今日(29日)は、休みをもらって、家で仕事をすることになった。のんびりしたいところだが、朝、計画を立ててみると夜までかかるみたいだ。朝からパソコンの前で仕事に励んだのだが、昼食くらいはゆっくりとりたい。というわけで、昼過ぎに駅前まで出てきた。先日の記事で取り上げた「つぶらや」に行くつもりだ。
鷺ノ宮にも近年、ラーメン屋さんが増えてきた。担々麺が売りの「一兆」から始まって、ガーリックバターラーメンが印象的な「麺々」、とんこつ醤油ラーメンなどの「秋龍」。以前からある「喜膳」、チェーン店の「花月」と「福しん」を合わせると、街の規模からすればちょっとしたものなのではないだろうか。それに、お隣の都立家政には、ラーメンチャンピオンプロデュースの「黒船」。マスコミで有名になった「七彩」、ドンペリが置いてある南口の「高田光幸」などがあって、この地域は、ラーメン激戦区になっていると言ってもいいのでは。
そんな鷺ノ宮に、しかも「秋龍」の隣に3月オープンしたのが、「つぶらや」だ。この細い路地には、居酒屋2軒、鯛焼き屋1軒、お好み焼き屋1軒、それにラーメン屋2軒と、鷺ノ宮の隠れた繁華街(大げさ)になってきている。「つぶらや」のご主人とは
「ペルル」で先日お会いしたし、「ペルル」の常連さんたちがみんな、口を揃えて「美味しいよ。」というので、是非近いうちに行ってみようと思っていたのだ。
12時を少し過ぎたあたり。店に入ると、逆L字型のカウンターの奥で文庫本を読んでいるお客さんが・・・あれっ、「ペルル」の常連さんじゃないか。いきなり会えるとは、嬉しい。広島カープの井生選手似のご主人が「いらっしゃいませ。先日はどうも。」と声をかけてくれる。「どうも、早速伺いまた。」・・・そのやりとりを聞いて顔を上げた常連さんが「誰かと思ったら・・・こんにちは。」「どうも。」・・・常連さんの隣に座る。
さて、メニューは・・・。テーブルの上をキョロキョロ見回す。あれっ?ないぞ・・・まあ、いいやもう決めてきてるし・・・「醤油ラーメン(650円)を。皆さんから勧められているので。お願いします。」と注文。「醤油ですね。ありがとうございます。」・・・すると新しいお客さんが入ってきて、入口近くの券売機の前に立つ。「あれっ、食券を買うんですね。すみません。」と慌てて言うと、「ああ、いいんですよ。お帰りの時で。」とご主人。柔らかい笑顔がいい。
ここのご主人は、ラーメン屋でよくある大きな声を張り上げるタイプでもなく、かといって職人っぽく頑固さを全面に出すわけでもない。情熱は内に秘め、腰は低く、柔らかな接客態度。それでいて、出てくるラーメンが絶品という評判・・・これぞ本物の職人ではないか。
隣の常連さんは、串揚げも注文している。「今日は研究会で夕食が9時くらいになるから、しっかりお腹に入れとかなきゃ。」・・・この店は、飲み屋さんでもある。串揚げは100円から。その他にも煮込みをはじめ、ちょっとしたつまみが揃っている。つまみのメニューは壁に貼ってあるので、眺めていると、飲みたくなってくる。
飲み物には、下町ハイボール、さらにホイス(!)、ホッピーが揃っている。キンミヤ焼酎の瓶が燦然と輝いている。ますます、飲みたくなる。うぐぐ・・・。でも、仕事が・・・う〜む・・・。隣の常連さんに、串揚げが3本のった皿と、醤油ラーメンが届く。おお、美味そうだ。早く食べたい・・・食欲をかきたてて、酒に対する執着を抑えつける。
自分にも、醤油ラーメンが届く。おお、待ってました。お腹空いたなあ・・・では、レンゲでスープを一口すくって・・・わぉ、澄んだ味だ!なのに味わいが濃い・・・素晴らしい個性だ・・・麺を一口・・・もちもち、ぷりっとしている・・・このスープに、この麺が上手く絡んで・・・これは・・・いくらでも食べられる味だ。美味しい! 評判通りだ。いいなあ、このラーメン。
食べている途中で、常連さんが「じゃあ、また。」と挨拶をして席を立つ。失礼ながら、食べながら「ぢょうも・・・まちゃ。」みたいに答える。すみません。でも、美味しい、止まらない。スープも最後まで飲み干す。まったく、最後まですっきりと飲めて、しかも後味がいい。
「ごちそうさま。さすがですね。評判通りです。美味しかったです。」と席を立つ。ご主人が「そうですか。ありがとうございます。」と明るい笑顔で答えてくれる。「今度は、飲みに来ますね。」「お待ちしています。・・・ああ、それから、新しいペルルでご一緒しましょう!」人を惹きつける笑顔で送ってくれる。
東京都中野区鷺宮4-2-18 03-5373-8169
11:00〜24:00(LO23:45) 水曜休