。休日もあと半日くらいあるな。

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2023年08月15日

夏の楽しみ方・・・新宿「銀座ライオン」

IMG_20230814_1329538時ごろ家を出て、新宿に来た。西武新宿駅を出ると、晴れてはいるものの、空を見上げると黒い雲が近づいていている。天気予報も、今日は降ったり止んだりということで、台風の余波は東京にも及んでいるようだ。今日は休日だが、まとめておきたい仕事があって、行きつけの地下のカフェに落ち着いたのが9時前。

 

割と集中して仕事を進めて、一段落ついた時、ふと雨はどうなっているかなと外が気になる。YouTubeで歌舞伎町手前のユニカビジョン辺りのライブ中継を確認すると、歩いている人はみんな傘を差している。ついに雨が降り始めたか・・・。小さな画面では雨粒まで確認できないが、結構強く降っている感じ。もう少しここで作業するかな。コーヒーのおかわりを注文する。

 

気がつくと12時を回っている。いくらなんでも長居をし過ぎたよなー。もう一度YouTubeを確認すると傘を差して歩いている人はいなくなっている。会計を済まして、階段を上り、外に出る。暑っ!雨どころか強い日差しが襲いかかってくる。しかも雨上がりなのでモワッとした蒸し暑さが耐え難い。うへー。

 

でも、発想を変えて、こんな暑さだからこそ楽しめるものを・・・そう、ビアホールに行こう!今日はお盆休みで、午後はのんびりできる。我ながら、いいことを考えたものだ。それというのも、目の前に小田急ハルクがあり、その地下3階には「ミュンヘン」という渋いビアホールがあるのだ。随分久しぶりということになるが、さっと生ビールを飲んで帰ろうかな・・・。

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2023年05月28日

またここで会いましょう・・・阿佐ヶ谷「アルフォンソ」

IMG_20230528_125830土曜日(27日)、4年ぶりの職場の歓送迎会があった。なかなかメンバーの日程が合わず、5月の末になってしまった。場所は恵比寿。「田吾作」や「とよかつ」のある通りの向かい側のビルの一角。大勢の客で賑わう大きな和食居酒屋だ。飲み放題付きのコース料理。土曜日は2時間の制限がある。久しぶりの会食に会話も弾む。前菜や刺身や蒸籠蒸しやなんか色々出たのだが、こういう時はいつもの居酒屋の感じは出ない。まあ、会話を楽しめばそれでいいか・・・。2時間はあっという間。

 

午後8時過ぎ、その店を出てみんなで駅へ。地下鉄とJRに分かれてそこで解散。2次会はなし。新宿駅に着いた時は自分1人になっていた。新宿駅西口を出て、思い出横丁のあたりまで来た時、そうだ、こういうイベントの後の余韻を楽しむ時には、あの店がいい。阿佐ヶ谷に行こう。踵を返して新宿駅に向かい、総武線各駅停車「三鷹行き」に乗る。

 

阿佐ヶ谷到着。時間は午後840分ごろ。北口を出て右へ。スターロードに入る。少し歩けば、バー「アルフォンソ」の看板が見えてくる。しかし、なんだか店の周りが暗い。あれっ?定休日は水曜日のはずだが・・・。ドアの中央にある透明なガラスの部分から中の様子が見える。カウンターにはお客さんはいない。マスターがその奥で何やら作業中のように見える。準備中なのかなあ。

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2023年02月13日

休日の過ごし方・・・浅草「神谷バー」

IMG_20230212_151352日曜日(12日)がやってきた。しかも、春の陽気。早起きして、新宿のカフェに。ちょっとした仕事をこなし、その後は、溜まっていた本を読んで午前中を過ごす。お昼過ぎ店を出ると、さらに暖かさが増している。こうなると、どこかに出掛けたくなる。新宿御苑にでも行って散歩しようかな・・・などとは思わず、こういう陽気の日に昼飲みしたら気持ちよささうだなという考えが浮かんでしまう。せっかくだから、ちょっとだけ遠くへ行きたい、とも思う

 

新宿駅から総武線各駅停止車「津田沼」行きに乗り込む。車内は適度に空いていて、しかも、暖かい陽光が差し込んで明るい。いい気持ちで電車に揺られる。20分ほどで「浅草橋」に到着。改札を出て、都営浅草線に乗り換え。ホームに着くと、まもなく「印旛日本医大」行きが入ってくる。浅草までは2駅。もうすぐ!

 

IMG_20230212_151621浅草駅に着くと、大勢の人が降車する。まともに歩けないくらい。カップルも多い。彼らは総じて歩くのが遅い。のろのろと改札に向かう。階段を上がり外に出ると、雷門の近く。地下も人が多かったが、地上はさらに人が溢れている。人力車が10台ぐらい、客寄せをしている。外国人の方々がスマホで写真を撮りまくっている。観光地に来たことを実感する。

 

じゃあまずは浅草寺に参拝するかな、と仲見世通りを見ると、もう立錐の余地も無いという言葉が適当なぐらいの人、人、人。浅草寺にたどり着くまで何分かかるかわからない。うきうき気分が削がれる。もういいや。いきなりだが、神谷バーに行っちゃおう。もう一度駅の方に少し戻る。神谷バーの看板が出迎えてくれる。「浅草1丁目1番1号」とある。明治13年創業のバー。久しぶりだ。もうたまりません。

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2023年01月06日

あの日のように・・・中野「NAKANOブリック」

IMG_20230104_1457171月4日になった。快晴続きだった正月の3日間。人通りが少ない新宿の街を散歩したり、カフェに入り、コーヒーを飲みながら読書を楽しんだりした。去年の秋に東向島近辺に何度か行ったこともあり、永井荷風の著書を久しぶりに開いてみた。永井荷風も街を歩く人だったので、とても親しみが持てた。そんな3日間が終わり、今日はそろそろ店も開くということで、昼飲みを楽しむつもり。新宿駅、午後1時過ぎ。中野に向かうことにする。

 

新宿駅西口から中野駅行きのバスに乗る。電車の方が早いに決まっているのだが、のんびり街の風景を車窓から眺めるのもまた楽しい。そうやって25分ほど経つと「中野新井通り」というバス停に到着する。降りるとすぐに「ブロードウエイ」の北の入り口。中に入るとさすがにすごい人出。先は急がず、店を見ながら歩く。「ブロードウエイ」を突っ切って、サンモール商店街に入る。ここは一年中人通りが多い。まだ福袋などを店頭に並べていたり、初売りの大きな貼り紙があったりと正月気分を味わうことができる。

 

IMG_20200427_180618サンモール商店街を抜けた頃、午後2時になる。左に曲がり、小路を歩く。十字路になったところをさらに左に曲がると、そこには懐かしい建物がある。BAR「ブリック」だ。ただし、1964年に創業した「ブリック」は20204月に閉店している。ある時期、本当に毎日のように通っていた店だ。通勤のルートを中央線経由から西武新宿線に変えたことで、ご無沙汰しているうちに閉店してしまった。

 



IMG_20200427_180639閉店の貼り紙を見た時は、オーナーも高齢となり、近いうちにと覚悟していたものの、ついにこの日が来たかと意気消沈した。建物も老朽化している以上、あのカウンターにはもう座れないだろうと思った。閉店した年の夏、近くの「第二力酒蔵」で「ブリック」のバーテンダーさんに偶然お会いした。店長の次に長く「ブリック」にいた方だ。「次はどこかのバーに行かれるんですか?」「いや、まだ何も決まってなくて。今はプー太郎です。」久しぶりに話をして、ああブリックではもう飲めないんだなと、悲しかった。
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2022年09月11日

土曜日の夜はお気に入りのバーに・・・阿佐ヶ谷「アルフォンソ」

IMG_20220910_23211010日土曜日の楽しみは、広島カープの神宮最終戦のナイター。ネット裏のチケットが手に入ったのだ。土曜日の仕事を早めに切り上げて、午後5時すぎには信濃町駅に着いた。駅にはスワローズとカープのユニホームを着た人々が溢れていて、駅前の歩道橋にぞろぞろと流れて行く。否が応でも気分は高まる。天気もいいし、今日は中秋の名月。最高じゃないか。

 

人々の列に従って、絵画館前の広場を通り、国立競技場を横目に見ながら、神宮球場に向かう。さすがに土曜日。しかも、スワローズの村上選手のホームランにも期待がかかる一戦だ。人が多いなあ。なかなか前に進めないもどかしさをあるがここは焦る必要もない。外野席入口から半周して内野正面の7番入口に到着。長蛇の列の最後尾からゆるゆると進む
 

IMG_20220911_151731球場に入ると、まだ日差しは明るく、暑くもなし。心地よい夜になりそうな予感がする。席について、通りかかった売り子さんから生ビール(750円)を購入する。試合前のひと時を味わうべく、生ビールを一口・・・これこれ。この楽しみを久しく忘れていたなあ。広々とした空間で飲むビールは格別だ。

 

というわけで、試合が開始されたわけなのだが、大荒れの展開になってしまった。カープが1回に先制を許したまではまあよかったのだが、3回にカープが1イニング12点得点という見たことがない攻撃。それに対してスワローズが6点を取り返し、さらに攻撃を続ける。こりゃあ、もしかすると逆転されるかもという気になったところ、なんとかダブルプレーで切り抜ける・・・そんなこんなで終了したのは午後10時を大きく回り、ヒーロインタビューをしっかり見てしまったので、帰りはさらに遅くなる・・・勝利の余韻を楽しむために寄り道したいけど・・・どうする?

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2010年03月07日

一週間の終わり・・・中野「ブリック」

DSC01294今日(6日)は、5時過ぎに職場を出た。帰る前に思い直して、目黒駅前のカフェに入り、パソコンでまとめの仕事をする。これをやっておくと、来週の月曜日からの仕事をスムーズに始めることができるのだ。その作業を終えて、ほっと一息。無線LANを通じてインターネットに接続し、ユーチューブで気になっていた曲をチェックする。植村花菜「トイレの神様」だ。

もちろんイヤホンを通して聴いていたのだが、不覚にも涙が出そうになる。場所が場所だけに我慢したが、周りに誰もいなかったら、絶対泣いていたなと思う。こういうのに弱いよなあ〜。何だか心洗われたような気がして、しみじみとしながら店を出る。新宿経由で中野に向かう。



中野駅北口に降り立つと、細かい雨が風に舞っている。傘をさしている人もいれば、さしていない人もいる程度の雨だ。昨日ほどではないが、暖かい夜になった。午後7時、1週間の疲れを癒すために、馴染みのバー「ブリック」に向かうことにする。横断歩道を渡ると、店はすぐそこだ。  続きを読む
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2010年03月03日

小さな幸せ・・・高田馬場「アウトサイダー2」

DSC01316またまた寒い夜が戻ってきた。慌ただしい一日を終えて、職場を出たのが午後7時過ぎ。「今日は寒いねえ〜。」と警備員の人に声をかけられる。歩いていると、確かに思ったよりも気温が低くて、身体が震えてくる。・・・それにしても、疲れたなあ・・・。今日(2日)は静かな店で、ぼんやりしてから帰りたい。

山手線で高田馬場まで向かう。電車は混雑していて、つり革をもつことすらできない。脚に力を入れて、ぐらぐらする身体を支えるのだが、時間が経つにつれて辛くなってくる。新宿駅を過ぎて、やっとつり革を確保できて、身体を休める。おかげで何も考えなくてすんだのはよかったのだが。

高田馬場到着。「静かな店でぼんやり」という目的なので、今日は先日行った「こくているnico」に行くつもりだ。山手線の高架に沿いの道を歩いていく・・・ん?看板に電気が入っていない。店の前まで行くとドアにはシャッターが下りている。7時開店のはずだが・・・。そういえば、この店を紹介してくれた人が「8時ごろには開いてるはずだけど、時々もっと遅くなったりすることがあるから気をつけて。」と言っていた。時間は8時ちょうど。もうすぐだと思うけど・・・。

寒くて待っていられないので、また早稲田通りまで戻る。少し歩いて「さかえ通り」へ。これぐらいの時間になると、客引きがズラリと並んでいる。その人達を縫うように進んで、奥へ向かう。どうしよう・・・。やっぱりバーに行きたいから、「アウトサイダー2」に行くことにする。12月に行って以来だ。あの日は雨が降っていたなあ・・・。
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2010年02月25日

柔らかな風のように・・・高田馬場「こくているnico」

DSC01268なんともやりきれない仕事を終えて、壁の時計を見るともうすぐ午後8時。今日(24日)の仕事は、人の心の複雑さを感じさせられて、すっきりしないものだった。自分の主張はしたが、相手を傷つけてしまったかもしれないという後悔が胸の中にわだかまっている。それでも、他に何ができたかというと、その答えはない。もう何もする気になれず、職場を後にする。

外に出ると、まるで春の夜のように暖かい。とても気持ちのよい空気に包まれる。空にはラグビーボールのような月が輝いている。心の中の重さは消えないものの、それだけに、いつまでも歩いていたいような気になる。目黒駅前には、穏やかな微風の中、待ち合わせらしき人々が携帯の画面を眺めながら立っている。

高田馬場駅に着いたのは、午後9時前。早稲田口から出て、横断歩道を渡り、左へ。少し歩いて、JR線の線路沿いの道を真っ直ぐ奥に進む。「養老の瀧」チェーンの「一軒目酒場」の明かりが煌々と辺りを照らしている。それを過ぎると、小さな店が並ぶ中に、「nico」という看板を見つけることができる。すぐその横に古びた木のドアがあり、ドアの上には「バーこくてーる」の文字。昭和39年創業のバーだ。
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2010年02月07日

寒い日のホットウイスキー・・・中野「ブリック」

DSC01069今日(6日)は土曜日だが、通常通りの勤務。昼食時に外出した同僚が、「今日は寒いよ〜」「風が強いし、気温も低いね。」などと寒さを訴えている。暖房の効いた部屋の窓からは、よく晴れたのどかな風景に見える。そんなに寒いのか・・・。そう思いながらも、午後の仕事をこなすうちに外の寒さのことは意識しなくなる。

午後6時過ぎ、仕事を終えて職場を出る。おお!・・・空気が凍っている。冷たい風の中を歩いていると、手の指先が凍えてくる。これは、この冬一番の寒さだ。目黒駅前のロータリーでは、人々が走っている。寒いからゆっくり歩いていられないのだと思われる。震えながら、ホームで電車を待っていると、ビュンビュン風が吹いてくる。隣で待っている人は足踏みをしている。早く、早くぅ〜。

電車に乗っても、いつものように身体が温まらない。やっぱり今日は特別だなあ・・・。座席に座っている人も腕組みをしている人が多い。電車の中も静かだ。新宿で中野行き各駅停車に乗り換え。土曜日は、ちょっと遠くまで寄り道をしたくなるものだが、今日はその気にならない。いつもの「ブリック」で少し身体を温めてから帰ろう。ホットウイスキーが頭の中をよぎる。

中野駅北口ロータリーは、いつもの土曜日よりも人通りが少ない。パフォーマンスをするグループもも見当たらない。寒々とした風景だ。横断歩道を渡る。いつもなら必ずいるティッシュ配りの人たちは、中野サンモール商店街のアーケードの中に移動している。吹きっさらしのローターリーにはさすがに今日は立っていられないのだろう。ますます、今日の寒さを実感する。

ブリックの前に立つといつものように、ドア係のバーテンダーさんがすっと内側にドアを引いてくれる。「いらっしゃいませ。」「こんばんは。」・・・カウンターには2人組が入り口側に座っているのみ。テーブル席は6人くらいのグループ1組。土曜日の7時過ぎにしては、お客さんは少ない。いつもなら、1階は満席で2階にもたくさんのグループが入っている時間だ。やっぱりこれも寒さのせいだろうと思う。  続きを読む
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2010年02月03日

自分の人生・・・阿佐ヶ谷「アルフォンソ」

DSC01004今日(2日)も昨日に続いて、4時起きで早朝からの勤務。午後になると、少々疲れが出てくる。それでも、頑張るしかないので、夕方まではお茶を飲む時間も惜しんで仕事。その甲斐あって、とりあえずの区切りがついたのが午後7時30分。昨日よりも2時間ぐらい早く職場を出ることができた。

朝は路面に残った雪をざくざくと踏んで、駅まで歩いたが、帰り道はもう雪もほとんど残っていない。朧に霞んだ月が印象的な夜だ。山手線に乗って新宿へ。新宿から三鷹行き各駅停車に乗り換えて阿佐ヶ谷へ。

阿佐ヶ谷駅に着いたのは、午後8時40分過ぎ。北口に出て、スターロードへ。少し歩くと、バー「アルフォンソ」の看板の灯りが見える。なんだかほっとする。今日も仕事が終わった・・・。ドアを開ける。カウンターには3人のお客さんがいる。真ん中のお客さんが吸う煙草の煙の向こうにマスターの顔が見える。「いらっしゃいませ。」
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2010年02月02日

雪の夜に・・・中野「ブリック」

DSC01000今朝(1日)は、まだ暗い時間に家を出て、月を眺めながら鷺ノ宮駅へ。職場に着いたのは、午前6時過ぎ。7時前に出勤してきた同僚が口々に「朝焼けがきれいですよ。」と話している。午後からは雪になるかもしれないという予報だが、窓から射してくる太陽の光は冬らしく鋭い。これから夜まで、忙しい時間が始まる。

昼食に支給された弁当を食べながら、外を見ると、どんよりとした灰色の空が広がっている。仕事をしている間に、天候は刻々と変わっていたようだ。「本当に雪になりそうですね。」と同僚の1人が話しかける。できれば、ちらつく程度であってくれればいいのだが・・・。「さて、始めますか。」昼食もそこそこに仕事に戻る。

夕方、「雪、降ってますね。」と誰かが言う。「ついに降り始めたか。」「みぞれみたいですね。」「じゃあ、積もらないかな。」「今日は遅くなるから、電車が止まらなければいいですけどね。」「そうだなあ。」・・・みんな、ちらっと窓の外に目をやるが、手は休めない。早く終わらせなくては・・・。

結局、明日の打ち合わせを終えて職場を出たのが午後9時40分頃。玄関を出ると、警備の人が雪かきをしている。「こんなに降ってたんですね。」「結構降りましたよ。」路面の雪は、シロップをかけ過ぎたかき氷のようだ。歩くとシャリシャリと音がする。空からは白くて重たい雪がまだ降り続いている。鞄から折りたたみ傘を取り出す。

足元が悪いので、目黒通りに出てタクシーを拾い、目黒駅に向かう。雪はやむ気配もない。目黒駅前でタクシーを降りる時、運転手さんが「足元に気をつけてください」と声をかけてくれる。

山手線は正常に運転している。寒いホームで待つこともなく、すぐに電車が来る。電車の中は暖かくてほっとする。空いている席に座ると、さすがに早朝からの勤務の疲れが出たのか眠気を感じる。電車の揺れが心地よく感じる。誰もが外の雪を見つめている。雪の日の電車は静かだ。
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2010年01月20日

ズブロッカ3杯・・・中野「ブリック」

DSC00836今日(19日)は、予報通り、昼頃から気温が上がり始めて、穏やかな一日になった。仕事を終えて、中野駅北口に降り立ったのは、午後7時。暖かいとまでは言えないがが、ここ何日かの凍えるような寒さはゆるんでいる。北口ロータリーを歩いている人々の表情も柔らかい気がする。

いつものように、北口ロータリーの横断歩道を渡り、サンモール商店街に入る手前で右折、ケンタッキーフライドチキンの所で左折。その隣のニュー浅草という居酒屋は今日も盛況だ。なんといっても常連さんが多い。一人客同士が仲良く話して盛り上がっている。みなさん、とても楽しそうで、ちょっと入ってみたい気もする。そのまた隣の「はち」という居酒屋は、最近改装して、外からは店内が見えなくなってしまった。ちょっと渋い感じの店になったのだが・・・。店の中が見える方がいいのか、見えない方がいいのか・・・。

ブリックは道の突き当たりにある。店に近づくと、ドア係のバーテンダーさんが、ドアを開けるタイミングを図っているのが感じられる。歩くスピードに合わせて、立ち止まらなくても、すっと入れるタイミングで開けてくれるのだ。ドアがすっと開く。「こんばんは。」といいながら店の中に入る。「いらっしゃいませ。」4人のバーテンダーさんが同時に声をかけてくれる。
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2010年01月17日

土曜日の夜のシングルモルト・・・都立大学「CORNER POCKET」

DSC00794今日(16日)は、土曜日だが例によって出勤。早めに職場を出ようと思っていたのだが、結局午後8時まで仕事に追われた。8時過ぎに、警備の人に「失礼します。」と挨拶すると、「今夜は寒いですよ〜。」との答え。夜間用の出入り口を出ると、なるほど、身を切るほどの冷たい風が吹いている。連夜の冷え込みだが、こればかりは慣れることはないようだ。

土曜日の夜はあまり遅くなることがないので、これからどうしようかちょっと迷う。目黒、学芸大学、渋谷、新宿、高田馬場、阿佐ヶ谷、鷺ノ宮・・・いろいろな店が頭に浮かぶ。別に、絶対寄らなければならないわけではないのだが、つい店のことを考えてしまうのが可笑しい。今いる場所、時間を考えて最適な店を選ぶとしたら・・・という風に考えて出た結論は、都立大学駅近くのバー「CORNER POCKET」。

この寒さの中、遅くまで飲み歩く気にもなれない。でも、1週間の疲れを、静かな店で少しだけ癒して帰りたい。そんなときは、バーがいい。静かで、気取る必要もないバーといえば、自分が今いる場所からすると「CORNER POCKET」ということになるのだ。目黒通りに出て、ちょうど来たバスに乗る。都立大学駅前までは、そんなに時間はかからない。うとうとする暇もないほどだ。

バスを降りて、目黒通りから、都立大学駅まで歩く。駅とパチンコ屋の間の道を、自由が丘方面に少し歩くと、トリツフードセンターという高架下の商店街がある。昨年、改修工事が終わったので、入り口がちょっときれいになった。階段を上がると2階が飲食店街。昔ながらの渋い店が並ぶ。かつて下の道横で立ち飲み屋をしていた「レモン・ハート」は、いろいろな店の形態を経て、鉄板焼きの店になった。他は昔からやっている店ばかり。ちょっと極めてみたいような魅力のある飲食店街だ。
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その店を両側に見ながら、真ん中の通路を奥に進む。一番奥にあるのが「CORNER POCKET」だ。ドアを開ける。「こんばんは。」「いらっしゃいませ。」と女性の店主が迎えてくれる。「目黒通り寒かったですよ〜。」と言うと、「最近寒いですよね。」との答え。コートをカウンター横のハンガーに掛けて、L字カウンターの入り口と平行している方に座る。先客はいない
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2010年01月14日

1人の時間・・・都立大学「メリーズバー」

DSC00757今日(13日)は職場の新年会。終わったのは午後8時前。明日はもちろん通常勤務のため、そそくさと帰りを急ぐ人が多い。自分も、会が終わってからすぐに会場から出て、東急東横線の「都立大学」駅まで歩いてきた。今夜も冷え込みが厳しく、目黒通りの風は予想どおり冷たくて強かった。このまま帰るのももったいない気がする。じゃあ、駅に近いバー「メリーズバー」に少しだけ寄り道して帰ろうかな。

東急ストアの前の横断歩道を渡る。正面に都立大学駅の改札を見ながら右に。線路沿いの道を自由が丘方面に少し歩く。その道沿いに、地下に飲食店がいくつかあるビルがある。直接地下に通じる階段を降りると、スナックなどの飲食店がいくつか営業している。ただし、かつてほどの賑わいはなく、閉じている店舗もある。その一角にひっそりと影響している店が「メリーズバー」だ。

木製のドアを開けると、そこは別世界。入り口からカウンターに沿って歩いていくと、意外に広いバー空間が現れる。ウエーブした長いカウンターと3つのテーブル。いい感じだ。「こんばんは。」と店長に声を掛けると、「いらっしゃいませ。奥の席にどうぞ。」と答えてくれる。奥に進んで、コートをハンガーに掛け、鞄をうしろのスツールに置いて座る。先客はなし。
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2009年12月23日

中野「ブリック」経由で・・・高田馬場「千成屋」

DSC00335中野駅北口午後5時50分。早めに仕事を切り上げたのは、明日(23日)の祝日も出勤ということになってしまい、少しでも疲れを取ろうと思ったからだ。休日前の駅前はさぞや賑わっているだろうと思ったのだが・・・いつものパフォーマーたちも、さすがにこの寒さに怖じ気づいたのか、一組もいない。ティッシュを配っているのも、震えながら「お願いします」と小さな声で呟いている若い女性一人のみ。賑わっているのは、年末ジャンボ宝くじの売り場のみ。今日が最終日ということで行列ができている。

なんとなく、寂しい雰囲気の駅前を抜けて、サンモール商店街に入る手前の道を右へ。「れふ亭」の前で、買ったばかりの今川焼きにかぶりついている大学生らしき女性がいる。湯気が今川焼きから上がり、女性の白い息と混じり合う。冬だなあ、と実感する。ケンタッキーフライドチキンの前で左に曲がる。少し歩くと、「ブリック」。

店に近づくと、すっとドアが開く。立ち止まることなく店の中へ。ドア係のバーテンダーさんが開けてくれたのだ。さて、コートを壁のフックに掛けて・・・あれ?お客さんが一人もいない。開店直後ならともかく、珍しいことだ。こうなると却ってどこに座るか迷ってしまう。カウンターの真ん中に座ることにする。
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2009年12月22日

ジンライムをどうぞ・・・鷺ノ宮「ペルル」

DSC00355鷺ノ宮駅、午後7時30分。鷺ノ宮駅北口に降り立つ。寒い。寒すぎる。頬が固まる感じの寒さだ。とりあえず、駅前のドラッグストア「一本堂」に寄り、買い物を済ます。さて、今日は久しぶりにペルルに行こうかな。新店舗での開店予定の日は、「今日は開店できませんでした。来てくださったお礼です。」とビールとつまみを振る舞われ、開店の日は、開店祝いということで、また無料で飲ませてもらった。つまり、新店舗になってから、一度もお金を払って飲んでいないのだ。

すぐにでも行きたかったのだが、開店祝いで当分の間は混み合っていると予想し、落ち着いた頃に改めて・・・と思っていた。3週間経ったし、そろそろ落ち着いたかな。駅前を右に歩き、かりん糖の「旭製菓」(かりん糖、美味しい!)が見えたら左へ。「春よこい」というお好み焼き屋の隣がペルルだ。

ドアは旧店舗の物を移設してあるので、古びている。ドアを開ける。やけに軽く感じる。「こんばんは。」入り口から奥に向かってカウンターが伸びている。カウンターには男性客が一人。常連のYさんだ。「ああ、こんばんは。」と声をかけてくれる。奥で伝票を整理していたマスターが顔を上げて、「いらっしゃい。」・・・今日はセーター姿だ。カウンターの中にはMさんという女性。おしぼりを持って待っている。
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2009年12月15日

トーク・バー・・・阿佐ヶ谷「アルフォンソ」

DSC00268阿佐ヶ谷駅北口、午後7時30分過ぎ。さすがに12月も中旬になると、空気の冷たさが違う。震えるような寒さだ。今日(14日)はとても神経を使う仕事が続いたので、身体の芯が疲れているような感じ。やっと、ここまで帰ってきたかと、ちょっとほっとする。さてその神経をほぐしてから家に帰ろうかな。

駅を出て左へ。スターロードと呼ばれている飲食店街に入る。こんな時間なのに、なぜか空腹感がない。やっぱり、まだ、神経が緊張しているのだろうか。少し歩くと、もう「アルフォンソ」の看板の灯りが見えてくる。今日は、バーのカウンターで話しでもしながら飲みたい。

「アルフォンソ」のドアを開ける。カウンターの奥の方で、何か作業をしていたらしいマスターがこちらに顔を向ける。そのタイミングで「こんばんは。」と声をかける。「いらっしゃいませ。」とマスターが答えてくれる。鞄を壁際の椅子に置き、コートを脱ぎ、ハンガーにかける。その間、カウンターの中でおしぼりを持って、マスターが待っている。入り口から3つ目のカウンター席に座る。「お疲れ様でした。」とマスターがおしぼりを渡してくれる。「どうも。」先客はなし。
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2009年12月12日

雨の日は・・・高田馬場「アウトサイダー2」

DSC00241東京は朝から冷たい雨が降り続いている。夕方になって、風も加わり、傘をさして歩いていても、コートが濡れる。その上、傘が風にあおられて歩きづらい。駅について電車に乗ると、やっとほっとする。こんな日は、どこか遠くに行こうなどとは思えない。おとなしく帰るべきなのだろう。

しかも、今日はちょっと重要なものを持ち帰っている。なくしたら大変なものだ。酔っ払って置き忘れたたら進退にかかわる(怪しいものじゃありません)。気が重くなる。今日はどこにも寄らずに帰ろうとほぼ決めて、電車に揺られる。新宿を過ぎる。なんだか落ち着かない気持ちになる。

高田馬場駅到着。山手線を降りて、ホームから街を見ると、相変わらず寒そうな雨が降っている。雨が降ると行きたくなるバーが高田馬場にあった。カウンターと古ぼけた椅子。優しい眼差しのマスター。懐かしい。その店に行くときは、決まって雨で、いつも傘を持っていたなあ・・・。その店の名は、「ブロンクス」という。

「ブロンクス」のことを思い出したら、バーに行きたくなる。それで早稲田口改札を出て、雨の中をブロンクスのあった方向に歩き出す。ガード横の横断歩道を渡って「さかえ通り」に入る。少し歩いて、ゲームセンターの角を曲がって、小路を川の方に向かって歩く。その右側のビルにブロンクスはあった。今は違う店が入っている。名前からしてたぶんスナック。

この道をもう少し歩いて川の傍に行くと、マンションの1階にバーがある。その店を頭に置いて歩いてきた。バーの看板が見える。「アウトサイダー2」という名のバーだ。傘を閉じて、雨に濡れた手で木の扉を押して店に入る。「こんばんは。」と声をかけると、カウンターの中から女性のバーテンダーさんが顔を上げる。「いらっしゃいませ。」笑顔で迎えてもらう。時間は午後8時15分。
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2009年12月05日

一日の終わり・・・中野「ブリック」

DSC00161金曜日(4日)の夜。今夜は、今週まだ行ってない「ブリック」へ。中野駅北口はもう見慣れた光景。北口ロータリーには様々なストリートパフォーマがいる。今日はギターに合わせて踊るタップダンサーの女性。見ている人はパラパラだが、すごい熱演である。髪の毛が躍動している。

人気の女性ストリートシンガーの時は、3重の人垣ができる。「涙そうそう」が始まると、それこそ涙している人もいる。それから、髪の毛を七三分けにして、超懐メロを歌う若者2人組も人気だ。「懐かしのハワイ航路」や「東京ラプソディー」に年配のファンが喝采を送っている。カラオケに合わせて、身体をくねらせながら演歌を歌う若者もいる。これは、ちょっと・・・と思うのだが、常に2、3人のファンがついている。・・・今日は誰がいるのだろうと、中野駅を降りたときの楽しみでもある。

さて、タップダンサーもいいのだが、やはり、ビルの階段下の野良猫が心配だ。まず、猫を見に行く・・・あれっ?いない。いつも置いてある餌の缶もない。寒くなって、誰かが持ってきた段ボール箱もない・・・いい人が連れて帰って飼ってくれているのだろう。そう信じるしかない。・・・さて、ブリックへ。
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2009年12月02日

新店舗の賑わい・・・鷺ノ宮「ペルル」

DSC00109鷺ノ宮駅北口、午後7時。12月の風が冷たい。今日(1日)は、10月で旧店舗での営業を終えた「ペルル」が、新店舗でのスタートを切る日だ。営業再開を待ちかねていた人々が、今日はたくさんやってくるはず。ゆっくり飲めるとは思っていない。とにかく、マスターにお祝いの言葉を言いたいという気持ちで、開店時間の7時を目指して帰ってきたのだ。

新店舗は、比較的人通りの多い大きな通りに面している。今日は隣の「春よこい」という鉄板焼きのお店が定休日のようで、ペルルの看板の灯がはっきりと見える。店の前に立つ。前のお店から持ってきた木のドア、看板・・・そんなに時間は経っていないはずなのに、なんだか懐かしい。開店直後の店内は、果たして・・・。中の様子はまったく分からない。

ドアを開ける。おお!入口付近はもう立ち飲み状態。大変な賑わいだ。カウンターの中から「いらっしゃい!」という声が聞こえる。店を手伝っているYさんだ。背伸びして、「ああ、どうも。おめでとうございます。すごい人ですね。」と答える。すると、カウンター奥から、細い手が真っ直ぐ上がり、「ああ、どうも。よくいらっしゃいました。」という声。身体を曲げて、その方向を見ると、白い頭と髭は短くなったものの、紛れもなくマスターだ。
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2009年11月27日

いつもの場所・・・中野「ブリック」

DSC00047中野駅北口の改札を出ると、「年賀状はいかがですかぁ〜。」という声が聞こえる。郵便局の出張販売だ。その向かいでは、「年末ジャンボ宝くじで〜す。この機会にいかがですか?億万長者のチャンスで〜す。」という声。すっかり年末気分だ。一気に時間が経ったような、そんな街の様子だ。

横断歩道を渡って、まず向かうのは、ビルの階段の下にいる猫の所。夏頃から、その場所に現れて、いろいろな人から可愛がられている猫だ。雨風は防げるとはいえ、吹き曝しのコンクリートの上だ。寒くなったし、大丈夫だろうか・・・。その場所まで行ってみると、女性が一人、猫を見ている。近づいてみると、猫は段ボール箱の中に入っている。その女性は、相変わらず猫を見続けている。この人も心配なのだろう・・・。猫はゆったりと寝そべっている。可愛い・・・。
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猫と別れて、道を真っ直ぐ行くと、サントリーバーの「ブリック」。今日は他の店に行こうかと思ったが、ここを素通りするわけにはいかない。この前来てから2週間以上たっている。ここ3年間は、週に4回ペースで来てたので、これだけ間隔があくと随分久しぶりに感じる。店の前に立つ。ドアがすっと開く。ドアを開いてくれた若いバーテンダーさんが「いらっしゃいませ。」と迎えてくれる。L字型のカウンターは、縦棒にお客さんが7人。横棒にはいない。横棒の端っこに座る。
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2009年11月17日

もう少し・・・鷺ノ宮「ペルル」

DSC02410昨日(15日)は日曜日だったのだが、持ち帰った仕事を遅くまでしていたために、少々寝不足気味。帰りの電車でついうとうとしてしまう。はっと気がついたら新宿駅。降りなきゃと、とっさに立ち上がったが、そうだ、今日は新宿で乗り換えるんじゃなくて、高田馬場まで行って、西武新宿線に乗り換えるんだったと思い出して、浮かした腰をまた下ろした。すると、前に立っていた人が代わりに座る態勢になっていて、あれっという感じでがくっと膝を折った。・・・期待させて、すみません。

高田馬場駅に着いて、西武線への乗り換え改札を通り、「こんなにたくさんの人間が、一度に電車に乗れるわけなだろ」っていうくらい大勢の人々と一緒に階段を上る。急行電車が間もなく着くことを、ホームの駅員が告げている声が聞こえるのだが、急ごうにも、前がつかえていてどうにもならない。はやる心を抑えつつ、ぞろぞろと人々の流れについていくしかない。

電車の発車時刻にはどうやら間に合い、電車には乗ったものの、これでもう一人も入れないと思った段階から、さらに7、8人の人が駆け込みで入ってきて、ぎゅうぎゅう押してくる。これまたなすすべもなく、押されるままに奥に押し込まれ、前後左右のおじさんたちと密着状態。人間に弾力があってよかったとしみじみ思う。

苦しい態勢のまま、電車に運ばれていく。誰もが無言、無表情。耐え続けるしかない。それでも鷺ノ宮は急行で1駅。いろいろな人に揉まれながら、押し出されるように外に出る。ふぅ〜。これから遠くまで帰る人たちに同情しながら、改札へ向かう。時計を見ると7時5分。ちょっと遅くなってしまった。今日は、「ペルル」が新店舗で再開予定の日なので、開店時間に合わせて帰ってきたのだ。再開一人目の客にはなれなかったか・・・。
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2009年11月11日

やっぱり今夜も・・・中野「ブリック」

DSC00045山手線でぼんやり本を読んでいたら、新宿駅を通り過ぎてしまった。新宿駅は乗降客が多く、大騒ぎになるのだから気づかないわけはないのだが、たまたま座席に座っていたことが原因で、代々木のわりには、今日は降りるが人多いなあくらいに感じていたので、降りなきゃと思ったら、新大久保の駅だったのでびっくりした。しまったと思ったが、こうなったらキリのいいところまで本を読もうと考え直して、高田馬場まで乗り続けることにした。

西武新宿線の乗り換え口に入ると、スターバックスコーヒーが見える。ついつい疲れを感じていると、珈琲でもと思うのだが・・・時間がかかるのも考えもの。そんな時には、その隣の「ジューサーバー」がいい。カウンターにミキサーがずらりと並んでいて、その中から好きなジュースを選ぶ。1分もあれば飲めるので、電車に乗る前の、手軽なリフレッシュにはピッタリだ。

喉も渇いていたので、ジューサーバーの前の列に並ぶ。列は5人くらい。季節柄、ホットスープもメニューに加わって、フルーツとスープの匂いが混ざって辺りに漂っている。自分が選んだのは「ワイルドブルーベリー&オレンジ黒酢(200円)」。どれがメインか分からないような組み合わせだ。紙コップを受け取って、一口・・・氷も一緒にミキサーにかけてあるので飲みやすい・・・味はまずオレンジが来て、続いてブルーベリー、最後に黒酢って感じかな・・・。
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ジュースを飲みながら、ふと思い出す。土曜日(7日)のことだ。熊本空港から羽田に帰ってきたのが4時過ぎ。4時45分の中野行きバスに乗った。土曜日ということで、首都高速は渋滞している所もあり、東京の夕景をのんびり見ながら、物思いに耽ったりしていた。約1時間、中野サンプラザ前にバスが到着。キャスターバッグをガラガラと引っ張りながら、東京に帰ってきたらやっぱり向かうのは、中野のブリックだ。
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2009年11月01日

10月の終わりに・・・中野「ブリック」

DSC0196310月31日、土曜日。週末の仕事は思いのほか手間取ってしまった。もう少し早く帰ることができたなら、久しぶりに遠出寄り道をしようと持っていただけに、ちょっとがっかりだ。新宿駅に着いたのは午後8時。いつものように中野行き電車に乗り換える。いつものバーで、のんびりしてから帰ろうかな。

中野駅に着いて、北口ロータリーに出る。土曜日は平日とは少し風景が違う。行き交う人々の歩くスピードが微妙にゆっくりなのだ。中野サンモール商店街に人々が吸い込まれていく。自分も少しだけ商店街を歩いてみることにする。アーケードにはいる前に空を見上げると、晴れた空にくっきりとした月が出ている。ずいぶん丸くなっている。満月も近い。
DSC01961商店街に入ると、ただ通り過ぎる人は少なくて、買い物客や、飲食店に向かう人々が楽しそうに歩いている。ブロードウエイの入り口まで歩いて、右の小路に入り、飲食店街を歩いてみる。ずいぶん新しい店もできているようだ。駅前に戻りながら、人通りが少なそうな道に入ってみると、仮装した男女が道の両側に並んでいる。一瞬、ぎょっとしたが、どうやらハロウィンの衣装で、客引きをしているらしい。「いかがですか?」と問いかけられるが、なんとなく自分には縁のなさそうな店なので、早足で通り抜ける。・・・はやく「ブリック」にいかなければ。自分にはあの店しかない・・・なんて大げさに考えてしまう。

明日から11月だというのに、風も冷たくない。少し歩いたので、身体も温まっている。今日もまずビールだな。そんなこと思いながらブリックのドアの前に立つ。ドアは開かない。ドア係がいないということは、お客さんが多いということだ。2階にもブループ客が大勢来ていることだろう。ドアを開けて店の中に入る。一階のテーブルもお客さんでいっぱいだ。「いらっしゃいませ。こちらにどうぞ。」なんと一席だけ空いているのは、カウンターの一番奥。店長の前の席。
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2009年10月28日

時間の魔法・・・阿佐ヶ谷「アルフォンソ」

DSC01924中野駅で三鷹行き電車を待ちながら、空を見上げると月が輝いている。半月が雲をまとっているように見える。こんな時は「今日はいい日だ。」と思いたい。電車がホームに滑り込んでくる。無表情の乗客たちが降りてくる。すれ違いに電車に乗り込む。この時間は混雑しているということはないので、ゆったりとつり革につかまる。阿佐ヶ谷までは2駅。物思いに耽る暇もない。

阿佐ヶ谷駅の改札を出て、北口に。ここからバスで鷺ノ宮まで約10分だ。バスに乗る前にどこかに寄り道しようかな。最近、ご無沙汰のバー「アルフォンソ」に行くことにする。線路沿いに荻窪方面に2、3分歩く。道沿いにメニューとチラシををもったチェーン店系の店員さんが待ちかまえているが、自分が一人なのを確認すると声をかけてこない。沈黙している彼らの中を歩いていく。なんだか変な気分だ。

アルフォンソの扉を開けると、マスターがカウンターから少しだけ身を乗り出して、「いらっしゃいませ。」と迎えてくれる。カウンターからだとドアの部分が見えにくいため、こういう風に身を乗り出す形になる。それが却って、温かく迎えられている感じが伝わってきていいのだ。「こんばんは。」といいながら、入口から2つめの席に座る。カウンターには奥の席に一人客。
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2009年10月27日

幻のグラウンド・・・中野「ブリック」

DSC01918台風が近づいている。今日は朝から冷たい雨が降っていた。夕方、一時あがったものの、中野駅に着いたら、やはり降り始めている。午後8時少し前、北口ロータリーは傘をさした人々が行き交う。風はそんなに感じない。

先週は鷺ノ宮「ペルル」の旧店舗での最後の営業ということもあって、中野には足を向けなかったが、今日は久々にいつものバー、「ブリック」に向かっている。ここ3年くらい週に4、5回は通っている店なので、一週間ぶりなのに久しぶりという感じがする。肌寒い一日ではあったが、疲れを癒すために、やはり最初はビールが飲みたい、そんなことを考えながら、ロータリーを渡る。

ブリックに行く手前に、気になる猫がいる。ビルの階段の下にちょっとしたスペースがあって、そこに夏くらいから小さな猫が表れるようになった。エサを置いていく人もいて、今では、その場所に居着いてしまったようだ。雨は防げる場所なのだが、これから寒い季節はどうなるのか・・・。心配だ。今日は・・・丸くなって寝ている。可愛いぞ。
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ブリックに近づくとさっとドアが開く。ドア係のバーテンダーさんが開けてくれたのだ。傘をたたみながら店の中に入る。「こんばんは。」「いらっしゃいませ。雨になりましたね。」 カウンターのお客さんたちがこちらを見る。いつもの常連さんばかりだ。奥から二番目に空いた席が一つある。「ここ空いてるよ。」と顔見知りのお客さんが招いてくれる。「どうも。」といいながら、その席に向かう。
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2009年10月25日

最後の夜・・・鷺ノ宮「ペルル」

DSC0190324日土曜日。午後から雨になった。6時過ぎに目黒通りで乗ったタクシーの運転手が「本降りにならないといいですけどね。」と言っていた。どうせ小降りだろうという予想は裏切られて、大粒の雨が落ちてきた。目黒駅に着いた時は、本降りとはいえないが、傘がなければ耐えられないほどの雨が落ちていた。

今日は、鷺ノ宮のバー「ペルル」の旧店舗での営業最後の日だ。多分、大勢のお客さんが別れを惜しんで訪れることだろう。この時間だと、鷺ノ宮にはちょうど開店時間の7時頃に着くはずだ。さて、どうするか。何十年来の常連さんが集まるわけだから、自分が席を一つ取るのもどうかとも思う。でも、せっかくだから挨拶だけでもしておきたいという気持ちもある。・・・まあ、鷺ノ宮に着いてから考えるかな。

土曜日の電車は比較的空いているので、この時間としては快適だ。電車に乗っている間も雨は降り続いている。鷺ノ宮に着いたのは7時5分。駅の階段を降りてみると、雨のせいもあって少し肌寒い。駅前の花屋から「いかがですか〜」という声が聞こえる。その声にかぶさるように、踏み切りの警笛が鳴り始める。・・・やっぱり、顔だけ出しとくか・・・。
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2009年10月22日

残されたもの・・・鷺ノ宮「ペルル」

DSC01872中野区鷺ノ宮、夜7:00・・・西武新宿線の踏切はなかなか開かない。鳴り続ける警報機の音が鷺ノ宮の夜空に響いている。今日も中野のバーでウイスキー4杯。それで阿佐ヶ谷経由で帰ってきた。遮断機が上がると、待ちかねたように自転車に乗った人々が先を争うように横断する。それに続いて歩行者も。みんなが渡りきらないうちに、また警報機が鳴り始める。

日曜日から工事が入った「ペルル」は月曜日と火曜日を休み、最後の営業期間に入っている。昨夜、前を通りかかった時は白いドアに変わっていた。これは移転先の店が、元は「林檎の樹」というスナックだったのだが、その店の白いドアがこちらに取り付けられたのだ。ペルルの渋い木のドアが向こうの店に取り付けられたので、最後の営業を続けるこの店に臨時で取り付けられてたというわけだ。
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昨夜は、その白いドアが開け放しになっていた。営業はしていないから、看板には灯りがともっていない。中から声が聞こえてくる。お店を手伝っている方々や応援している近所の人たちが集まって、今後の店の運営について話し合っているらしい。熱心な話し合いのようだったので、お邪魔しないように帰ってきた。

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そうなると今日の営業が気になる。白い扉の向こうはどうなっているんだろうか。カウンターは残されているとは思うが、それ以外は・・・。というわけでまたまた「ペルル」に向かう。牛めしの松屋の手前を左に曲がり、串揚げ屋の角を右に曲がる。笑い声は聞こえてこない。Fさんはまだ来ていないらしい。
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2009年10月20日

時間よ、止まれ。・・・鷺ノ宮「ペルル」

DSC01122先週の土曜日のことだ。いつものように中野のバーに寄り道して、ウイスキー4杯分のほのかな酔いを感じつつ阿佐ヶ谷経由で鷺ノ宮に帰ってきた。明日は休みだから、もう少し飲みたいなと思い、和食系某店のドアを開けた。と・・・満員・・・。カウンターにもテーブルにも空きがない。何にも言わずに帰るのも失礼だと思って、てんてこ舞いの女将さんに「残念だけど、満員ですね。また来ます。」と声をかける。女将さんが、これ以上ないというくらい申し訳ないという表情で、「すみませぇん。またお待ちしておりますぅ」と答えてくれる。この表情は素晴らしい! ついこちらも「とぉんでもなぁい。また、来ますぅ。」という感じの言い方になってしまう。

それで、駅の方向に逆もどりしながら、どこに行こうかなと考える。選択肢は限られているのだが・・・。こんな時こそ、はじめての店に行ってみるという手も・・・とはいっても、鷺ノ宮になぜかたくさんできたエスニック系は、ちょっと無理。辛いの苦手なんですぅ・・・。

というわけで、飲みたいが、行きたい店がないという辛い状況に陥った。じゃあ「ペルル」だな。最近、ご無沙汰だし・・・。マスターが入院してしまい、店も近々移転ということで、足が遠のいていたが、馴染みのカウンターでもう少しだけウイスキーを飲んで帰るのもいいじゃないかと思ったのだ。

「ペルル」のある路地に入るとやけに暗い。それは、隣の居酒屋が営業していないからだ。この辺り一帯が立ち退きになるからだろう。もう営業をやめたのだろうか・・・。と、大きな笑い声が聞こえてくる。どうやら「ペルル」の常連であるFさんの声らしい。とにかく笑い声がでかい。爆発する感じで笑うのだ。いつもの「ペルル」じゃないか・・・。

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2008年10月16日

40年目の風・・・中野「ブリック」

ブリック昭和43年10月15日、20日前に二十歳になったばかりの若者が、数日前に採用されたあるバーに初出勤した。初日と言うことで早く来すぎたため、面接で会った店の人は誰も来ていない。店内はカウンターの付け替え工事が行われていて、大工の棟梁がこちらをちらっと見ただけ。どうしていいかわからず、店の片隅に立ちつくしていた・・・。

そして、40年を経た平成20年10月15日、その若者は今ではチーフバーテンダーとして、やわらかな笑顔をたたえてカウンターの中に立っている。あの日からずっと、この場に立ち、客と接してきた。「その頃のお客さんは、どんなウィスキーを飲んでたの? だるま(オールド)かなんか?」と今の客が尋ねる。「だるまなんて高級品でなかなか飲めませんでしたよ。よくてホワイト、たいていはレッド、トリスですかねえ。」「へぇ〜、レッドがあったんだ。」

「トリスはいくらだったの?」・・・会話は続く。「トリスが60円、ホワイトが80円ですね。ビールが大瓶で240円、ジンフィズなんかのカクテルが150円でしたね。」「ほー、60円ですか。10杯飲んでも600円だね。つまみはどんなのがあったの?」「ポテトチップスやナッツですね。80円でした。今あるメニューですと、チーズ、オムレツ、カニサラダ、ポテトサラダ、マカロニサラダ、生野菜なんかですね。当時はバーで油ものは嫌われましたから。」
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2007年11月25日

待つ男・・・野方「ピュア」

pure11月半ばのちょっと寒い夜だった。その夜、冷たい風の中を、野方駅から10分ほど歩いてバー「ピュア」に入った。時間は、午後9時過ぎ。カウンター奥のいつもの席に落ち着いて、生ビール(400円)を飲みながら、マスターが「これくらいの時間に来るのがいいね。」と人懐っこい笑顔で話すのに応じていた。「誉めてつかわす。」「ははぁ。」などとふざけながら・・・。

先客は常連の方一人。いつものように「カウンター真ん中やや奥より」の席で、飲み物は「ジンリッキー」だ。静かにグラスを傾ける姿に風格を感じる。外の黒板に「ボジョレー・ヌーボー解禁」と書いてあったのを思い出して、ビールの後は「ボジョレー・ヌーボー(グラス680円)」を注文。マスターが大きめのワイングラスに気前よく注いでくれる。「はい、大盛り。」「どうも。」

食事をしていなかったので、「牛スジの洋風煮込み(680円)」を注文。これはつまり牛スジのシチューなのだが、とろとろの牛スジがたまらなく美味しい。「いつもながら、美味しいですね。」「そうでしょ。このスジは下手な肉より、数段美味しいからね。」などと会話している時、一人の男性客が店に入ってきた。
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2007年04月20日

考え事はとりとめもなく・・・中野「ブリック」

グリーン豆雨が3日続いた。その雨も今日の午後にはあがって、明るい日差しが眩しかった。でも、頬にあたる風は水の流れのようにひんやりとして、四月も後半に入ったというのにコート姿の人が目立つ。午後7時過ぎ。中野区議会議員選挙戦も激しさを増し、北口ロータリーでは候補者が「私に2期目の仕事をさせてください!」と叫んでいる。その横にはカラオケのティッシュをだるそうに配っている若い女性がいて、さらにその手前にはキャバクラのチラシを配っている体格のいい男性・・・。夜に入る中野の街は、いつものように人混みで埋まり始めている。

サンモール商店街を少し歩き、たこ焼き屋の角を曲がって、更にパチンコ屋の角を曲がる。バー「ブリック」はいつもながら、ひっそりとした佇まい。入り口のガラス戸越しにカウンター席が見える。L字カウンターの縦棒にはいつものメンバーが座っているようだ。

ドアを開けて中にはいると、ジャズのピアノが微かに響いている。「いらっしゃいませ。」と、三人のバーテンダーに迎えられる。入り口から5番目の席が空いている。両側のお客さんに「すみません。」と言いながら座る。おしぼりがさっと出てくる。「ソーダ割りでいいですか?」と問われる。「はい。」と答える。棚から「ボウモア」が取り出される。流れるように注文が通る。「どうぞ。」ソーダ割りが届く。「どうも」一口・・・美味しい。体の奥底まで染みこむようだ・・・。
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2007年04月17日

ソーダ割りをあと3杯・・・鷺ノ宮「ペルル」

シングルトン冷たい雨が街路樹を濡らしている。通りを走り抜ける選挙カーが中野区議会議員候補の名前を連呼している。風はずいぶん収まってきた。午後7時30分。小路を進んで、見慣れたドアの前に立つ。傘をたたんでドアノブを引く。カウンターには女性客が一人。「いらっしゃいませ。」とマスターが笑顔をこちらに向ける。「こんばんは。」月曜日のペルルは静かだ。

自分のボトルが出てくる。ちょうど一週間前に持ち込んだスコッチ。「氷は一緒に使ってください。」とマスター。客は二人だけだからというのもあるが、この店ではみんなが一体感を持って過ごすという雰囲気を大切にする。一人渋くというのは、できないようになっている。

「これSさんの、ハワイ土産です。」とナッツが出される。「Sさん、ハワイに仕事で行かれたんですか?」「いや、家族旅行らしいですね。」・・・というやり取りをしながら、ナッツをつまむ。ソーダで割ったスコッチがすっと喉に入ってくる。ふ〜。こんな感じで飲めるのも地元のバーならではだなあ。
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2006年10月06日

巷に雨の降るごとく・・・中野「ブリック」

雨のブリック中野駅北口ロータリー前、午後7時。やや強めの雨が降り続いている。駅前広場は傘で埋め尽くされている。さすがに10月に入って、この時間になると肌寒い。その中でも、まだ半袖のサラリーマンが数人歩いていて、夏の名残をほんの少し感じさせている。ロータリーを横切る傘の流れに乗って、サンモール商店街側に渡る。

歩道が雨に濡れて、証明を映して光っている。ブリックの入り口は相変わらず、別の世界の酒場のようにひっそりとしている。ドアを開けると、4人のバーテンダーが一斉に「いらっしゃいませ。」と声をかけてくれる。カウンターにはずらりとお客さんが並んでいる。奥の方にはいつもの常連さんたちが5人程並んでいる。手前には、2人組と1人客。常連グループと1人客の間の席に座る。

すぐに自分のボトルが用意される。「ザ・グレンリベット」だ。「今日は、最初にモルツを。」「モルツですね。」氷の中に冷やしてあるモルツの小瓶が取り出される。グラスがコースターの上に置かれ、ビールがゆっくりと注がれる。細かい泡がグラスの表面を滑らかに覆う。「どうぞ。」「どうも。」・・・では、一口・・・独特の芳香が口の中に広がる。
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2006年01月14日

白馬一瓶・・・中野「ブリック」

ブリック今夜は寒い。昼間から凍えるような風が吹いていたが、そのまま夜に入って、ますます風に鋭さが加わったようだ。こういう夜は暖かいものでも食べたいものだ。しかし、中野駅に降り立った自分には少し違った目的がある。というのも・・・今日中に目を通しておきたい資料を抱えていて、最初はどこかの喫茶店で読もうかと思っていた。しかし、その後、飲みに行くのでは時間が遅くなってしまう。なんとかそれを一緒にして・・・そうだ!飲みながら、読めばいいんだよな、と考えてしまったわけだ。

とはいえ、そんなことはどこの店でもできることではない。居酒屋で仕事をしている人はめったにいないだろう。ここはバーで、ゆっくりゆっくり飲みながら、パラッパラッと資料をめくる。これなら大丈夫なんじゃないかなあ。それなら、候補は一つしかない。中野のレトロなバー「ブリック」だ。「ブリック」のバーテンダーさんたちは話しかけると気さくに話してくれるが、こちらが考え事をしている時などはそっとしておいてくれる。照明も明るくはないが、読書できるくらいだ。そうそう。ブリック、ブリック。
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2005年12月07日

23時30分・・・鷺ノ宮「ペルル」

バーボンソーダやっと鷺ノ宮駅にたどり着く。駅前は電車から降りた人々が足早に帰り道を急ぐ。そのあとはひっそりと静まり返る。駅前の通りを右に向かう。明るい光を放つ牛めしの「松屋」の角を曲がる。腕時計を確認すると、午後11時。「ペルル」の閉店時間まで30分。3杯は飲めるな・・・。

さらに道を右に曲がってしばらく歩くと、「ペルル」の古びた看板が光っている。ドアの前に立つと、中から笑い声が漏れてくる。ドアを開ける。カウンターのお客さんがこちらを見る。マスターが顔をあげて、「おお、いらっしゃい。どうぞ。どうぞ。」とカウンターの中から声をかけてくれる。カウンターは入り口付近からズラリと埋まり、奥から3番目の席が一つ空いている。コートを脱いで、鞄とともに後のテーブルに置く。お客さんたちに挨拶しながら奥に向かい、椅子に座る。マスターがおしぼりをさっと出してくれる。受け取りながら、「あと30分ですね。」とマスターに話しかける。「今日は遅かったですね。お疲れ様。」とマスター。この言葉だけで今日一日が報われるような気がする。

いつものように、自分のボトル「メーカーズマーク」が、自分の前に置かれ、氷が出てくる。大きな氷片を一つ入れてバーボンを注ぐ。氷がカチっと音を立ててグラスの底に沈む。ソーダを加えて、さて、一口・・・ふぅ〜、本当にお疲れ様。美味しい!BGMはPPMの「500マイルも離れて」に切り替わる。冷たいバーボンソーダが心地よく体に滲みて行く。
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2005年12月03日

ウイスキー5杯の夜・・・中野「ブリック」

ブリック駅前ロータリーには、雨の跡が残っている。今はもう降ってないのだが、寒さが身に沁みてくる。カラオケ屋のティッシュを配る女の子も寒そうに体を上下に揺すっている。街が冬に変わっている。12月最初の週末はそれでも歩く人は多いようだ。今夜はのんびりウイスキーでも飲みたいな、と思う。

そこで向かうのは「ブリック」。金曜日は遅い時間は込み合うが、8時くらいまでは空いている日もある。今日はどうかな。ケンタッキーの角を曲がる。ブリックの前に携帯電話をかけている人が見える。その人が去った後はひっそりと静まり返る。

店の前に立つと、ドアがさっと開く。ドア係の男性が開けてくれたのだ。「どうも。」と言って中に入り、コートを脱いでいると、「お預かりします」と声がかかる。コートを渡して、カウンターに向かう。L字カウンターには3人のお客さんのみ。一番手前の席に決めて座る。「いらっしゃいませ。」とカウンターの中から声がかかり、自分のボトル「カナディアンクラブ」が前に置かれる。「ソーダ割りでよろしいですか。」「はい。」・・・これで、自分の世界に入る。
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2005年09月16日

秋風にゆれるカーテン・・・鷺ノ宮「ペルル」

看板今日は少々寝不足だったので、早めに仕事を切り上げて鷺ノ宮に帰ってきた。7時少し前だ。この時間だと、「ペルル」のマスターの顔を見て帰ろうという気になるのは仕方ないなあ。8時まで飲んで帰ろうと自分に言い聞かせて、路地に入る。

自分の10メートル先を若い女性が歩いている。その女性が「ペルル」のドアを開けようとする。ところがまだ開いていないので、裏に回っていく。何だ?・・・ああ、今日のお手伝いの大学生か。自分がドアの前に着くと、そこでマスターが出てくる。「どうも。」先週と同じようなパターンになってしまったぞ。

この前と同じく看板出しを手伝って、カウンターの真ん中に座る。マスターと手伝いの女性が、こまごまとした準備をしているのをぼんやり眺めながら、聞くともなく流れてくるラジオに耳を傾ける。いつものように7時のNHKニュース。これがまた風情があるんだよな。しばらくして、ボトルと氷(500円)、水(無料)が自分の前に並べられる。
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2005年09月09日

夏は思い出の中に・・・鷺ノ宮「ペルル」

ペルル
9月4日夜の大雨で、鷺ノ宮は自分が考えていた以上の被害があったようだ。閉店の貼り紙が出ているスナックがあると思えば、まだ開く目途の立たない店舗がちらほらあったりして、街を歩いているとあの雨のすごさを改めて感じさせる。

そんな中で心配だったのが「ペルル」だ。翌日から「5・6・7 お休み すみません」という紙がドアに貼られていたからだ。急いで書いたらしく、字がちょっと違っていたり、「ペルじい」という署名もなんだか乱れているような気がする。やっぱり、雨で店の中に水が入ってしまったのだろうか。いや、それだったら3日間に限定できないのでは?2階の灯りもついていないし・・・。マスター、一体何があったの〜。

というわけで今日(8日)は、是非とも7時の開店時間に店に行かなくてはと張り切って仕事を終わらせ、急いで鷺ノ宮に帰ってきた。店の前に着いたのは、開店1分前。看板に灯りは入っていない。店の前で待とうかな・・・。しばらくするとマスターの声が店の裏から聞こえてくる。マスター、無事でしたか!
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2005年09月07日

静かな夜のジントニック・・・高円寺「POST」

ポスト「ジントニック」が飲みたい。なぜかそんな日がある。何があったというわけではない。むしろすんなりと仕事が終わり、職場を出て風に吹かれながら歩いている・・・そんな時、ふと「ジントニック」のあの香りが脳裏に蘇える。ジントニックか・・・。今日は高円寺だな。

台風の影響で一日中空は重かった。しかし、今は雨は降っていない。程よい風に背中を押されながら、高円寺駅北口「純情商店街」に入る。しばらく歩いて左へ。「庚申通り商店街」。電気屋さんの手前の路地を左に曲がれば、その店は見えてくる。BAR「POST」。いかにも落ち着いた店構えだ。

ドアを開けて店の中へ。まず奥にのびるカウンターが目に入る。カウンターはL字型。縦棒が10席、角が丸くなっていてそこに1席、横棒が3席。先客は1人。Lの縦棒の先端、つまり一番奥の席に座っている。自分は横棒の真ん中に座る。「いらっしゃいませ。」「ジントニックを。」「ジンは何がよろしいでしょう。」「ビーフィーターで。」「かしこまりました。」
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2005年09月06日

霧雨の街で・・・大久保「大久保バール」

大久保バール昨夜(4日)の大雨で阿佐ヶ谷駅が冠水している映像が、テレビで流れていた。阿佐ヶ谷駅周辺には馴染みの店もあるので、心配になってしまう。様子を見に行こうと、新宿駅で三鷹行き電車に乗り換える。ひどかったのは多分南口の方だなあ、などと考えて電車に揺られる。外は霧雨。台風は九州に接近中だという。

大久保駅が近づく。大久保には行きたい店があるのだが・・・いい機会だから、様子だけでも見に行くかなと、とっさに思って電車を降りる。北口改札を出て、左。道を渡って蕎麦屋の前の道を奥に入り右折。正面に「大久保バール」の看板が輝いている。「新宿ばーる」の2号店だ。

ドアを開けると・・・おお、これは広い!正面にカウンター席がずらり。左手壁沿いにサブカウンター。他に大きなウイスキー樽のようなテーブル席がある。照明も適度に明るい。黒いTシャツの女性が出迎えてくれる。「いらっしゃいませ。お一人様ですか?」「1人です。」「奥のカウンターになさいますか?」「そうします。」メインカウンターには女性が2人ずつ3組。サブカウンターには男女のカップルが1組・・・自分が2人目の男性客か・・・。
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2005年08月19日

ネイバー・フット・バー・・・鷺ノ宮「ペルル」

8月3日の記事のコメント欄で「ラムちゃん」さんが書いてくれた「ネイバー・フット・バー」という言葉がとても気に入っている。この言葉によって「ペルル」の大切さが再確認できたからだ。近所にのんびりお酒が飲めるバーがあること自体、とても幸運なことなんだなあ・・・。

というわけで、7時に鷺ノ宮駅に着くとすぐに「ペルル」に向かう。「ペルル」はお盆休みも無かったはず。この暑さの中、マスターは元気だろうか。自然と早足になるのを意識しながら、「ペルル」のある路地へと入る。

ん?灯りがついてないぞぉ。腕時計を見ると7時2分。開店時間は2分過ぎているが・・・。店に近づくと、ドアが不意に開いて自転車を持ったマスターが出てくる。突然顔を合わせたので、お互いに驚く。「わぁ!」「おお!」という感じ・・・。「き、今日はお休みですか?」「いや〜、これから開けるところで・・・ちょっと遅くなって・・・。まあ中でお待ちください。」「どうも。」・・・というわけで店の中へ。  続きを読む
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2005年08月03日

夏の夜の夢・・・鷺ノ宮「ペルル」

メーカーズマーク6今日も順調に仕事が終わり、鷺ノ宮に着いたのは7時過ぎ。う〜ん、こんなにスムーズに地元に到着できるとは・・・。さて、今日は「ペルル」で少し飲んで帰ろうかな。実は先月の下旬に「ペルル」に行った時、たまたま誕生日を数日後に控えていたということで、マスターがシャンパンをご馳走してくれたのだ。しかも、店のお客さんが皆で「ハッピーバースディ」を歌ってくれた。照れくさかったなあ・・・でもシャンパンは美味しかった!

などと回想しながら「ペルル」まで歩く。店のドアを開けて中に入ると、マスターがいない。「いらっしゃいませ。」と迎えてくれたのは火曜日のお手伝いの女性、ヒロミさん。カウンター中央に座りながら、「マスターは?」と尋ねる。「ちょっと、お色直し。」をヒロミさんが微笑みながら答えてくれる。

いつものように後ろの棚からヒロミさんが自分の「メーカーズマーク」のボトルを探してくれるが、見つからないようだ。最近キープボトルが増えてしまって、棚に乗り切らないとマスターが言ってたが・・・。ん、この前は来た時の席にそのまま置いてある。カウンターの上にキープされていたか。
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2005年06月16日

ハイボールと柿の種・・・目黒「権ノ助ハイボール」

目黒権之助坂、午後9時。BGMは軽快なメロディーに切り替わる。地下のバー「権ノ助ハイボール」の店内には、カウンターに5人の客。それぞれの前には特性ハイボール(600円)のグラスが置かれている。

自分はお通しの「柿の種」がすごく辛いことに気がついて、やめられなくなっている。何しろ舌がしびれるほど辛いのだ。時折、ピーナッツを食べて辛さを休みながら、それでもハイボールを一口飲むとまた柿の種に手がのびてしまう。左隣の女性が、バーテンダーの武田さんに話しかける。「この柿の種、辛くない?」その言葉につい自分も反応してしまう。「辛いですよね。しかも、相当。」

武田さんはすこし間を置いて、「辛いですか?日本で2番目に辛いという柿の種を買ってきたんです。ちょっと多めにブレンドしすぎましたかねえ。」と笑顔で話す。「いやいや、やめられなくなってます。」と自分。そういいながらも一つ・・・ぽりぽり・・・ひゃ〜、辛い〜、ハイボ〜〜〜〜ル!!!で、でも、やめられな〜い。
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